【No.1028】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十六弾 豊橋鬼祭 2020.2.11」 |至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘氏|
2021.09.23

【No.1028】第4回「オンライン自分ごと化会議」~Withコロナ時代のアクセスとブレーキを考える~

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構想日本メールマガジン【No.1028】 2021.09.23 秋分の日 発行

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<目次>

【1】第4回「オンライン自分ごと化会議」開催 YouTubeライブ配信

~Withコロナ時代のアクセスとブレーキを考える~

「制約のない日常生活・経済活動に戻していくための国民的議論」10月2日(土)

ナビゲーターに 小林慶一郎氏、山中 光茂氏ほか数名

【2】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 第8話

クリエイティブディレクター・谷野栄治×構想日本代表・加藤秀樹 You Tube公開

自分ごと化の哲学から始まる「いかに情報を抜いてあげるか」話

【3】構想日本企画シリーズ

(1)「あなたの“うんざり”から社会を考える。」

(2) 脱線!どちて雑談が「note」に登場 第1話「知ってるつもり?」なこと

【4】ご紹介

(1) MOA美術館 ~クラウドファンディングのお知らせ~ (106%達成)

【5】巻末寄稿文

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十六弾 豊橋鬼祭 2020.2.11」

至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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【1】第4回「オンライン自分ごと化会議」開催 YouTubeライブ配信

~Withコロナ時代のアクセスとブレーキを考える~
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政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の第7回(9/3)の資料「 ワクチン接種が進む中で 日常生活はどのように変わり得るのか? 」では、国民一人ひとりが今後どのような暮らしを望むのかについて「国民的議論が必要」との考え方が示されました。

そこで北海道から九州までの各地で「自分ごと化会議」に参加した約15名と、「分科会」のメンバーである小林慶一郎氏をはじめ、医療、教育現場に詳しい専門家で、今後に向けた懸念点や期待などについて議論します。

過去1年半、外出自粛や飲食店の営業時間短縮など生活への制約による、感染対策が取られてきました。しかし国民全体が、できるだけ制約のない日常生活と経済活動へ戻していくための取組み(アクセル)と、その際に感染拡大を予防する対策(ブレーキ)のバランスが必要だと感じています。

構想日本が行っている「自分ごと化会議」は無作為に選ばれた住民による議論なので、「国民的議論」には最適です。是非、ご視聴ください。

■日時 2021年10月2日(土) 15:00~17:00(予定)

■参加者

○住民(「自分ごと化会議」を行った自治体からの参加者)15名程度
○ナビゲーター(専門的視点から論点の提示や視点の提供を行う役割)6名
・河北 博文氏 (社会医療法人 河北医療財団 理事長)
・小林 慶一郎氏(慶應義塾大学 経済学部 教授)
・定野 司氏  (構想日本特別研究員、元足立区教育長)
・伴  幸俊氏 (公益財団法人 豊田地域医療センター 理事・事務局長)
・福嶋 浩彦氏 (中央学院大学教授、元千葉県我孫子市長、元消費者庁長官)
・山中 光茂氏 (しろひげ在宅診療所院長、前松阪市長)
○コーディネーター
・石渡 秀朗氏 (構想日本 特別研究員)

■ライブ配信 YouTube こちらから→ https://youtu.be/pcsbtQcYKBI

後日アーカイブを構想日本HPやYouTubeにて公開します。

■事前アンケートのお願い 締切は【9月28日(火)15時】
このオンライン自分ごと化会議に向け、皆様のご意見をお聴かせください。

こちらから → https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfZ3eKFgzRcj3sKbYFTilw8VQr8DZgsSsCm5k_nP9N5PR8lgA/viewform

※取材
メディアのみ当日取材可 @構想日本オフィスにて (要:事前申し込み)
こちらから →
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc3JUDSM4HLN_skdPJ_qn9v7RldV15VRg8y20_cdIPl7TpZQg/viewform?usp=sf_link

