【No.1024】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十五弾 祭と音楽―ローカリズム賛歌」|至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘氏|
2021.08.26

【No.1024】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 第4話『肌感覚と民主主義の終焉』話

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構想日本メールマガジン【No.1024】 2021.08.26 発行

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<目次>

【1】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 第4話

クリエイティブディレクター・谷野栄治×構想日本代表・加藤秀樹 You Tube公開

【2】お知らせ

『JUDGIT!』政府の事業を簡単に検索  例:入管

【3】構想日本企画シリーズ

「あなたの“うんざり”から社会を考える。」

【4】ご紹介

(1)アナトリア学勉強会「カマン・カレホユック遺跡発掘調査」のご案内(Zoom配信)8月29日(日) 8/26 本日〆切

(2)MOA美術館 ~クラウドファンディングのお知らせ~

(3)静岡県「令和3年7月大雨災害静岡県義援金」の募集について

【5】巻末寄稿文

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十五弾 祭と音楽―ローカリズム賛歌」

至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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【1】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談

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第4話「ツルツル世界とザラザラ世界から始まる『肌感覚と民主主義の終焉』話」
(クリエイティブディレクター・谷野栄治×構想日本代表・加藤秀樹)

こちらから → https://www.youtube.com/watch?v=aiBQ4c4PN2o

ゆるーく聞けるフリートーク企画、第4話を公開しました!

いい歳になると中々聞けない、世の中に対する素朴な疑問。

それを大人の“どちて坊や”・谷野栄治が投げかけ、行動する構想家・加藤秀樹が答えていき、どこか「他人ごと」になっていた言葉を「自分ごと」「自分ゴトバ」として考えていきます。

今回は、加藤の著書のタイトルにある”ツルツル”と”ザラザラ”ってそもそも何?という投げかけから脱線し、グローバル化や経済成長で人は本当に幸せになるのか。そして、”資本主義の終焉”とは?…と脱線していきます。

自由に脱線しまくりの”雑談”から見いだされる、世の中にあふれる疑問とその答え、お楽しみください。

うんざり企画で取り上げている“うんざり”の原因や、どちて雑談に出てくる世の中に対する疑問の根幹には、現代のツルツル化があると思います。

加藤の著書『ツルツル世界とザラザラ世界・世界二制度のすすめ』をお読みいただくと、”どちて”と”うんざり”をディープに楽しめます。
ぜひ本と動画をセットでご覧ください!

こちらから → https://www.kosonippon.org/wp-manager/book20201207/

※どちて坊や:アニメ番組『一休さん』に登場する、“どちて(どうして)?”が口癖のキャラクター。

過去の雑談はこちら → https://youtube.com/playlist?list=PL1kGdP-fDk396uM9C-x2CaPBM8FeOLZdF

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【2】お知らせ

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『JUDGIT!』 政府の事業や支出先がキーワードで簡単に検索できます。

『JUDGIT!』は政府の「行政事業レビューシート」をデータベース化し、検索機能を付け、誰でも使えるようにしました。

例えば、「入管」に関わる事業を調べてみたいと思いました。

そこで、まずはこちらへアクセス → http://judgit.net/

キーワード検索に「入管」を入れて検索すると、該当事業(予算額上位10件)が出ます。https://judgit.net/?keyword=%E5%85%A5%E7%AE%A1

右下の【続きを見る】をクリックすると、下記のような事業が出てきます。

☆法務省 官署施設の整備充実 https://judgit.net/projects/3193

事業の目的
官署施設の整備を図ることにより,国家の基本的機能である治安維持や国民の権利保護に資することを目的としている。

事業概要

経年などにより整備を図る必要がある官署施設(法務総合庁舎,法務局,検察庁,矯正管区,保護観察所,入国管理局,公安調査庁及び研修所)のうち,特に老朽化が著しく,整備を必要とする施設においては,耐震改修,長寿命化改修,更新,適時改修のいずれかの手法により整備を実施する。
事業の一部については,国庫債務負担行為による事業が含まれている。

