【No.1019】今こそ「本気の規制改革」が必要だ  |構想日本特別研究員 中村 卓|※読者の声 1名
2021.07.22

【No.1019】「原発を自分ごと化する」茨城県東海村で”自分ごと化”会議 7月23日(金・祝)

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構想日本メールマガジン【No.1019】 2021.07.22 発行

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<目次>

【1】今後の活動予定

(1)「原発を自分ごと化する」東海村”自分ごと化”会議(第3回)7月23日(金・祝) 茨城県東海村

(2)「(仮称)自治振興条例」策定のための自分ごと化会議(第4回)7月25日(日) 京都府長岡京市

【2】構想日本企画シリーズ

「あなたの“うんざり”から社会を考える。」

【3】自分ごと化対談 第二弾『政治とリアリティ「下山の哲学」に学ぶ いま、日本に必要なこと』
プロ登山家・竹内洋岳氏 × 加藤秀樹

【4】ご紹介

(1)静岡県「令和3年7月大雨災害静岡県義援金」の募集について

(2)Arts and Creative Mindの杉本志乃氏より

「展覧会」6/7~7/25 「トークショー」You Tube公開中

(3)日本の人権問題を世界に伝える エセックス大学人権センターフェロー 藤田 早苗氏より

福島第一原発事故調査 ~国連特別報告者への日本政府の対応~

【5】巻末寄稿文

今こそ「本気の規制改革」が必要だ

構想日本特別研究員  中村 卓

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【1】今後の活動予定

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(1)「原発を自分ごと化する」東海村”自分ごと化”会議(第3回)7月23日(金・祝) 茨城県東海村

原発再稼働に関する村民全体の意向を把握するにあたって、これまで原発についてあまり考えたことのない人や原発との繋がりの薄い人など、多様な村民の思いを把握していくことを目的に“原発”をテーマに話し合う「東海村”自分ごと化”会議」の第3回を開催します。

東海村”自分ごと化”会議(第3回)

【テーマ】原発
内容:1.東海村”自分ごと化”会議」の説明、2.参加者による全体協議 (1)原子力防災について、(2)原子力と今後のまちづくりについて
【日 時】7月23日(金・祝) 14時~17時 予定(受付:13時30分~)
【場 所】東海村産業・情報プラザ(アイヴィル)多目的ホール(茨城県東海村舟石川駅東三丁目1番1号)
【傍聴に関して】傍聴の際には、東海村HPの注意事項をご確認ください。
※会場に関するお問い合わせ 東海村 村民生活部 防災原子力安全課 消防防災・原子力安全担当(電話番号:029-282-1711)

東海村HP → https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/somminseikatsubu/bosaigenshiryokuanzenka/genshiryoku/genshiryokukouenkaichousakenkyuu/6066.html
構想日本HP → https://www.kosonippon.org/wp-manager/toukaimura_2020/

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(2)「(仮称)自治振興条例」策定のための自分ごと化会議開催(第4回)7月25日(日) 京都府長岡京市

市民と行政がお互いのニーズや課題を共有し、新しいまちづくりを考える「(仮称)自治振興条例」を策定します。自分ごと化会議(住民協議会)と条例検討委員会がリレー方式で検討を重ね、自分ごと化会議の提案書を基に条例化していく予定です。

「地域団体の役割と連携」が共通テーマ。日常生活で感じている課題を出し合い、課題解決のために「自分たちができること」、「地域ができること」、「行政で取組むこと」、その他「民間企業やNPOで取組むこと」をまとめます。

「(仮称)自治振興条例」策定のための自分ごと化会議(第4回)

【共通テーマ】「地域団体の役割と連携」
内容:1、環境保全 2、防災・防犯 3、高齢者 ※各分科会に別れて話し合います。
【日時】7月25日(日)
・10:00~12:30 第3分科会(高齢者)
・14:00~16:30 第1科会(環境保全)、第2分科会(防災・防犯)
【会場】長岡京市立産業文化会館(京都府長岡京市開田3丁目10−16)
【傍聴に関して】新型コロナウイルス感染症予防のため、当日の検温、マスク着用等にご協力ください。参加費・無料(事前申込み不要、出入自由)
問合せ先:長岡京市市民協働部自治振興室市民参画協働担当(TEL:075-955-3164)

長岡京市HP → http://www.city.nagaokakyo.lg.jp/0000010213.html
構想日本HP → https://www.kosonippon.org/wp-manager/nagaokakyo_2021_05/

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※状況によっては変更もありますので、その点ご了承ください。

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【2】構想日本企画シリーズ

「あなたの“うんざり”から社会を考える。」

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みなさま、今週も“うんざり”企画をお送りいたします。

これまでに頂戴した“うんざり”のなかからお伝えしていきます。

~あなたの“うんざり”に共感します~

【うんざり壱】

・「コロナの終息目途が見えない中、五輪がなぜ開催に向けて動いているのか」に“うんざり”してます。(匿名さん)

<J.I.>

・五輪を開くことが目的になっていて、そもそも誰のための五輪なのでしょうか。何事も目的に立ち返って考える必要がありますね。

【うんざり弐】

・自分ひとりで仕事を回せるとの自信を前面に押し出してマウントを取ってくる後輩に“うんざり”。(匿名さん)

<J.I.>

・自分がいかに優れているかということをアピールしてくるのは、あなたに認めてもらいたいという気持ちの裏返しなのかもしれないですね。

今週の“うんざり”は、いかがでしたでしょうか?