~「自分ごと化会議」・「オンライン自分ごと化会議」の趣旨 ~

構想日本はこれまで、無作為に選ばれた住民が国や自治体とともに、地域の重要課題などについて議論する『自分ごと化会議』を約160回行い、累計参加者は1万人以上です。『オンライン自分ごと化会議』は、この1万人の中から10~30人を選び、専門家を交えて「withコロナの生活」をテーマにオンラインで議論する会議です。

近年、世界各国で議会制民主主義の機能不全が危惧され「くじ引き民主主義」といった無作為に選ばれた住民の政治参加手法が注目されています。その意味でも、「オンライン自分ごと化会議」は、日本発の新しい民主主義と考えています。

構想日本HP → https://www.kosonippon.org/wp-manager/onlinejgk_04/

2020年からこれまで「オンライン自分ごと化会議」は3回行われています。
過去の議論は下記のURLからご覧いただけます。
こちらから → https://youtube.com/playlist?list=PL1kGdP-fDk3956S3nkhT4weFkY1V7iHaw

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【2】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談

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第8話 自分ごと化の哲学から始まる「いかに情報を抜いてあげるか」話
(クリエイティブディレクター・谷野栄治×構想日本代表・加藤秀樹)

こちらから → https://www.youtube.com/watch?v=1WHbYjq-dXQ

ゆるーく聞けるフリートーク、第8話公開です!

相変わらずただの雑談です。ですが、今回も2人のキレッキレのトークが光っています!
今回は「自分ごと化」からスタートです。どちて雑談ではめずらしく、構想日本らしい話題です(笑)

「他人ごと化発生装置」、「他人のことを自分のことに思わせる」、「情報を抜いてあげる方がいい」…
今回も脱線しつつ、世にあふれる言葉や、社会の本質に迫ります!!

「どちてって何?」「ツルツルって?」と思った方は、第1話からチェック!
こちらから →  https://youtube.com/playlist?list=PL1kGdP-fDk396uM9C-x2CaPBM8FeOLZdF

自由に脱線しまくりの”雑談”から見いだされる、世の中にあふれる疑問とその答え、お楽しみください。
うんざり企画で取り上げている“うんざり”の原因や、どちて雑談に出てくる話題の根幹には、現代のツルツル化があると思います。

加藤の著書『ツルツル世界とザラザラ世界・世界二制度のすすめ』をお読みいただくと、”どちて”と”うんざり”をディープに楽しめます。
ぜひ本と動画をセットでご覧ください!
こちらから →  https://www.kosonippon.org/wp-manager/book20201207/

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【3】構想日本企画シリーズ

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(1)「あなたの“うんざり”から社会を考える。」
社会を見つめる“うんざり”企画、今週もお届けいたします。
~あなたの“うんざり”に共感します~

【うんざり壱】
・提案に対して最初から否定的な意見を言われて“うんざり”(ケンさん)

<J.I.>
・否定から入るとそれで終わりますね。

【うんざり弐】
・緊急事態宣言の期間が意味をなさないことに”うんざり”。期間だけではなく、緊急事態宣言の解除の条件を強調できないものか。(匿名希望さん)

<J.I.>
・今月末の宣言解除に注目します。

今週の“うんざり”は、いかがでしたでしょうか?
同じ事象を見ても、感じ方は人それぞれ。“うんざり”も人それぞれあるのだと思います。
“うんざり”していることの裏にある気持ちに、気づきのヒントが隠されているように思います。
まずは、もやもやを言葉にすることで、少しでも気分が変わればと思っています。

<参加方法>
1、本メールに「“うんざり”していること」「共感した“うんざり”に私からもひと言」「うんざり川柳」などを返信する
2、右記のURL先で「“うんざり”していること」を入力・回答する → https://forms.gle/PkFNDXgrvgadhnvb6
3、Twitter ハッシュタグ 「#うんざり転じて福となる」でツイートしてください
※皆さんからいただいた“うんざり”やコメントを、メールマガジンや構想日本HP、FB、Twitterなどで加工して公表することがありますのであらかじめご了承ください。
※氏名は任意です。ニックネームでも結構です。