いかがでしたでしょうか。予算額だけでなく、執行額も出てきます。年々増えているのか減っているのかもわかります。
是非一度、ご自身で気になったワードをどんどん入れて、検索してみてください。支出先も検索できます。

皆さんからのご意見を反映して、充実した『JUDGIT!』にしていきます。ご意見、ご感想をお待ちしております。

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【3】構想日本企画シリーズ

「あなたの“うんざり”から社会を考える。」

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社会を見つめる“うんざり”企画、今週もお届けいたします。

~あなたの“うんざり”に共感します~

【うんざり壱】

・「公平性を保つため」といいながら、不公平な対応をしている市に”うんざり”(Iさん)

<J.I.>

・いわゆる、悪平等になってしまっているようです。もっと市民に寄り添った柔軟な対応をして欲しいですね。

【うんざり弐】

・行政文書公開請求に”うんざり”。どんな組織だって、全ての資料を誰もが見られる状態にしたら、運営が成り立たない。(地方公務員さん)

<J.I.>

・市民の立場、公務員の立場、議員の立場、首長の立場。それぞれの立場によって、感じ方は違うのかもしれませんね。

今週の“うんざり”は、いかがでしたでしょうか?

コロナ禍の新しい日常下でも、日々の生活は過ぎていきます。今まで忙しさに紛れて見えなかったものが見えてきている気がします。
これまでの常識が通じない、これまでの生活様式が一変し、私たちのものの見方も変化があるのかもしれません。
“うんざり”を外に出し、これまでの見方を変えてみるなど、出来ることを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

<参加方法>
1、本メールに「“うんざり”していること」「共感した“うんざり”に私からもひと言」「うんざり川柳」などを返信する
2、右記のURL先で「“うんざり”していること」を入力・回答する → https://forms.gle/PkFNDXgrvgadhnvb6
3、Twitter ハッシュタグ 「#うんざり転じて福となる」でツイートしてください
※皆さんからいただいた“うんざり”やコメントを、メールマガジンや構想日本HP、FB、Twitterなどで加工して公表することがありますのであらかじめご了承ください。
※氏名は任意です。ニックネームでも結構です。

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【4】ご紹介  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

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(1) アナトリア学勉強会「カマン・カレホユック遺跡発掘調査」のご案内(Zoomライブ配信)8月29日(日)

「カマン・カレホユック遺跡発掘調査」

カマン・カレホユック遺跡は1986年に第1次発掘調査を開始し、今年で35年になります。「暗黒時代」と呼ばれる時代に独自の豊かな文化が存在した可能性など、アナトリア考古学のいくつかの問題を解明してきましたが、まだまだ歴史の課題が詰まっています。

今回は、カマン・カレホユック発掘調査の核ともいえる北区の発掘現場から報告いたします。この機会に多くの皆さまにご参加いただければ幸いです

■開催日時:2021年8月29日(日)14:00~
■参加方法:Zoomライブ配信 ※発掘現場(トルコ共和国)からの配信
■発表者:大村幸弘(アナトリア考古学研究所)
■参加費:無料
■定 員:300名(先着順)
■申込要領 必要事項を記載の上、アナトリア考古学研究所へEメール 8月26日(木)本日〆切

詳細はこちら → http://www.jiaa-kaman.org/jp/seminar.html

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(2) MOA美術館 ~クラウドファンディングのお知らせ~

いつもMOA美術館を応援いただきありがとうございます。

当館は「美」を楽しむことを通じて豊かな心を育み、児童生徒や学校教員の美術への理解を深めるさまざまな活動を通じて、芸術との「出会いの場」を提供してまいりました。

今回皆さまからいただいたご寄付は、当館が主催する全国児童作品展「MOA美術館全国児童作品展」の開催費、及びMOA美術館の運営費として大切に活用させていただきます。

