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【No.1035】“彼らから教えて貰ったコト”~未来への下ごしらえ~ |東近江圏域 働き・暮らし応援センター“Tekito-” 野々村 光子氏|

【No.1035】脱線!どちて雑談(17) 車がいらない若者から始まる「釣りは野生の勘を言語化する」な話

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構想日本メールマガジン【No.1035】 2021.11.11 発行

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<目次>

【1】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 第17話 You Tube公開

クリエイティブディレクター・谷野栄治×構想日本代表・加藤秀樹

第17話 車がいらない若者から始まる「釣りは野生の勘を言語化する」な話

【2】今後の活動予定

11月13日(土)鳥取県琴浦町 琴浦自分ごと化会議(3) ~みんなで考える家庭ごみ減量会議~

【3】ご紹介

(1) 2021年度五井平和財団フォーラム 「想像を超える未来を創造する」
11月20日(土)出演:グンター・パウリ氏ほか 無料・オンライン開催

(2) 熊谷美術館・熊谷家住宅 ~クラウドファンディングのお知らせ~
<江戸時代から続く歴史遺産と日本最古のピアノを未来へ>

(3) 天岩戸「注連縄(しめなわ)張り」神事 ~クラウドファンディングのお知らせ~

【4】巻末寄稿文

“彼らから教えて貰ったコト”~未来への下ごしらえ~

東近江圏域 働き・暮らし応援センター“Tekito-” 野々村 光子

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【1】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談

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第17話 車がいらない若者から始まる「釣りは野生の勘を言語化する」な話

(クリエイティブディレクター・谷野栄治×構想日本代表・加藤秀樹)
こちらから → https://www.youtube.com/watch?v=RYSt3ERyIZM&t=36s

ゆるーく聞けるフリートーク、第17話公開です!
イマドキの若者たちについての雑談です。今回も2人のキレッキレの脱線トークが光っています!

・若者を見ると、人間の生き物としての復元力が出てきている
・頭はザラザラ、体はツルツルな人たち。
・釣りはツルツル?ザラザラ?

今回も大きく脱線しつつ、世のなかの動向や、社会の本質に迫ります!!

「どちてって何?」「ツルツルって?」と思った方は、第1話からチェック!
こちらから → https://www.youtube.com/playlist?list=PL1kGdP-fDk396uM9C-x2CaPBM8FeOLZdF

自由に脱線しまくりの”雑談”から見いだされる、世の中にあふれる疑問とその答え、お楽しみください。
うんざり企画で取り上げている“うんざり”の原因や、どちて雑談に出てくる話題の根幹には、現代のツルツル化があると思います。

加藤の著書『ツルツル世界とザラザラ世界・世界二制度のすすめ』をお読みいただくと、”どちて”と”うんざり”をディープに楽しめます。

ぜひ本と動画をセットでご覧ください!
こちらから →  http://www.kosonippon.org/book20201207/

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【2】今後の活動予定

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11月13日(土)鳥取県琴浦町 琴浦自分ごと化会議(3) ~みんなで考える家庭ごみ減量会議~

ごみ処理にかかる費用の課題や、ひっ迫するごみの最終処分場問題、循環型社会への移行など、持続可能な住み続けられる地域とするためにはどうすべきか、「家庭ごみの減量」をテーマに町民同士で議論します。

第3回会議ではこれまでの議論や、他自治体における先進事例などを踏まえ、家庭ごみ減量についての意見交換をし、自分たちでできる取り組みについて具体的に考えていきます。

【日時】11月13日(土) 13:30~16:30(予定)
【場所】琴浦町役場分庁舎 2階多目的ホール(鳥取県東伯郡琴浦町大字赤碕 1140-1)
【テーマ】家庭ごみの減量
【傍聴に関して】どなたでも傍聴できます(無料、事前登録不要、途中入退室可)
※新型コロナウイルス感染症予防について、検温、マスク着用等にご協力ください。

