メールマガジン

【No.990】「特ダネではないけれど(43)国際協調 」 |新聞記者  松浦 祐子氏|

【No.990】大刀洗町住民協議会 第二回 12月26日(土)開催

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構想日本メールマガジン【No.990】 2020.12.24 クリスマスイブ 発行

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今年も1年、大変お世話になりました。ありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。

<目次>

【1】お知らせ

(1)「ツルツル世界とザラザラ世界 世界二制度のすすめ」加藤秀樹(著)発売開始

(2) 茨城県東海村で、原発問題を考える「東海村自分ごと化会議」開催の反響

【2】今後の活動予定

令和2年度 大刀洗町住民協議会 第二回 12月26日(土)13:00~ 福岡県大刀洗町

【3】ご紹介

(1) 全国初!住民による住民のための無作為抽出の住民協議会
「自分ごと化会議in松江」第2期 ~クラウドファンディングのおしらせ~

(2)「藤田早苗さん講演会」オンライン、大阪、東京など

【4】巻末寄稿文

「特ダネではないけれど(43)国際協調 」

新聞記者   松浦 祐子

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【1】お知らせ

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(1)「ツルツル世界とザラザラ世界 世界二制度のすすめ」加藤秀樹(著)発売開始

皆さまから、続々と反響をいただいております。ありがとうございます。

☆京都大学前総長 山極寿一氏 推薦文☆
「新型コロナウィルスによるパンデミックで立ち止まった時、見えてきたのはこれまで歩んできたグローバリズムと科学技術偏重社会のゆがんだ姿だった。
このままでは経済が回らなくなり金融危機に陥って世界も人間も崩壊する。これまで『構想日本』を主宰し、日本の政策に鋭く切り込んできた著者は処方箋として『ツルツル世界』と『ザラザラ世界』の二制度を提案する。
それは『生き物としての人間』を中心に据えた新しい国の在り方だった。」

<本書の趣旨・概略> 加藤 秀樹

本書は、構想日本の20年に及ぶ、活動とその核となる理念をまとめたものです。
格差や貧困から民主主義の危機、地球温暖化にいたるまで様々な現代社会の弊害を貫く原因を整理し、これからの「世界の仕組み」「日本の仕組み」「私たちの生き方」のデッサンを具体的な事例を交えて示しています。
構想日本では活動開始以来、一貫して「低コスト高満足」社会を掲げてきました。それは、脱「お金で評価する社会」です。 “「生き物としての人間」復活”への一歩でもあります。その歩みを進めるために、私は「世界二制度」という仕組みを考えてみました。
私たちがこれから考えないといけない社会の方向性や、現場での活動の過程で見られた地域や住民の変化、課題解決に生かせる知恵の様々な例を本書で紹介します。
是非、ご高覧いただき、感想をお聞かせいただけましたら幸いです。

これからの生き方を模索している人、政治や経済の将来を考えたい人、地域を元気にしていきたい人などに是非、読んでいただきたいです。

構想日本HP → http://www.kosonippon.org/book20201207/
Amazon書籍販売 ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B08PL2VS1G/

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(2)茨城県東海村で、原発問題を考える「東海村自分ごと化会議」12月19日(土)に開催しました。

原発再稼働に関する村民全体の意向を把握するにあたって、再稼働の賛否を明確にしている村民だけでなく、これまで原発についてあまり考えたことのない人や原発との繋がりの薄い人など、多様な村民の思いを把握していくことを目的に“原発問題”をテーマに話し合う「自分ごと化会議」を開催しました。

その時の様子が取り上げられた記事をご報告します。

●NHK 東海第二原発 地元で意見を交換 https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201219/1000057786.html

●NHK 無作為に選ばれた住民 原発について意見交わす 茨城 東海村 https://www.google.co.jp/amp/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20201219/amp/k10012773751000.html

●毎日新聞 原発への考え議論 「自分ごと化会議」初会合 東海村民 /茨城 https://mainichi.jp/articles/20201220/ddl/k08/040/118000c

●東京新聞 原発再稼働、村民が考える 東海村で初の「自分ごと化会議」 無作為抽出の18人是非議論 https://www.tokyo-np.co.jp/article/75476

●茨城新聞 東海第2再稼働 村民、自由に議論 自分ごと化会議 「怖い」「運転続けて」 https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16083793756243

構想日本HP 東海村詳細 → http://www.kosonippon.org/toukaimura_2020/

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【2】今後の活動予定

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令和2年度 大刀洗町住民協議会 第二回 12月26日(土)13:00~ 福岡県大刀洗町

大刀洗町では、住民協議会を条例に基づく正式な審議会として7年連続で開催しています。
無作為抽出により選任された委員が、町の課題等について議論を行い、協議会の意見として町長に提言を行います。

【日時】 12月26日(土)13:00~
【場所】大刀洗町役場 3階大会議室
【テーマ】大刀洗公園の今後をどうする?ゼロから考えてみよう!
【参加費】無料 (事前申込み不要、出入自由)
【傍聴】自由(事前申し込み不要)

