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【No.975】「事業仕分け」を傍聴して(前編)|片桐幸雄氏|

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構想日本メールマガジン【No.975】 2020.09.03 発行

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<目次>

【1】各地からの現場レポート

 鴨川市 第2回かもがわ市民会議の開催の様子(8月22日)

【2】今後の活動予定

 「かもがわ市民会議 第3回」9月12日(土)13:00~ 千葉県鴨川市 

【3】お知らせ

 (1) 誰もが安心して話せる「対話」の場の作り方 Yahoo!ニュースオーサー記事

(2) 福島県内「農地の原状回復訴訟」傍聴と記者会見のお知らせ 9月15日(火)

【4】8月の主な活動報告 新聞・テレビ等メディア掲載

【5】巻末寄稿文

「事業仕分け」を傍聴して(前編)  片桐 幸雄

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【1】各地からの現場レポート
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鴨川市 第2回かもがわ市民会議の開催の様子(8月22日)

テーマは、1『働きがいのある仕事づくり』2『生活を支える交通』3『子育て子育ち環境づくり』4『みんなで考える防災対策』

今回は、最初からそれぞれの分科会の会場に分かれて、全体会をWEBで繋ぎました。
通信環境の不安定な部分があり、この点は今後、改善を図っていきたいと思います。

全体会では「前回の振り返り」「課題発見シート」の書き方について説明を行い、その後、各分科会で議論を行いました。

~各分科会からの意見抜粋~

〇コロナ禍でテレワークが進んだことから、企業誘致よりデジタル関連のスキルアップが大事だと思った。〈分科会1〉
〇一番弱い立場の人が動きやすい公共交通を考えることで、結果自分たちの将来も助けてくれる。〈分科会2〉
〇パパママ学級のようにジジババ学級を作り、3世代が繋がるような支援があると良い。〈分科会3〉
〇子どものおむつと飲料水、お尻ふきを車に常備し、避難所等に直ぐに行けるようにしている。〈分科会4〉

詳細はこちら →  http://www.kosonippon.org/kamogawa_2020_02/

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【2】今後の活動予定
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「かもがわ市民会議 第3回」 9月12日(土) 13:00~

総合計画の策定を目的に鴨川市で【かもがわ市民会議(住民協議会)】第3回 開催

無作為に選ばれた市民3,000人にアンケートを送付。その回答結果から下記の4つ議論のテーマを設定。

【テーマ】「働きがいのある仕事づくり」「生活を支える交通」「子育て子育ち環境づくり」「みんなで考える防災対策」

総合計画を、上記3,000人の中から応募のあった多様な市民が中心になって作る。
鴨川市史上初めての試みです。

【日 時】9月12日(土) 13:00~16:00(予定)

【会 場】鴨川市役所(千葉県鴨川市横渚1450)

※新型コロナウイルス感染症対策のため、見学者が多数の場合、モニター中継のある別室へご案内することがあります。
☆会場に関する問い合わせ先 経営企画部経営企画課(電話:04-7093-7827)

詳細は下記をご覧ください。

鴨川市HP →  http://www.city.kamogawa.lg.jp/soshiki_ichiran/hisyokouhouka/info/shinokeikaku_sesaku/sougou_keikaku/5kei/index.html

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【3】お知らせ
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(1)誰もが安心して話せる「対話」の場の作り方 Yahoo!ニュースオーサー記事

総括ディレクター 伊藤 伸

◇8月31日 誰もが安心して話せる「対話」の場の作り方~ファシリテーターの経験から~

「誰が言うか」ではなく「何を言うか」を大事にすること…。
全文はこちら →  https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20200831-00195798/

オーサーコメント →  https://news.yahoo.co.jp/profile/author/itoshin/comments/

◆河野防衛相が出馬示唆「仲間と相談したい」(産経新聞)

「2年前に、河野太郎外務大臣(当時)へのインタビュー内容をヤフーニュースに寄稿した。」

◆コロナ感染の「爆問」田中、レギュラー番組10本…各局に影響も(スポニチアネックス)