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(2) 脱線!どちて雑談が「note」に登場

ご好評をいただいている「脱線!どちて雑談」をnoteに投稿しました。

・「知ってるつもり」が多い中、大切なことは何か
・身体で実感してない言葉が本当に多い

など、身近なことに目を向けた話題が中心になっています。誌面ならではの雰囲気をお楽しみください。

こちらから→ https://note.com/hi_kato/n/n28042c3f11c3

※Note(ノート)は、クリエイターが文章や画像、音声などを投稿し、ユーザーが応援できるメディアプラットフォームです。

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【4】ご紹介  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

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(1) MOA美術館 ~クラウドファンディングのお知らせ~

いつもMOA美術館を応援いただきありがとうございます。

当館は「美」を楽しむことを通じて豊かな心を育み、児童生徒や学校教員の美術への理解を深めるさまざまな活動を通じて、芸術との「出会いの場」を提供してまいりました。

今回皆さまからいただいたご寄付は、当館が主催する全国児童作品展「MOA美術館全国児童作品展」の開催費、及びMOA美術館の運営費として大切に活用させていただきます。

〇目標金額:1,000万円 (106%達成しました)

〇募集期間:8月11日(水)10時~9月30日(木)23時

クラウドファンディングの詳細はこちらから → https://readyfor.jp/projects/moamuseum

超過分は、全国児童作品展の図録製作や授賞式における賞状や楯の製作費、また、専用のWEBサイト制作による受賞作品画像の公開と保存など、「芸術との出会いの場」をより充実した内容にするために、大切に使わせていただきます。

MOA美術館HP → https://www.moaart.or.jp/

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【5】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十六弾 豊橋鬼祭 2020.2.11」

至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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各地の祭を見学するとき、私なりの観察の基準を設けている。

1 この祭の季節はいつか。
2 場所。まちの歴史。
3 この祭の普遍的なテーマは何か

まず1について。時期はいわゆる旧正月に当たる。

旧正月に祭を行うのは歳神様の信仰。正月こそあらゆる生命の再生の始まりと考えた古代からのスピリットを受け継ぐ日本の祭の岩盤であり、明治以前の陰暦を基にした旧正月こそ正統と考える。一方この時期国民の祭日、建国記念日に合わせて行われる祭も多い。建国記念日は戦前の紀元節であるが、その由来は神武天皇即位日ということになっている。ここまでくるとコジツケを感じ、明治政府が考えたナショナリズムに傾くきらいがあるが、古事記の神話と郷土史を結び付けるエピソード(物語)も祭の一風景として私は受け入れたい。

2の場所、豊橋に話題を進める。

愛知県は尾張と三河に分かれるが、両地域は多少気質が違う。私は若いころ愛知県議会議員を務めたが、両地域の議員気質は明らかに違っていた。戦国時代の武将織田信長に例えて、「鳴かずば殺してしまえ ホトトギス」の瞬間湯沸かし型尾張勢に対し、「鳴くまで待とう ホトトギス」の家康型三河気質は好対照をなし、選挙では三河の方が気が長く団結力に勝っていたような記憶がある。三河では、人工による工業都市豊田が脚光を浴びるまちではあるが、豊橋は「穂の国」と呼ばれる古代の風土を残す東三河の中心であり、私の好きなまちだ。

豊橋駅から市電に乗り四駅目、豊橋市役所のそばに豊橋の産土神社、安久美神戸神明社(あくみかんべしんめいしゃ)はあった。神社の由来書きによると天慶3年というから940年、将門の乱平定を記念して、時の朱雀天皇より伊勢神宮に寄進された神社だという。当時この土地は飽海(あくみ)荘と呼ばれていたがこの時から三河国新神戸に呼称変更し、伊勢神宮系の神明社になったのであろう。「安久美・神戸・神明社」と神社名を三分割すると、この神社の歴史が理解できる。―祭と神社はその土地の“歴史の缶詰”である。