※新型コロナウイルス感染症予防に、当日の検温、マスク着用等にご協力ください。
問合せ先:大刀洗町役場 総務課人事法制係 TEL 77-0171 FAX 77-3063

大刀洗町HP →  https://www.town.tachiarai.fukuoka.jp/page/page_02453.html

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【3】ご紹介

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(1)全国初!住民による住民のための無作為抽出の住民協議会「自分ごと化会議in松江」第2期 ~クラウドファンディングのおしらせ~

第1期(2018年11月~2019年2月)は「原発を自分ごと化する」をテーマに議論し、その成果を『9つの提案』としてまとめ、中国電力、松江市長、島根県知事、世耕経産大臣(当時)にお渡ししました。
今回、第2期(2021年2月~)では、「自然エネルギー」をテーマに、新たに無作為抽出した松江市民による議論の場を作ります。

まちの問題を「自分ごと」として考える市民を増やしたい!
そのために職業や年代、興味・関心などが異なる多様な市民が集まって、自由に安心して対話する場を作りたい!
そうした思いで、「自分ごと化会議in松江実行委員会」は活動しています。

自分ごと化会議を、住民が主催して行う全国初めての試みです。

目標金額は 50万円

クラウドファンディングで支援いただいた資金は、自分ごと化会議を運営するために使わせていただきます。
皆さまにもこの取り組みに、支援という形でもご参加いただければ幸いです。

ご支援いただいた資金の使い道は以下の通りです。

・無作為抽出者への会議案内 印刷・送付費用
・会場使用料
・講師、問題提起者への謝礼 など

詳細はこちらから → https://readyfor.jp/projects/kaigi2027

皆さまからのご支援、ご参加、お待ちしております。

※自分ごと化会議in松江 第2期 事前勉強会(動画)
11月29日に自分ごと化会議の活動や意義を知っていただくための勉強会を開きました。
YouTubeでの視聴可能です。こちらから →  https://youtu.be/4vf0u3UPtz4

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(2)「藤田早苗さん講演会」オンライン、大阪、東京など

これまで秘密保護法や共謀罪、日本の表現の自由の現状を国際社会に伝えてきた、イギリス在住で国際人権基準の研究者である藤田早苗さんが2020年12月に一時帰国し、全国各地で講演を行っています。
詳細はこちら→ https://hyogen-tsutaeru.jimdo.com/

○大阪「世界からみた日本のヒューマンライツ:メディア・新型コロナ・女性・貧困・差別」
日時:2021年1月9日(土)14:00~(13:30開場)
開場:大阪市中央公会堂 大会議室
定員:56名(当日のコロナ感染の状況により定員数の変更の場合あり)
※カンパ制  連絡先 25bun64bun@ezweb.ne.jp 文箭(ぶんや)まで

○大阪「世界から見た日本の人権 表現・報道の自由、ジェンダー、貧困、移民+」
日時:2021年1月16日(土)13:30~15:30
会場:岸和田市立男女共同参画センター
定員:60名(申込不要・当日先着順)
主催:岸和田女性会議 お問合わせ:080-4984-5226

○オンライン学習会「日本を外から学ぶ学習会」 テーマ「日本の貧困問題」
日時:2021年1月23日(土)19:00~(日本時間)
登壇者:奥田 知志氏(NPO法人抱樸理事長)、藤田 早苗氏
参加費:3ポンド(約400円) ZOOMにて開催 詳細は後日
学習会FBページ:https://www.facebook.com/japanfromoverseas/

○東京 藤田早苗氏学習会(仮)
日時:2021年1月30日(土)14:00~16:00(予定)
会場:入新井図書館(東京都大田区大森北1丁目10-14)
主催:連絡先:フェアな民主主義(03-6303-8671)
活動の詳細はこちら → https://hyogen-tsutaeru.jimdofree.com/

上記、ご来場の際はマスクの着用をお願いします。
発熱や咳、喉頭痛などの症状がある人は来場を控えてください。

☆彡☆12月4日に行われたオンラインセミナーが視聴できます☆彡☆

「日本は本当に自由な国なのか?」~国連自由権規約委員会にNGO共同レポートを提出~
登壇者:望月衣塑子氏、藤田早苗氏、海渡雄一氏、近藤ゆり子氏
Youtube URL → https://www.youtube.com/watch?v=k-Fi1KHA02M&feature=youtu.be

■カンパのお願い■ 情報を集めて発信するには、先立つものも必要です。ご協力をいただければ幸いです。
郵便振替
口座番号:00870-7-216543
〇八九(ゼロハチキュウ)店 当座 0216543
加入者名:日本の表現の自由を伝える会

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【4】「特ダネではないけれど(43)国際協調 」

新聞記者   松浦 祐子
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新型コロナウイルスの感染拡大が多くの国で続いています。欧州では再び、移動制限などが強化されています。そんな中、ちょっと、ほっこりとさせられるニュースがありました。

