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【No.952】代表コラム「ストの理由には反対、しかしストには賛成!?」

【No.952】代表コラム「ストの理由には反対、しかしストには賛成!?」

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構想日本メールマガジン【No.952】 2020.03.19 発行

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<目次>

【1】代表コラム(12)「ストの理由には反対、しかしストには賛成!?」

構想日本 代表  加藤 秀樹

【2】第256回J.I.フォーラム 延期のお知らせ

【3】お知らせ

(1)「JUDGIT!」最優秀賞 受賞

(2)~辰巳 琢郎氏 舞台のお知らせ~

【4】「JUDGIT!」で検索!

新型コロナウィルスなどの感染症対策を「JUDGIT!」で探してみよう!

【5】会員募集・寄付のお願い

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【1】代表コラム(12)「ストの理由には反対、しかしストには賛成!?」

構想日本 代表  加藤 秀樹

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史上最長と言われるフランスの交通機関を中心とするストライキが2ヶ月以上を経てようやく終息した。パリにいる友人にストの様子、フランス人の反応などを聞くとそれがなかなか面白い。構想日本が行っている「自分ごと化会議」に通じるところがあるので、少し紹介したい。

このストは、マクロン政権が発表した年金改革に反対して、フランス国鉄(SNCF)やパリ交通公団(RATP)を中心に、昨年12月5日から続いてきた。フランスの年金は職種ごとに40以上の制度があり、支給開始年齢にも10年以上の差がある。マクロンの改革はそれを一本化し、現代の働き方に合ったものにするとともに、年金財政を健全化しようというものだ。

年金改革はフランス政府の長年の懸案で、過去にも長期にわたるストの結果、首相が辞任するなど頓挫しているが、今回はマクロン大統領の選挙公約でもあり簡単には退けない。

まず、個人の生活への影響、反応はというと、パリ市民に聞くとストのピーク時にはみんな文句が止まらなかったらしい。クリスマスから新年にかけて、パリの地下鉄はほぼ全面運休だったので道路は大渋滞。その間を自転車や電動キックボードが縫うように走り、交通量の多い所では市民どうしの小競り合いも見られたという。ルーブル美術館やオペラ座など観光客が多い所は一時閉館、商店などは相当打撃があったと言われる。

では、ストライキの原因である年金改革についてはどうなのだろう。7割以上が年金改革賛成というフランス国内での世論調査もある。私の友人が感じる範囲でも、改革に賛成という人は多いようだ。

フランスでは年金の起源が古く、職種によってマチマチだ。例えば鉄道労働者は石炭を焚いて蒸気機関車を動かしていたため、キツい肉体労働が多かった。そこで、年金支給が始まるのは50歳そこそこ。それが今でも続いている。これは一般のサラリーマンから見ると、現代の実情に合わない既得権益であり、マクロン改革賛成ということになる。

余談がてらに付け加えると、パリのオペラ座所属のダンサーがオペラ座の前でスト支援のバレエを行ったという報道があった。オペラ座のダンサーの年金は17世紀末にルイ14世が導入し、その性格上、42歳での退職とその後の年金支給が認められているという。こちらは職業柄退職年齢が早いのは仕方ないのかもしれない。しかしそうなると、平均寿命が長くなった現代では勤務年数の倍近くの期間、年金をもらうことになるのだろうか。

年金改革に賛成する国民が多く、国民に不自由を強いているストライキならば、多くの国民の反発を買いそうだが、そこがそうでもないらしい。フランス国内での調査でも、6割以上の国民がストを支持しているという。小規模事業主やパートタイム勤務者など組合に加入していない人たちの利害は誰も代弁してくれない。にもかかわらずなのだ。

ストの理由に対する賛否と、スト自体への賛否が違うというところが面白い。ストは、労働者に与えられた雇用主や国家権力に対する正当な対抗、主張の手段だということなのだ。年金以外のことでもいつか自分もストやデモをしないといけなくなるかもしれない。その点ではすべての労働者、従業員がお互い様ということなのだろうか。もっと立派な説明を加えるとすれば、国民が大きな犠牲を払って勝ち取った人権を守るためには、ストによる不便などは小さな犠牲に過ぎないということだろうか。

私は、この個人の本音と社会の建前の併存、両立が民主主義にとっては重要だと思う。それは国民ひとりひとりの中で公と私、パブリックとプライベートが併存しているからだ。そして、それが今の日本に欠けている。自分の都合、損得が大事だからこそ、全体のことにも関心を持つ。社会のこと、パブリックなことを「自分ごと」に思うというのはこういうことだろう。

どこの国でも、政府が大きい政策決定をする時は、直接の利害関係者を中心に折衝、調整をする。その際、メディアがどの程度正確に報道するか、国民が関心を示すかが、政治に対する自分ごとの度合いを表わしている。日本では当事者以外の国民はそれほど関心を示さないことが多い。他人事なわけだ。政治において政府と国民のせめぎ合いがないとも言える。
そうなると、幅広い議論、冷静な議論がしにくくなる。

フランス人は対象となっている政策や制度改革への賛否とは別に、政府と国民のせめぎ合い自体を重視しているように見える。

構想日本が行っている「自分ごと化会議」が140回を超えた。参加者は約1万人、参加者を募るために送った通知は23万通にのぼる。

参加者に聞くと、通知が来ると最初は参加をためらった人が多い。

「そんな所で議論できそうにない」
「どんな人が来ているか分からない」
「出たがりに見られるのではないか」等々。

ところが、参加して2回、3回と会議に出ているとみんなどんどん積極的にしゃべり始める。ほぼ全員が、他の人の話を聞いていると自分の考えが深まり、関心も強くなると言う。