“うんざり”転じて福となる。あなたが感じる“うんざり”は、今の時代に共通した悩みだと思います。
あなたが感じた“うんざり”の背景にあるものに目を向けることで、今から目指したい生活のヒントになると思います。
過ごしやすい社会、窮屈じゃない生活を目指して、これからも皆さんと一緒に考えていきたいと思います。是非ご参加をお願いします。

<参加方法>
1、本メールに「“うんざり”していること」「共感した“うんざり”に私からもひと言」「うんざり川柳」などを返信する
2、右記のURL先で「“うんざり”していること」を入力・回答する → https://forms.gle/PkFNDXgrvgadhnvb6
3、Twitter ハッシュタグ 「#うんざり転じて福となる」でツイートしてください
※皆さんからいただいた“うんざり”やコメントを、メールマガジンや構想日本HP、FB、Twitterなどで加工して公表することがありますのであらかじめご了承ください。
※氏名は任意です。ニックネームでも結構です。

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【3】自分ごと化対談 第二弾『政治とリアリティ「下山の哲学」に学ぶ いま、日本に必要なこと』
プロ登山家・竹内洋岳氏 × 加藤秀樹

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☆彡『自分ごと化対談 ツルツル世界とザラザラ世界』☆彡 第二弾

~政治とリアリティ「下山の哲学」に学ぶ いま、日本に必要なこと~

こちらから →  https://youtu.be/WZ7oFfP0Y80

一瞬の判断が、自分の命に、仲間の命に直結する。自分で考え、判断をくだすこと、そしてその結果に責任を負うこと。
ピークを過ぎた日本社会が、緩やかに下山するにはどうすればいいのか。「下山」「怒(いか)り」をキーワードに、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

プロ登山家 竹内洋岳氏(日本人初、世界8000m峰全14座完全登頂)をゲストに、加藤秀樹が日本社会のあるべき姿を「下山」にたとえて対談してます。

☆『自分ごと化対談』第一弾 ~「命」か「経済」か? 『生き物としての人間』の観点から~ JT生命誌研究館名誉館長・中村桂子×構想日本代表・加藤秀樹
こちらから →  https://youtu.be/5cEd33Vbp0I

チャンネル登録と いいね! よろしくお願いします。

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【4】ご紹介  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

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(1)令和3年7月大雨災害静岡県義援金の募集について

構想日本とは縁が深く、2009年からは「事業仕分け」「事業レビュー」「施策レビュー」など継続して実施している静岡県からのお知らせです。

静岡県では、令和3年7月1日からの大雨により、熱海市ほか県東部地域において甚大な被害があったことを受け、被災された方々へお届けする「義援金」を募集しています。よろしければ是非ご協力ください。

「令和3年7月大雨災害静岡県義援金」

受付方法 や お問合せ先 詳細はこちらから →
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-110/chifuku/202107ooamesaigaishizuokakengiennkin.html

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(2)Arts and Creative Mindの杉本志乃氏よりお知らせ
「展覧会」と「トークショー」

Outsider Artと言われる分野の、当会場では3回目の開催となる本展は、現代社会においては不自由とされる障がいのある人たちが生み出す多様な表現を通して、人が生きることの意味や、本当の幸せとは何かを問う展覧会です。
一般社団法人Arts and Creative Mind 代表理事 杉本志乃

○展覧会 アウトサイダーアート展 Our Life is Our Art そしてその先へ=「THE WORLD」

会期:2021年6月7日(月)~7月25日(日) / 11:00~20:00
会場:GYRE GALLERY |東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F

詳細はこちら → https://gyre-omotesando.com/artandgallery/outsiderart-2021/

○トークショー 「SEE Nothing, HEAR Nothing, SAY Nothing  → 公然の格差社会へ!」

登壇者:長谷川眞理子(総合研究大学院大学学長・進化生物学者)× 奥田知志(NPO法人抱樸代表)

THE WORLD(ACM Gallery) YouTubeにて公開中 こちらから→ https://www.youtube.com/watch?v=kyIjv0W-ssM

是非ご覧いただき、「 いいね!」もよろしくお願いいたします。

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(3) 日本の人権問題を世界に伝える エセックス大学人権センターフェロー 藤田 早苗氏より