「どれだけ気を付けていても感染する可能性があること(中略)本当に防ぐべきは死者や重症者を抑えることだと私は考える。」

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(2) 福島県内「農地の原状回復訴訟」 傍聴と記者会見のお知らせ 9月15日(火)

2011年3月福島原発事故によってもたらされた農地への放射性物質除去を求めた裁判。

まだ何も終わっていません。風評ではない、実際の被害が今も続いています。
ひとりでも多くの方に知ってもらいたい。決して風化させないで欲しい。

福島県内初の「農地の原状回復訴訟」 ~差戻審控訴審 判決~

<傍 聴>

【日 程】 2020年9月15日(火) 13時15分~(予定)通常は30分前から入場可能

【場 所】 仙台高等裁判所 401号法廷(予定)

 http://www.courts.go.jp/sendai-h/about/syozai/sendaimain/index.html
住所:〒980-8638 宮城県仙台市青葉区片平1-6-1  電話: 022-222-6111(代表)

☆どなたでも傍聴可能です

<記者会見>

原告らは、控訴審判決を踏まえ、14時15分ころから記者会見の予定です。

一人でも多くの方にご参加いただければと思います。

【日 程】 2020年9月15日(火) 14時15分~(予定)

【場 所】 仙台青葉カルチャーセンター (青葉区一番町2-3-10)

 https://www.culture.gr.jp/detail/sendai/index.html

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【4】8月の主な活動報告
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(1)政策実現活動

8月22日 千葉県鴨川市「かもがわ市民会議」(2)
8月29日 第3回オンライン自分ごと化会議
8月31日 北海道清水町「清水ミライ自分ごと化会議」(7)
※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 21件

(2)テレビ等メディア掲載

8月8日 茨城新聞 原発問題と民意 来月19日講演会 東海村
8月15日 時の法令 構想日本の”日本まるごと自分ごと化”計画25「ふるさと住民票」の提案 自治体と住民の新しい関係
8月28日 房日新聞 鴨川4テーマで市民会議 総合計画策定で課題など議論
8月29日 茨城新聞 原発議論の広がり 東海村長が期待 来月19日、講演会
8月29日 読売新聞 東海村が原発考える集会 来月19日 講演や討論予定=茨城
8月30日 毎日新聞 自分ごと化会議?東海村で検討「自分ごと化会議」原発問題を村民と議論 9月19日に講演会 /茨城

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【5】「事業仕分け」を傍聴して(前編)
片桐 幸雄
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2012年8月に白井市で行われた「事業仕分け」を傍聴する機会を得ました。刺激的な議論が展開され、傍聴していて考えさせられることも多々ありました。とりわけ、日頃最もよく利用する市立図書館の事業に対する仕分けには、大変勉強になった気がします。

だいぶ時間が経ちましたが、感想のようなものをまとめておきたいと思います。

1 市場の失敗と公共図書館

公共事業の根本にあるもの(「費用対効果」分析の限界)

行政サービスは、決して「費用対効果」ではかることはできない。なぜなら「市場の失敗※1」が公共事業の根底にはある。そのため、そういう事業を「費用対効果」ではかることは危険である。

「仕分け人」がこのことをどこまで理解していたについては、疑問が残る。
現実には「成果」を定量的に把握することは困難であり、せいぜい公的資源(税金、人員)の投入をどこまで圧縮出来たかを押さえることくらいで、行政サービスを「費用対効果」ではかることには、限界があるのではないか。

※1公害や公共財の十分な供給などが、市場の自動調整作用に委ねておいたのでは解決されないこと。

図書の貸し出しにおける「市場の失敗」

閲覧需要の少ない図書(専門書、教養書等)を民業としての「貸し本業」は用意しない。これが図書の貸し出しにおける「市場の失敗」である。

では、そのような図書を読むのは個人的利益に他ならないから、公共で負担する必要はないと言えるか。

そうではない。公共図書館には、市民が「自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境」を整備する義務がある。※2

したがって公共図書館は、「市場の失敗」をカバーする形で住民サービスを行うことになる。このような事業を「費用対効果」手法で評価することには限界がある。

※2 図書館法の根拠法としての社会教育法第三条の規定
すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。