つまり、「場」が用意されれば日本人も社会のこと、政治的なことに積極的に参加するのだ。ここには反権力とか政治に対する私的要求とかいったものは見当たらない。その意味で140回あまり行って一度も「失敗」はなかった。

社会全体が多大なコストを払ってストをしなくても、「自分ごと化会議」によって政府と国民の健全なコミュニケーションが定着することの可能性を示している。

自己主張の強い国で近代民主主義は始まり、今混迷している。社会のことを自分ごとにする場さえあれば、和を重んじる日本人が、その混迷を突き破る大きな可能性を持っていると思う。

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【2】 第256回J.I.フォーラム 【開催延期】

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3月19日(木)開催予定の第256回J.I.フォーラム「低コスト、高満足の医療を目指して」は、今般のコロナウィルスに伴う新型肺炎感染拡大の状況に鑑み、誠に残念ではありますが、開催延期とさせていただきます。

すでにお申し込みいただいている皆さま、またご検討をいただいておりました皆さまには、大変申し訳ありません。 日程等が決まり次第、改めてお知らせいたします。

【開催延期】 第256回J.I.フォーラム

元々のご案内は下記

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第256回J.I.フォーラム  「低コスト、高満足の医療を目指して」
◯日 時:2020年 3月19日(木) 18:30~20:30(開場18:00)
◯会 場:アルカディア市ヶ谷 4F 鳳凰(千代田区九段北4-2-25、TEL:03-3261-9921)
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ご不明の点は、お問い合わせいただければと思います。
お問い合せは TEL 03-5275-5607 までお願いいたします。

なにとぞ、ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。

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【3】お知らせ

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(1)「JUDGIT!」最優秀賞 受賞

「JUDGIT!( https://judgit.net/ )」が、一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 (VLED) から、2019年度のオープンデータ・ビッグデータに関する優れた取り組みとして、最優秀賞をいただきました。

一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構HPより抜粋

『VLEDの前身であるオープンデータ流通推進コンソーシアム時代から、オープンデータに関する優れた取り組みを、勝手に選んで勝手に表彰する「勝手表彰」を行ってきました。 2013年度から始まり、今年度で7回目を迎えます。毎年、事務局が候補をリストアップし、VLED 利活用・普及委員会の主査・副主査・委員が審査を行い、選定しています。』

☆受賞者(敬称略)

構想日本、日本大学・尾上洋介研究室、NPO法人ワセダクロニクル、Visualizing.JP

※選定理由

JUDGIT!は、各府省が実施・公開している「行政事業レビューシート」をデータベース化し、検索できるサービスとして提供することが、オープンデータの普及促進に大きく他の模範となるものであるため。

詳細はこちら
http://www.vled.or.jp/news/2001/200129_001554.php

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(2)~辰巳 琢郎氏 舞台のお知らせ~

「愛する母、マリの肖像」

●日 程 2020年3月27日~29日
●場 所 大阪:ABCホール

☆料 金(全席指定)前売:5,000円 当日:5,500円

時間など詳細は チラシ 表 http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/documents/2019/mail/omote.jpg
チラシ 裏 http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/documents/2019/mail/ura.jpg

辰巳氏、丹下氏インタビュー http://entre-news.jp/2020/02/63528.html
丹下氏、古川氏インタビュー https://www.confetti-web.com/sp/feature/article.php?aid=757

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【4】「JUDGIT!」で検索!

新型コロナウィルスなどの感染症対策を「JUDGIT!」で探してみよう!

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『JUDGIT!』を使って、国がどんな対策をしているか、「感染症」「年金」などのキーワードで検索をしてみよう!

まずは、こちらへアクセス → http://judgit.net/

興味のあるキーワードを入れるだけ!

・どなたでも、手軽にキーワード検索が出来ます。
・国が行う5,000以上の事業の「金額」「支出先」などが書かれたシートを見られます。

例:キーワード「感染症」で検索すると

厚生労働省 国立研究開発法人国立国際医療研究センター運営費 https://judgit.net/projects/643

厚生労働省 感染症対策特別促進事業費 https://judgit.net/projects/808

など、たくさん出てきます。是非、気になることを検索してみてください。

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【5】会員募集・寄付のお願い

政治がこのままではいけないと思う人、日本をもっと素敵な国にしたいと思っている人・・・是非、構想日本の活動にご参加、ご支援ください。
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「住民協議会」「ふるさと住民票」など、地方自治から日本の底上げを図っていきたいと思っています。
皆様のご参加、ご協力いただければ幸いです。

◯構想日本会員(個人)年会費1口10,000円(1~10口)、入会金2,000円 (WEBからお申し込みいただく場合は入会金免除)

◯構想日本会員(法人)法人会員A 年会費1口300万円、入会金30万円/ 法人会員B 年会費1口 50万円、入会金30万円/ 法人会員C 年会費1口 10万円、入会金5万円

詳細は、こちらからご覧ください。 http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/info/index.php#member
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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)info@kosonippon.org
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(編集後記)

年金といえば、日本も今年、「公的年金制度改正」が実施されるようです。
改正の前提となる財政検証で「老後2000万円必要」という報告があったかと思います。
様々な所の定年延長。受給開始75歳からなどは選択肢の拡大なのか、別の意図があるのか。

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