本殿は高床式、神明造で棟にのる千木(ちぎ)・鰹木(かつおぎ)が冬の青空を突き上げるように映え、美しかった。神社は、その土地に住む住民のふるさと愛が可視化される。また私のような地方自治を職業としてきたものにとっては、神社こそ行政に頼らない、自立自尊、住民自治の結晶みたいな存在と考える。鬼に会うために安久美神戸神明社にこの日参集した無数の無辜(むこ)の民に接し、このまちの状態は良いと見た。

3の祭のテーマに移る。鬼である。

数多くの日本の伝統的祭を観察してきたが、まずたいていどの祭にも登場するのが鬼である。しかしたいていの祭の鬼は脇役にしかすぎないが、この祭では堂々たる主役であり、祭のテーマは鬼そのものであることが私の心を駆り立てた。

民俗学の泰斗折口信夫は、「かみ」と「おに」は同義語であるという。しかし、馬場あき子の「鬼の研究」は多少この考え方に、プラスアルファーをあたえる。歌人としての素養をもとに、記紀神話、万葉集、源氏物語、大和物語等々をはじめ中世の文学から能楽など、日本文学の中に登場するすべての鬼を考察し解釈を与える。この著作から、祭の中に登場する鬼に、祭のコード(暗号)のようなものを嗅ぎ獲る。著者の主張を一言でいえば、「鬼とは実は社会の暗部に生きる人々に他ならない。鬼はあまりに人間的な存在であるがゆえに体制の規矩に合わず、体制の外の生を余儀なくされたものである。有情の極限としての非情な存在であり、尋常な生き方を願って、かえって阻害された者たちである」ということになろうか。

ここ豊橋の鬼祭は赤鬼が主役であった。鬼の仮装をしたのは近所の40代男性であり、座布団を巻き付けたほぼ30キロの衣装を身に着け一日中神社の関係町内を回るからフラフラになるらしいと、私のそばで見ていた地元の女性が解説してくれた。この赤鬼をからかうのが天狗である。神社の参道を赤鬼と天狗が能の舞台を見るようなスローモーションの仕草で30分ほど掛け合う。やがて赤鬼は天狗に降参し、地元産のタンキリ飴を周りの群集にまきながら退散するが、この飴が今年の幸をもたらす。天狗は薙刀を祓うことによって群衆の禊をする。それは一編のドラマを見るようだった。

「鬼の研究」に書かれていたことを考えながらこの場面を熟視して考えたが、日本の祭は日本人の逆説と優しさが隠された暗号の文学であり、共同体の幻想である。

最近「鬼滅の刃」という漫画が子供たちの間で異常なブームを巻き起こしている。小学生の孫にせがまれ20巻以上のシリーズを買ってやり私自身も読んでみた。

そして空前の観客動員記録を達成しつつあるアニメ映画も観てきた。豊橋鬼祭を観察して感じたこととはまた違う感触を得たが、夢と現実、正義と悪とが交差する仮想現実のアニメ世界で、鬼は偉大な俳優を演じるのではないか。

飛躍するが、アメリカの大統領選挙が浮かんだ。トランプ陣営は鬼で、バイデンは鬼滅隊という構図だ。鬼滅の刃が主人公ではあるが、鬼もなかなかしぶとくそれなりの存在感を示す。

アメリカの民主主義は豊橋鬼祭の現実を繰り広げている。

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。
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(編集後記)

鬼の語源は穏(おん)とも言われ、平安時代には風流を解する鬼も居たそうです。
ごく主観的には、鬼というと「橋姫」や「泣いた赤鬼」が思い浮かびます。
本当にひどいのは鬼なのか、それとも人なのかと真面目に考えたことを思い出しました。

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