メールマガジン

【No.943】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四十五弾 鳥羽の火祭り」|至学館大学・コミュニケーション研究所長 石田 芳弘氏|

【No.943】各地からの市民の声、現場レポートも充実しています

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構想日本メールマガジン【No.943】 2020.01.16 発行

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<目次>

【1】第255回J.I.フォーラム 2月10日(月)

会員限定 「構想日本会員 懇談会」

【2】各地からの現場レポート

(1)兵庫県 川西市「かわにし市民会議」(第6回)

(2)和歌山県 海南市 「住民協議会」(第5回)

(3)岡山県 津山市「津山自分ごと化会議」(第3回)

【3】今後の活動予定

(1)岡山県 津山市 「津山自分ごと化会議」(第4回・最終回)1月18日(土)

【4】12月の主な活動報告 政策実現活動、新聞・テレビ等メディア掲載 その他

【5】巻末寄稿文

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四十五弾 鳥羽の火祭り」

至学館大学・コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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【1】第255回J.I.フォーラム

会員限定 「構想日本 会員懇談会2020」

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これまでのJ.I.フォーラムゲストや、プロジェクト活動にご協力いただいた皆様と一緒に、大いに飲み、しゃべり、盛り上がり、2020年の日本を考えたいと思います。

◯日 時:2020年 2月10日(月) 19:00~21:00(開場18:30)

※開始時間にご留意ください。(入退室自由)

◯会 場:レストラン赤坂クーポール 本店(東京都港区赤坂1-1-14 野村不動産溜池ビルB1、TEL:03-3582-4035)

◯参加費 : 5,000円

◯フォーラムの申し込み方法

⇒HPから申し込み:http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/regist.php
⇒メールをする:info@kosonippon.org
⇒Facebookイベントページの「参加」をクリック
https://www.facebook.com/events/609190753247546/
⇒電話をする:03-5275-5607
⇒FAX.をする:03-5275-5617

いずれかの方法で、お申し込みください。

☆参加ご希望の方は2月6日(木)12:00までに下記にご記入の上、FAX.他にてお申し込みください。
なお、キャンセルをされる場合は必ず7日(金)12:00までにご連絡ください。それ以降は、キャンセル料を頂戴致しますので、ご了承ください。

※会員懇談会は、構想日本会員様限定の会でございますが、会員様のご紹介があれば、どなたでもお入りいただけます。皆様お誘い合わせの上、ご来場ください。

◯お問い合せは TEL 03-5275-5607

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【3】各地からの現場レポート

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(1)兵庫県 川西市「かわにし市民会議」第6回・最終回(11/30)

テーマは 1,産業の活性化 2,子育て・教育の充実 3,住宅都市としての魅力向上 4,文化・歴史の活かし方 5,やりがいの持てる地域活動の促進
これまで5回に渡り議論した内容をとりまとめた「市民会議からの提案書」を基に作成した「総合戦略原案」に対してディスカッションが行われました。

市民会議では総合戦略に関する意見や、これまでの市民会議を通して感じたことなど、色々な議論が行われました。

・取組内容が抽象的で、管理の仕方や具体的にどう進んでいるのか、この記載内容ではわからないと思う。取組内容を一覧表にして常に公表してほしいし、公表することを戦略に書いてほしい。

・第1次の総合戦略にも今回の戦略と似た意見が多くあったのを記憶している。戦略からなくなっていった内容もある。出来なかったことも出てくると思う。そのあたりも見える化しないと、なんでなくなったんだと思ってしまう。見える化してもらえたら、参加者の信頼も得られると思う。

・市民会議に参加して良かった。市民会議は今年初めてだと聞いたが、次はいつあるのかが一番興味がある。周りの人に話をしたら、「今回だけの話?継続するのか?」と興味をもって聞いてくれた。次回の予定があれば教えてほしい。

詳細はこちら → http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/blog/?p=2756

川西市HP →  https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/shiseijoho/gyozaisei/1008787/1008790/index.html

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(2)和歌山県 海南市「住民協議会」第5回・最終回(12/15)