※会場に関するお問い合わせ 琴浦町役場企画政策課(電話:0858-52-1703)

琴浦町HP →  https://www.town.kotoura.tottori.jp/docs/2021110400045/
構想日本HP → http://www.kosonippon.org/kotoura_2021/

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【3】ご紹介  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

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(1)2021年度五井平和財団フォーラム 「想像を超える未来を創造する」
11月20日(土)出演:グンター・パウリ氏ほか 無料・オンライン開催

全く新しい経済モデル「ブルーエコノミー」を提唱する起業家、グンター・パウリ氏は、自然の叡智に倣ったイノベーションによって、環境問題や貧困など、世界の多くの課題を同時に解決することは夢ではないと語ります。

このフォーラムでは、世界各地で実践されている革新的な取り組みに学びながら、あらゆる生命が輝く持続可能な未来を創るために必要な、私たち一人一人の想像力と「イノベーター精神」を喚起します。

■日時:11月20日(土)14:00-16:15(開場13:45)
■開催方法:YouTubeライブ配信
■参加費:無料 ※日英の同時通訳付き
■お申込・視聴方法はこちら https://goipeaceforum2021.peatix.com/

●プログラム
第1部 五井平和賞受賞スピーチ・トークセッション
グンター・パウリ/ 起業家、著作家、The Global ZERI Network創立者、2021年度五井平和賞受賞者
上田壮一/一般社団法人Think the Earth 理事、プロデューサー
西園寺昌美/五井平和財団会長
<モデレーター>
西園寺裕夫/五井平和財団理事長

第2部 国際ユース作文コンテスト「いのちって何?」受賞作品発表

※お問合せ:公益財団法人 五井平和財団 HP www.goipeace.or.jp
TEL 03-3265-2071 E-メール info☆goipeace.or.jp ☆マークを@に変えてください

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(2) 熊谷美術館・熊谷家住宅~クラウドファンディングのお知らせ~
<山口県萩市で400年、歴史遺産と日本最古のピアノを未来へ>

熊谷家は江戸時代より萩・長州藩の筆頭御用商の家で、代々受け継いできた美術品、茶道具、文書などの資料を保存公開するため、熊谷家住宅を熊谷美術館として開館しました。
ドイツ人医師シーボルトと交流があり、帰国の折、シーボルトは愛用のピアノを託します。
鳴滝塾の門弟達を支援、幕末には、高杉晋作、桂小五郎、伊藤博文他、多くの志士たちが熊谷家を訪れました。

こうした大切な歴史の息づく文化財、歴史的建造物を懸命に守ってきましたが、建物の老朽化が進み、温暖化による自然災害により損傷が著しく、存続には修復が必要ですが、コロナ禍が追い討ちとなり、自力ではどうにも出来ないのが現状です。

今回、貴重な歴史的建造物、そこに生き続ける先人たちの思いを後世に繋げていくために、広く皆様からのご支援を募ることを決意しました。
皆様の温かいご支援を宜しくお願い申し上げます。

■熊谷美術館クラウドファンディングページ(READYFORにて実施)

〇ネクストゴール:700万円
〇募集期間:令和3年11月3日(水)~12月26日(日)23時

お陰様で第一目標金額は達成いたしましたが、300万円で修復できる箇所はごく一部に限られます。引き続きのご支援をお願い申し上げます。

クラウドファンディングの詳細はこちらから →  https://readyfor.jp/projects/kumayaartmuseum?fbclid=IwAR2NtRry8XtSzGoyhxbrQexy_ZSBquTIRSqGEyrP7MAgEFWPvzVRhtpSrP0

返礼品(一例)
・シーボルトのピアノ演奏体験
・著名な陶芸家からの特別限定記念品(茶碗、ぐい呑み、ほか)

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(3) 天岩戸「注連縄(しめなわ)張り」神事 ~クラウドファンディングのお知らせ~