2 公共図書館の「成果」の把握

図書館業務における「成果」とは何か

公共図書館の場合は、何をもって「成果」とすべきかは簡単ではない。図書館の側で、これが「成果」だと声高に言うのは、ある意味で「文化的教養」の押し付けになりかねない。図書館は市民の要求に応える役目を負うが、それは市民の「文化的教養」に対する要望をどれだけ吸い上げられるかということに尽きる。

上記の「公共事業の根本にあるもの」で触れたように、「成果」を数値で計測することには本質的な難しさがある

貸出カードの作成数で、「市民の半数しか使っていない」とする批判があったが、これには疑問がある。

母数は市全体の人口ではなく、読書可能人口のはず(なお児童・生徒は、本来は学校図書館が対処すべき)であり、また母親等が子供たちの分も含めて借りているケースをどう扱うかという問題もある(夫が妻の分も一緒に借りてくるという事例もあろう)。
それらを勘案したうえで、なお次のような疑問がある。

自分の読む本には色つきボールペンで書き込みをしたいとか、必要な部分だけを切り取りたいとかいう「読者」が必ずいる。こういう「読者」は公共図書館の利用対象にはならない。
仮に利用率で「成果」を量るとしたら、図書館を利用したいが図書館側の怠慢、あるいは不適切な運営が原因で利用できない、ないし利用していない市民がどれだけいるかをはかるべきであろう

仕分け人の一人が「ハリー・ポッターを何十冊か揃えておけば、貸出冊数はすぐ増える」と発言したが、それが公共図書館の役目なのかは疑問である。極論すれば、どんなに需要の高い本でも公共図書館としては一冊だけ持っていれば足りる。

したがって、そういう選択をした場合は、一人当たり貸出冊数は減ることになる。しかし、だからといって公共図書館としての成果が低いということにはならない

では、市民の「文化的教養」に対する要望への対応度合いを数値化できるのか。

1)市民の「文化的教養」に対する要望をどのように把握しているのか
2)その要望にどのように応えているのか
3)その場合に図書館職員はどのような役割を果たしているのか

この業務こそが、「無料で読める本があること」、「落ち着いた読書スペースを提供すること」と並ぶ、図書館業務の根幹であると思われるが、またこのことを事業仕分けで訊いて欲しかったと思うが、これらのことを数値化することは極めて困難ではないか

職員数の問題
現在の配置員数(正職員9人+臨時職員15人)は適正なのか

1)まず、図書館職員の業務にどのようなものがあるかを分類整理する。

1,「貸出、返却、レファレンス等」の窓口業務
2,「受け入れ資料の選択、発注、購入、分類等」の資料整理業務
3,「読書面での弱者(視覚障害者等)への補助」の読書支援業務
4,図書等の資料にかかる市民の要望の集約業務(そういうものをやっているとすれば)
5,学校あるいは幼稚園との連絡業務、学校図書館への支援業務、集団貸出業務、その
他いわゆる「バックヤード業務」、等々)

2)次に、24人がこれらの業務にどれだけの時間を割いているのかを計測する。

上記の二つの作業を抜きに配置人員の多寡を議論することはできない。ただ、残念なが
ら、仕分け作業での議論において、この二つのことが明示されたとは言い難い。
したがって、配置人員数の適否の議論は前提を欠いている。

正職員が臨時職員に代替できない理由は、
(臨時職員も司書的業務の訓練を受けているとして)その「代替困難性」以外にはない。

図書館の多様な業務に関して、「代替困難性」を証明する必要があるが、
仕分けにおいては図書館業務の細目が説明されなかったことから、「代替困難性」について論じることは無理であった。 (後編へつづく)

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片桐 幸雄(かたぎり さちお)

元道路関係四公団民営化推進委員会事務局次長。1948年生まれ。73年に日本道路公団に入社。主に料金設定や経営企画を担当し、2000年に総務部次長。02年から民営化推進委員会に入る。

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(編集後記)

対面での会議などが延期や中止になる中、鴨川市の市民会議は見学ができます。
ご来場の際には、コロナ対策など、万全を期していただければと思います。
今日の寄稿文にもあるように、現場を見ることでいろんな想いが生まれると思います。

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