福島第一原発事故調査 ~国連特別報告者への日本政府の対応~

「福島第一原発事故の避難者調査」での国連特別報告者の訪日要請を日本政府は無視しており、いまだに調査訪問が実現していません。

その一方で、日本が主導した「ハンセン病患者らへの差別撤廃」に関する調査の訪日要請はコロナ禍でも受け入れており、政府に都合の良い報告者は受け入れるというダブルスタンダードです。

これは、入管問題、報道の自由、女性の権利、貧困問題など、すべてに共通する問題です。

調査訪問を実現させるためにも、国連人権勧告が出るたびに筋違いの反論を
する政府の対応の矛盾について知っていただきたいと思います。
また、メディアや私たちにできることは何か、一緒に考えていただければと思います。

「国連人権勧告とメディア・市民の役割」こちらから→ https://www.youtube.com/watch?v=dlmHaeXn5f8

是非ご覧いただき、「 いいね!」もよろしくお願いいたします。

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【5】今こそ「本気の規制改革」が必要だ

構想日本特別研究員  中村 卓

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遅れていた新型コロナワクチンの接種がようやく進んできた。
ワクチンが何とか確保できたら次は打ち手が足りないという、他国では聞かない騒ぎもあったが、その原因は、注射を打てるのは医師と看護師だけという日本独自の規制だった。

歯科医師には「歯科治療に限り注射できる」という規制があり、救急救命士には「搬送時に命が危険に晒されている場合に限り静脈注射ができる」という規制がある。このため政府は、今回に限って特例的に歯科医師や救命士なども打ち手になれるようにしたが、その措置でさえも政府中枢が強い檄を飛ばさなければ進まない硬直化した行政体制があった。

そもそも、注射を医師と看護師以外は打てないという規制は何故あるのか。注射器を使い回していた時代は、医療衛生面でこの規制が必要だったのだろうが、1回で使い捨ての今は、その規制根拠は乏しい。ならば技術的な問題か。歯科医師の口腔内注射や救命士の静脈注射は、一般的な筋肉注射より技術的に難しいから、その根拠も乏しい。なのに見直さない。

私が勤務していた草加市は、今から15年前、この問題に関連する規制改革提案を国に行った。それは救命士による「特定医療行為」の範囲を見直し、救命活動の成果を高めるものだった。草加市の消防部局と市立病院は共同研修会を実施し、埼玉県下の救命士が大勢参加して、医療と救急活動の連携を進めるノウハウを学びあった。そこには、少しでも多くの命を救おうとする使命感が溢れていた。だが厚生労働省は提案を事務的に却下した。回答文からは、国民の命を救う使命感でなく、現行規制の維持に固執する職務意識だけが見えた。

規制改革への各府省の守りの姿勢は、この問題に限らない。国が特区・規制改革提案制度を設置してやがて20年。この間、提案の大半は日の目を見ずに事務処理されてきた。その過程で砂を噛むような経験をした自治体は、主体的な「自治」の精神を徐々に失い、各府省のお達しに従う「下請け行政機関」に転じていった。こうして醸成された国、自治体双方の受動的、硬直的な体制が、わが国の行政の劣化、とりわけ危機対応のぜい弱さを露呈している。

言うまでもなく、国の規制、つまり法令等のルールによる国家運営は必要不可欠なものだ。それは、社会の諸活動を整序化する役割のほか、国民に豊かさや安全・安心などの利益をもたらす誘導役も担う。半面、微細に及ぶ国の諸規制を長年放置すれば様々な弊害を生み出す。最近起きた熱海市の土石流でも盛り土規制のあり方が問われているように、その事例は枚挙にいとまがない。

日本は法治国家だ。その行政活動で最も肝心なことは、法令とその運用、つまり規制のあり方を不断に検証し、必要な規制を新設、強化し、不要なものは廃止するなどの改革を行って、国民のために「最適化」していくことであろう。この際、政府中枢自ら規制改革の根幹に入り、国民に信頼される行政機能の構築に本気で取り組んで欲しい。

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中村 卓(なかむら たかし)

主な職歴:草加市総合政策部長、市長付特命理事等を経て、2009年10月から2010年3月まで内閣府行政刷新会議事務局・政策企画調査官として事業仕分け・行政事業レビューを担当。同年4月から2011年3月まで構想日本政策担当ディレクター、2011年4月~2019年3月まで草加市副市長。現在:構想日本特別研究員、会社アドバイザー。

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(編集後記)

すでに21日から東京五輪大会の一部競技が、福島などで開催されています。
一方ここ数日、全国各地で「熱中症警戒アラート」が発表されています。
「アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」とは言えないと思います。

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*****読者の声******

中村先生のコラムを読んで

まったく同感です。「船頭多いと船、山に登る」という諺がありますが、こんにちの日本は、「船頭らしき人だと船、座礁する」という感じです。現役職員時代にいくつもの規制に挑戦した中村先生のような職員が全国の自治体に数百もいたら、少しはマシな世の中になるのではないかと思いますが、中々そうは行きませんね。まずは、声を出すことからですね。今後もぜひ健筆ください。 N氏