クリスマスを前に、多くの子どもたちから「今年も、サンタクロースはプレゼントを届けてくれるのだろうか?」と不安に思う声が上がっていたところ、EUの議長国であるドイツの報道官が「プレゼントを届けるサンタクロースは『必要不可欠な労働者』であるため、新型コロナ下での移動制限の対象からは除外されるとEU各国が合意したので、心配しないで大丈夫」と発表したというものです。

対立が目立つ世界情勢の中でも、子どもたちを前にしては夢を壊さないように協力しようという配慮がうかがえます。一方で、難航し、いまだに結論が出ていない英国のEU離脱交渉を考えると、「サンタは、EUからイギリスへ行くことはできるのか?」と、少し意地悪い心配が浮かんできてしまいます。

国境など軽々と越えていく新型コロナは、まさしくグローバルな危機です。にもかかわらず、うまく機能しなかったのが国際協調の仕組みだったと思います。

石油危機の際には、主要国の首脳が対応を協議するために1975年にサミット(最初はG6、その後G7やG8に発展)の枠組みが作られました。リーマンン・ショック(2008年)に端を発した経済危機の際には、新たにG20(主要20カ国・地域首脳会議)が設けられました。新型コロナ禍は、世界経済に大きな影響を及ぼす同等の危機だと思われるのですが、より広範な国々を巻き込んでの話し合い、新たな協力態勢づくりは、残念ながら各国リーダーたちの間には見られなかったように思います。それどころか、今年のG7の議長国である米国のトランプ大統領は、夏に予定されていた会議を開催せず、結局、会議をスキップすることになりそうです。

世界を主導する国がいなくなった後の世界秩序「『Gゼロ』後の世界」(米国のイアン・ブレマーが提唱)が言われて久しいですが、それを実感させられました。

以前、モスクワで開かれたG20の財務相・中央銀行総裁会議を取材したことがあります。正直なところ、こうした国際会議では、すでに会議の開催までに各国の役人たちの間で議論の方向性は決められ、当日に首脳間で行われるのは、最終日に発表されるステイトメントの細かな文言の修正協議だったりします。そのような状況では、問題解決に向けた画期的な取り組みが打ち出されるはずもなく、「単なる儀式」との批判もあります。それでも目の前の危機・課題に対して、どれくらい深刻で、どこに向かって進んでいく必要があるのか、最低限守るべきルールは何か、という点について、各国間で共通の認識をもつことは、重要で必要なことだと思います。

サウジアラビアが議長国となったG20の方は、11月にオンラインで開催され、新型コロナワクチンの接種について「すべての人が手頃な費用で公平にアクセスできるよう努力を惜しまない」ことなどを盛り込んだ首脳宣言を採択しました。当たり前の内容ですが、ワクチンが開発され、各国、特に先進国を中心に「我先に」と接種が始まる今、ワクチンを独占しようとしたり、これで一儲けしようとする動きに対して、一定の抑止力にはなるのではと期待したいと思います。

国際協調などと書くと、遠い外交の世界のように感じてしまうかもしれません。けれど実のところ、各国の外交姿勢を形作っていくのは、国民が世界の中でどのような役割を担っていきたいと思っているのかということの集積だと思うのです。国民が「我が国ファースト」と思っている限り、国際協調に取り組むリーダーは生まれないでしょうし、そうした努力をしようともしないでしょう。

日本の場合、自国中心とまではいかずとも、優越感の面での「日本ファースト」の意識が根強く、かつ幅広くあることで、他国との協調を妨げることがあるように思います。

新型コロナは、ワクチンができたとしても、すぐには消えてなくならないと予想されます。アジアの隣国の中には、対策が功を奏している国々もあります。そうした文化や習慣的な面でも近い部分がある国々と真摯に情報交換し、有益なものは取り入れ、失敗だった部分は教訓にする。新型コロナ対策は、各国の勝ち負けを決めるものでも、順位付けするものでもないのだと思います。命を守るために、少しでも死者数を減らすことが何よりも重要です。

結局のところ、経済を回してくためにも、感染者数を減らしていくことが欠かせません。その目的のためにプライドは脇に置き、各国が情報共有できる場が求められているように思います。幅広い分野での国際協調までは願いません。新型コロナ対策だけでいい。2021年には、そうした国際協調の動きが芽生えることを、クリスマスの夜に夢見たいと思っています。

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松浦 祐子 (まつうら ゆうこ)

1974年 神戸市生まれ。大学院修了後、1999年新聞社に入社。和歌山、高知での地方勤務、東京での雇用、介護分野、厚生労働省、財務省担当、新潟で県政取材、内閣府担当などを経て、今は、科学医療部で医療分野を担当。
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(編集後記)

気づけばもう年末ですね。今年は色々と考えることの多い年だったと思います。
コロナ禍をきっかけに、命とは、生きるとはをあらためて考えさせられた気がします。
禍福は糾える縄の如し。皆様にとって来年は福と転じる一年になりますように。

メルマガは、今年は今日でお終いです。来年は1月7日からです。皆様良い年をお迎えください。

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