〇目標金額:1,000万円

〇募集期間:8月11日(水)10時~9月30日(木)23時

クラウドファンディングの詳細はこちらから → https://readyfor.jp/projects/moamuseum

MOA美術館HP → https://www.moaart.or.jp/

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(3)令和3年7月大雨災害静岡県義援金の募集について

構想日本とは縁が深く、2009年からは「事業仕分け」「事業レビュー」「施策レビュー」など継続して実施している静岡県からのお知らせです。

静岡県では、令和3年7月1日からの大雨により、熱海市ほか県東部地域において甚大な被害があったことを受け、被災された方々へお届けする「義援金」を募集しています。よろしければ是非ご協力ください。

「令和3年7月大雨災害静岡県義援金」

受付方法 や お問合せ先 詳細はこちらから →
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-110/chifuku/202107ooamesaigaishizuokakengiennkin.html

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【5】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十五弾 祭と音楽―ローカリズム賛歌」

至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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東海TVの「祭人魂」という番組で、雅楽師・東儀秀樹さんと祭を語った。 雅楽師というのは雅楽に登場する楽器のすべての演奏と面をつけての舞もこなせなければならないが、東儀さんは特に篳篥(ひちりき)の名手である。

衆議院議員になった最初の正月、宮中行事には招待状が来るので参加し、宮内庁式部職による雅楽を鑑賞。え、これが我が国古代の芸能、というのが率直な感想だった。

雅楽は、752(天平勝宝4)年、東大寺大仏殿開眼供養の際招いた外国の仏教徒たちがもたらし、その後、楽器や舞踊の装束は、唐(から:中国)、朝鮮、天竺(てんじく:インド)、林邑(りんゆう:ベトナム)など古代アジアの音楽がミックスされ平安中期に完成したと東儀さんに教えられた。

日本の音楽と西洋音楽との決定的なちがいは、日本音楽には西洋音楽のような音符や音階がないということである。私は少々祭囃子が吹けるが、私に笛を教えてくれた尺八の先生は、日本の音楽は「言葉」で覚えるんだと言った。オヒュウヒュとかヒュ-イヤラとカタカナで書いた譜をまず丸暗記。三味線ならばチントンシャンだ。稽古しているうちに音階をつかんでゆく。邦楽家の中には、西洋音楽にとって日本音楽は「雑音」かもしれないと諧謔的に表現する人もいた。東儀さんは、篳篥の音(ひちりきのね)のゆらぎという表現をしばしば使った。ゆらぎとは、統計上の平均値からの変動を言う。数値には表せない心の状態。魂やら感情の陰翳(いんえい)といってもよいかもしれない。琴線に触れるという表現があるが、日本音楽の深淵ではないかと私は思う。

今回、コロナによるパンデミックを経験し、国境のない利益追求の思想、グローバリズムの落し穴が大きく指摘されている。グローバリズムの本質は合理性、効率性、普遍性を求めるいわゆる文明の理念。一方、祭の中に包含される音楽や舞踊や工芸などの文化の理念は、土着の心や思いなどのゆらぐもの、数値に表せない不合理、不便なものである。

今年(2020年)、日本中の祭が中止となった。が、どの祭も神事だけは欠かさず継続をしている。祓(はらえ)とか禊(みそぎ)という神事は、真摯に回顧とか内省をするという行為であり非科学的で不合理なことではある。競争に勝つことや現世利益を追い求めるグローバリズムから見ると、何の役にも立たない行為かもしれないが、私はこの愚直さに神事の真骨頂を見る。

私は長年公職を務めてきたが、世の中は、国家と地域共同体と市場で成り立っているように思う。国家と市場は今やグローバリズムの洗礼から離脱することはできない。この際、地域共同体が死守しなければならないのはローカリズムだ。

ローカリズムとは地域共同体の持つ、つながりや支え合いなど、数値で測ることのできない潜在的価値体系と考える。それはその土地の持つ風土といってもいいし、その風土から生ずる習慣や倫理観であろう。

祭の中にはまだそれが色濃く残っている。不合理で不便な、しかし心地いいゆらぎが存在する。

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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(編集後記)

構想日本の新企画「脱線!どちて雑談」は聞いていただけてますでしょうか。
You Tubeなので、再生速度を上げるとテンポ良く聞けます。(某スタッフ談)
谷野栄治氏が聞き出してくれる加藤の新しい一面を、私も楽しく聞いています。

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