宮崎県高千穂町にある天岩戸神社では、コロナ禍の昨年12月、古事記・日本書紀になぞらえてご神体の「天岩戸」に、注連縄を張る神事を初めて執り行いました。

疫病はびこる令和の時代に生まれた神事が100年、1000年と継承され、未来の世代が困難に見舞われた際に、この神事が執り行われたことを伝えていきたいと思っております。

皆さんと一緒に地域を盛り上げ、伝統行事として後世に残すため、campfire(キャンプファイヤー)を利用したクラウドファンディングをスタートいたしました。

ぜひ、天岩戸神社や高千穂町を知って頂き、コロナ過が明けましたら実際に御神体に張られたしめ縄を見て頂きたいと思います。
天岩戸神社宮司 佐藤永周氏より

■天岩戸神社クラウドファンディングページ(campfireにて実施)

〇目標金額:500万円
〇募集期間:令和3年11月1日(月)~令和3年12月22日(水)
クラウドファンディングの詳細はこちらから → https://camp-fire.jp/projects/view/508721

返礼品(一例)
・御神体にかけた「しめ縄」を使用! 限定 お守り&お礼状
・天岩戸神社特製の御朱印帳に、今年のしめ縄張り神事当日限定の御朱印を押印

~令和3年 注連縄張り替え神事概要~

日時(予定):令和3年12月21日(火)15:00~21:00(前夜祭)
令和3年12月22日(水) 6:50~10:30(本祭)
神事の詳細はこちらから → https://amanoiwato-jinja.jp/publics/index/1/detail=1/b_id=3/r_id=207#block3-207

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【4】“彼らから教えて貰ったコト”~未来への下ごしらえ~

東近江圏域 働き・暮らし応援センター“Tekito-” 野々村 光子

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■はじめに

「うちの息子は、優しい子ですねん。」
目じりの深い皺が優しく、そして少し悲しく見える女性が話す。

先祖からの土地を守る家に生まれた長男。勉強も運動も出来た地域の人気者やった。
大学受験。誰も心配なんかしてなかった。うまく行く事が当たり前の長男の進路。

「あの日」風が吹いた。当たり前が当たり前では無くなった。
「あの日」から自室で独り時間の中で今も生きていると話す母親。

就労支援と言う私の毎日の四文字がこういう瞬間、薄っぺらさを増す。
そして根拠の無い自信を持って私は言う。

「息子も母ちゃんも、誰の人生にもミスはないで。」

滋賀県の琵琶湖と山の間に位置する、田舎な地域ではこんな「働かせたい」と「働きたい」と「働きたくない」声が毎日聞こえる。

8050問題。
引きこもる生活や働いていない状態は、果たして課題(解決しなければならない問題)なのか。

小さな声を地域の当たり前に、そしてそんな彼らの人生のものがたりが地域の未来を創る仕組みを田舎なこの町に仕掛ける。

見つめる・見つける
2008年。

滋賀県の東近江を中心とした地域で、すべての人が生まれたまちで育ち・働き・暮らし続けられる事も選べるようにセンター“Tekito-”を立ち上げた。集まる相談は国が対象としている障害者手帳を取得している人ではなく、在宅生活が長い人や離転職を繰り返す人など福祉施策の対象ではない人たち。

施策はいつも都会がモデルである。しかし、地域に向けて窓口を開いたTekito-の現場は、対象者の「枠」ではなく、むしろ集まった相談内容こそがこの地域の抱える大事な特徴であると認識した。

前述の彼をはじめ、自宅での独り時間の中で生きて来た彼らの人生に触れる度、感じることがある。

彼らは働く事や安定した生活を送る事を当たり前としてる「社会」の隙間に生じた穴に落ちている状態であると。そして同時にその見えづらい隙間から、自らの力で抜け出す事までも、彼らには求められていると。

そして、彼らの中には企業で働くというアイテム(選択肢)をこれまで持たずに生きてきたため、働くという行為自体が彼らの心に届きにくいという現状も見えてきた。「働く話」ではなくまずは「命の話」から始める必要がある事に気付かされた。