テーマは「コミュニティ施設(公民館や児童館、集会所など)のあり方」

最終回である第5回は、1)海南市住民協議会からの6つの提案(案)と2)コミュニティ施設の見直し基準(案)について議論しました。

協議会に参加した委員の主な感想

・今まで何気なく暮らしていた地域が、住民の人々の協力のもとで成り立っていると自覚することができた。これから”協力する側”に回っていきたい。

・もっとたくさんのテーマについて、頻繁に協議したい。あと、(住民協議会の)絶妙な手作り感が最高でした。

・「構想日本」を入れたスタイルを考えた海南市は良かったと思う。問題は次のステップにどう移していくか、そのプロセスがポイントになると思う。

詳細はこちら → http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/blog/?p=2817

海南市HP → http://www.city.kainan.lg.jp/kakubusho/soumubu/kikakuzaiseika/kikakuzaiseikatorikumi/jyuuminkyougikai/1563452219972.html

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(3)津山市「津山自分ごと化会議」第3回(12/21)

テーマは「市営プールと学校プールのあり方」

ナビゲーターから問題提起のあった『津山市のプールが「誰のため」「何のため」のプールなのか考えることが重要』という観点から議論しました。

意見(抜粋):

・子どもが最優先でレジャー目的よりは子どもたちが水難事故が起きても命を守ることのできるよう技術の向上が一番の目的。

・前回まではグラスハウス(市営)を維持してほしいと言っていたが、今回話を聞いてグラスハウスはなくして欲しいと思った。

・子どもが何かあったときに泳げる泳力を身に付けるためだとしても、レジャー用だとしても、今の津山市ではどちらにしても中途半端。

詳細はこちら → http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/blog/?p=2900

津山市HP → https://www.city.tsuyama.lg.jp/life/index2.php?id=7317

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【4】今後の活動予定

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(1)岡山県 津山市 「津山自分ごと化会議」第4回

【テーマ】「市営プールと学校プールのあり方について」

市が所有・管理しているプール施設について、人口減少や施設の老朽化に伴い、将来を見据えた運営方法の見直しが必要となっています。そこで、今後のプールのあり方について、市民の皆さんに話し合っていただきます。

【日 時】2020年1月18日(土) 13:00~16:00(予定)

【会 場】津山市役所(岡山県津山市山北520番地)

※会場に関する問い合わせ先 津山市行財政改革推進室(電話:0868-32-2028)

詳細は、津山市HPをご覧ください。
https://www.city.tsuyama.lg.jp/life/index2.php?id=7317

構想日本ブログ http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/blog/?cat=125

【参加費】無料 どなたでも傍聴できます(事前登録不要、途中入退室可)

お問合せは、構想日本まで TEL:03-5275-5607 E-MAIL:shiwake@kosonippon.org

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【4】12月の主な活動報告

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(1)政策実現活動

●住民協議会

12月 1日  北海道 清水町「清水ミライ自分ごと化会議(3)」
12月14日  群馬県 太田市「自分ごと化会議2019(4)」
12月15日  和歌山県 海南市「住民協議会(5)」
12月20日  新庄村「村づくり自分ごと化会議提案書報告会」
12月21日  岡山県 津山市「津山自分ごと化会議(3)」
12月22日  群馬県 富岡市「とみおか未来会議(4)」

※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 6件

(2)テレビ等メディア掲載

12月15日 地域公共交通の今、そしてこれから-「秋のレビュー」の議論を題材に(第2087号) 法律雑誌『時の法令』
http://www.garyusha.com/wp/wp-content/uploads/2019/11/12.15-2087.jpg

12月25日 新庄村役場 建て替えか改修 専門委立ち上げ議論を 村議会提案 山陽新聞

(3)その他

< 講義 >

2019年10月~隔週金曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論」(後期)(代表 加藤秀樹)

公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めます。
これまでのゲストは、東修平氏(四条畷市長)、山中光茂氏(しろひげ在宅診療所 院長、元松阪市長)、 東ちづる氏(女優、一般社団法人Get in touch理事長)、 藤田早苗氏(英国エセックス大学人権センターフェロー)、小澤いぶき氏(認定NPO法人PIECES 代表)。

2019年9月~毎週木曜日 法政大学 法学部「NPO論II」(総括ディレクター 伊藤伸)

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【5】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四十五弾 鳥羽の火祭り」

至学館大学・コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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三河湾西幡豆(はず)漁港に面した西尾市鳥羽神社の例祭である。

まず西尾市について。三河では豊橋・岡崎・西尾を三都というらしいが、西尾は城下町の記憶が残る歴史を感じさせるまちである。吉良上野介・吉良の仁吉・尾崎士郎ゆかりの地であり、てんてこ祭(1月3日)や三河一色大提灯(8月26・27日)など由緒ある祭も数多い。