一方、田舎なこの地域からは、暮らし続ける事が出来ないという「困った」が聞こえて来た。先祖から受け継いだ田畑の草刈りは高齢化と共に限界を迎え、市場へ卸す野菜の収穫は人手が足りず、また山裾の文化財に認定された寺院は保持が困難な状態にある。

そんな、地域に溢れる「困った」について、彼らに相談を持ち掛けた。困ったを解決するという事は、今の地域を維持するという事になる。彼らの支援という視点はいったん後回しにし、今この地域に必要なのは人の力と時間であること。更に彼ら(あなた)はその両方を持ち合わせている事も共に確認した。

「刈られた草を集める事なら出来るけど…」そんな希望が見える小さな声が、人が集まり、地元図書館の緑化整備(大きな庭の草むしり)をスタートに、地域の色んな「困った」を救う手が集まった。そして、その手はTEAMとなった。

『TEAM 困救』
時代の流れと共に、地域の「困りごと」は見えづらく、そしていつの間にかそれは「諦めごと」になり始めている。私たち“働きもん”はそんな地域の困りごとを救うチームである。誰が困っても解決できる地域へ…そんな事を目指す我らは・・・TEAM困救

ものがたり
「次はいつや?」

田畑の草刈り作業現場の一日が終わる時に聞かれるコトバ。人生に予定が入る事の重要性を目の当たりにする瞬間である。同時に、彼らは自分に渡されている生きる時間の使い方を選択しているという事実もそこにある。

自室時間(自宅での独り時間)がダメな訳ではなく、暑い炎天下でのしんどい草刈りを断る事も許される。しかし、彼らは「頼まれたから」というコトバを何かの切り札に困っている場所に集まって来てくれる。そして、働くコトを間に置いて「知り合い」を生産する。家族以外に同じ地域に住む人を知るという事は、最大の繋がりであり最強のセーフティーネットである。

寺院の階段清掃の帰り道に寄ったコンビニで、時々現場で一緒になる人や緑化作業を担っている工場の社長に出会う、何となく声を掛け合う「おつかれさん」…そんな妄想は今、現実になっている。

今の自分の働きの「ちょうどいい」を見つける毎日は、少しずつ時間や場所を変えていく。決してステップアップではなく、続いている人生のまん中にちゃんと立っているという、誰とも変わらない生きる力を実感し、少し先を見つめて進むというオーダーメイドである。

彼らが地元の企業での働きを選択し就労した時、私たちは特別に大きな喜びを感じる事は殆どない。それは、彼らは既に働く力よりもっと大きな生きる力を持っている事を知っているからである。

自宅のみでの時間は失敗ではない。しかし、彼らの時間を誰かが知っている事こそが大事な地域の財産であると考える。そして地域に点在する人が面になり地域がデッカイ応援団になる。

明日も、色んな風が吹く。しかし、重なり合う時間と人の糊代がベースにある地域はどんな風が吹いても大丈夫やと私は彼らや地域に教えて貰った。

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野々村 光子 (ののむら みつこ)

幼い頃から、母親の始めた田舎の作業所の仲間が自宅に出入りする環境で育つ。大学卒業後、精神障害者通所授産施設での支援を経て、京都障がい者職業相談室にて勤務。平成18年より現在のセンター業務に就く。ふるさとづくり大賞の個人表彰(総務大臣賞)を受賞。就労支援対象者と「地域の困りごと」を結びつけ、貴重な地域の担い手として活躍できる場「TEAM困救!」を設立。色んな「働きたい」が実現する地域を目指し、「人・モノ・金・愛」が廻る仕組みを発信中。Tekito-センター長兼支援ワーカー、精神保健福祉士。

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(編集後記)

当たり前と思っていた日常が、あっけなく崩れることを日々学んでいます。
様々な閉塞感から、心の均衡を崩す方がとても増えている気がします。
幸せの概念は人それぞれですが、自分にとっての丁度いいを考えさせられました。

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