かつて愛知県がイタリアの博覧会に出展した時、西尾商工会議所が中心となって抹茶をサービスするコーナーを作った。からくり人形師の九代玉屋庄兵衛氏をともなって会議所会頭の杉田愛次郎さんに会い、玉屋庄兵衛作・茶運び人形(からくり人形)で世界中の人にサービスしたらどうかと相談したことがある。西尾市は全国一の抹茶の生産地であり、文化的素材の多い魅力的なまちである。

そんな中で鳥羽の火祭りは、ひと際光彩を放つ1200年来連綿と続く奇祭である。理由は簡単、この祭はシンプルそのもの。昼に厄歳の若者たちが海に入って禊(みそぎ)をし、夜になると茅(かや)で作った2基の「スズミ」という5メートルはある巨大な構築物に火をつけてその中の神木を取り出すことを競う。火祭というものの持つプリミティブな神秘性が、千年持続の力であろう。

一般に、祭が持続する最大の要因は神事にある。この神事は理屈では説明のつかないスピリッチュアルな行為だから祭関係者にとっては義務とか使命とか娯楽ではなく、生命力につながる信仰のようなものと考えてもいいかもしれない。人間誰にも備わった信仰の力は、いったんスイッチが入ると強く固い。そして海と火の中に飛び込むという単純なマンネリズムが逆に持続力となる。

この信仰心の対象は神というより“Something Great”という表現のほうが私には心に響く。本居宣長の言うところの「恐れ多いもの」である。

2016年、日本の33の祭がユネスコの無形文化遺産に登録された。鳥羽の火祭りは国指定重要無形民俗文化財ではあるがユネスコ登録の文化財ではない。私はユネスコの無形文化遺産になった犬山祭の保存会長をしているから事情に詳しいが、ユネスコの無形文化遺産になった祭は「山・鉾・屋台保存連合会」という全国組織を作っている京都祇園祭をルーツとするいわゆる曳山型の祭である。

曳山タイプは本体を始め懸装(けそう)品や錺(かざり)金具などの文化財としての装備に維持費がかかる。そこで公的な資金を得るために組織を作り、文化庁や自治体と繋がる。だから行政も組織的に祭団体の存在を把握しやすくグループでユネスコ登録となっただけで、本来の民俗遺産としてはこの鳥羽の火祭りなんかは堂々たるユネスコ無形文化遺産級であろう。

祭当日はことのほか寒かった。小雪交じりの寒風が音を立て吹きすさぶ中、一団の若者が晒(さらし)の褌(ふんどし)いっちょうで2人の神男を囲んでワッショイワッショイの掛け声とともに極寒の三河湾にしぶきを上げて飛び込んだ。場面は転換し、夜のとばりに包まれた鳥羽神明社で巨大な2基のスズミを見た時、私には野生の中にある原始人の小屋を彷彿させた。

火打ち石で起こした火が「スズミ」に点火され、今度はネコと呼ばれる白装束に身を固めた若者たちが火の中に飛び込んでいく。スズミという構築物は茅(かや)で作るのだが、周りを青竹や藤蔓で固く縛り、それをクロマツのゆすり棒・ヤマサクラの払い棒・モチノキのアテ棒等で崩し火の勢いをつける。100メートルは離れていたろう我々観客の桟敷まで煙が巻き、火の粉が飛び、顔面がてらてらと火照った。

結局この祭は福地と乾地という2町内が、2基のスズミの中に埋め込まれている「神木」と「十二縄」をどちらが早く取り出すかということでその年の吉凶を占う儀式であるが、祭の魂といい有様といい古代そのままのファンタジーであった。

つらつら現代の世俗観での感想だが、何の役にも立たない且つばかばかしいことにこれだけハイになる祭人たちの野生に接し、これは現代社会の欺瞞に満ちた日常への解毒剤であると感じ入り、極寒の夜空に爽快感が満ちてきた。

鳥羽の火祭り http://www.katch.ne.jp/~toba-shinmeisha/himatsuri/index.html

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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(編集後記)

1.17明日で、阪神・淡路大震災から25年になります。3.11東日本大震災から約9年。
地震だけでなく、台風などの風水害、雪、噴火、様々な自然災害にみまわれています。
森林火災も他人事ではなく、今できること、これからすべきことを考えたいと思います。

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