【No.1064】片桐 幸雄の10行通信(12) |片桐 幸雄氏|
2022.06.16

【No.1064】片桐 幸雄の10行通信(12) |片桐 幸雄氏|

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構想日本メールマガジン【No.1064】 2022.06.16 発行

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<目次>

【1】構想日本企画シリーズ

(1)身の回りのツルツルとザラザラを仕分けてみませんか
(皆さまからのツルザラご紹介)

(2)脱線!どちて雑談 note

「情報で頭の中がパンパンじゃないですか?ひらめきは「隙間」から。想像力は「忘却力」から。」

(3)『JUDGIT!』政府の事業を簡単に検索  例:インドネシア

【2】インドネシアで「行政事業レビュー(事業仕分け)」

これまでの歩みを、メルマガ抜粋でご紹介

【3】巻末寄稿文

片桐 幸雄の10行通信(12)

片桐 幸雄

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【1】構想日本企画シリーズ

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(1)身の回りのツルツルとザラザラを仕分けてみませんか

これまでに皆さまから頂戴した、“ツルザラ”をご紹介していきます。

「ツルザラ」の視点は千差万別。これからも、ご紹介していきたいと考えてしまいます。
まずは、読者のみなさんと一緒にツルザラ仕分けをしていきたいと思います。

~あなたの“ツルザラ”~

・A 氏のツルザラ
ツルツル >ディジタルオーディオプレーヤー
ザラザラ >ラジカセ

・T氏のツルザラ
ツルツル >就活の黒いスーツ、役所や大企業の定期的な人事異動、大臣や役所の幹部が1年で替わる、年齢でほぼ決まる給料
ザラザラ >個性に合った服装、適時に適材を充てる人事、責任を果たす政府幹部の長期間就任、個人の職務・実績で決まる給料

「今の社会でこれが問題だ」と思うことを併せてお尋ねしています。

・T氏「終身雇用が前提の雇用制度、外国人を安く搾取する技能研修制度」

皆さまは、どんなことにツルザラを感じられますでしょうか。是非、ご参加ください。

▼仕分けのお願い

1、あなたの身近で「ツルツル」だと思うものを教えてください。
2、あなたの身近で「ザラザラ」だと思うものを教えてください。

下記、グーグルフォームよりご回答ください。
https://forms.gle/EosCiVcQWP2tZfum9

<背景>

今の社会は、経済を成長させ「お金が増えるとみんなが幸せになる」が前提です。
そのために自由化・効率化=ツルツル化(効率の悪いものを極力減らすこと)をしてきました。
昔からの生活にある、デコボコ・ザラザラ(手間をかけてものを作ること、習慣の違いなど)を減らし、物もお金も人も画一化し、効率的に動かし、今やツルツル・ピカピカです。

構想日本はザラザラ社会の方が平和で、多くの人が幸せになれると考えています。SDGsとはツルツル化を見直そうという運動とも言えます。しかし、世界はまだツルツル化が進んでいます。
そこでまずは、ツルツルとザラザラの両方が選択できる世界二制度の仕組みを考えようと提案しています。

詳細はこちら 構想日本HP → https://www.kosonippon.org/wp-manager/turuzara_0308/

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(2)脱線!どちて雑談 note

noteに仕立て直したどちて雑談を、是非、ご覧ください。

「情報で頭の中がパンパンじゃないですか?ひらめきは「隙間」から。想像力は「忘れる力」から。」

こちらから →  https://note.com/hi_kato/n/n0263187ea19f

(瀬戸内サーカスファクトリー代表理事・田中未知子×クリエイティブディレクター・谷野栄治×構想日本代表・加藤秀樹)

・頭と時間に隙間がないと降りてこない
・あらゆる職業がクリエイティブ職
・いい話の基準は 何か思いつくか 何か思い出す

※Note(ノート)は、クリエイターが文章や画像、音声などを投稿し、ユーザーが応援できるメディアプラットフォームです。

★どちて雑談動画はこちらから → https://www.youtube.com/playlist?list=PL1kGdP-fDk396uM9C-x2CaPBM8FeOLZdF

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(3)『JUDGIT!』 政府の事業や支出先がキーワードで検索ができます

まずはこちらへアクセス → http://judgit.net/

例えば、インドネシアで【検索】→ 該当事業(予算額上位10件) https://judgit.net/?keyword=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A2

一例:
☆農林水産省 緊急食糧支援事業 https://judgit.net/projects/12699
事業の目的(抜粋)「人道支援の観点から、平成10年度にインドネシアに70万トン…」

☆総務省 国際放送の実施 https://judgit.net/projects/4256
事業の目的(抜粋)「NHKに国際放送を実施させることにより、我が国の文化、産業等の事情を海外へ紹介し…」

気になったワードを入れて、検索してみてください。支出先も検索できます。
皆さんのからのご意見を反映して、充実した『JUDGIT!』にしていきます。引き続きご意見、ご感想をお待ちしております。

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【2】インドネシアで「行政事業レビュー(事業仕分け)」

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「動くシンクタンク」構想日本の真骨頂ともいえるインドネシアでの事業仕分け

2022年5月20日インドネシアで海外初の「行政事業レビュー(事業仕分け)」が行われました。

これまでの歩みを記したメルマガを一部抜粋しました。ご覧いただければと思います。

<関連メルマガ>

★2012.04.12発行
『事業仕分けを日本とインドネシアの架け橋に』
JICAインドネシア地方代表議会議員及び事務局の能力開発研修コースリーダー 北田 多喜氏

「インドネシアの議員たちは、事業仕分けの具体的な方法のみならず、「外部の目」、「公開性」などの特色を生かすと民主主義が形だけでなく実質的に機能すること、また、国会において事業仕分けを実施することで国会の行政に対するチェック機能が活性化されることなどを熱心に聞いていました。
国民や住民に開かれた場所で議論し、国民や住民も一緒になって考え、政治の向かっていく方向を決めていく。この事業仕分けの手法は民主主義の基本とも言えます。」

全文はこちらから https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail_magazine/549/

★2020.04.02 発行
『インドネシアにおけるオープンガバメント(開かれた政府)の進展に向けて
-インドネシア行政事業レビュー普及プロジェクト 参加報告-』
構想日本特別研究員 中村 卓氏

「構想日本とインドネシアとの交流は、10年前に来日された国会議員団の事業仕分け視察に遡る。
今回お会いした国家開発企画庁(BAPPENAS)の女性幹部も、9年前に自治体事業仕分けを視察されたという。
このプロジェクトは、その縁を活かし、ODA(政府開発援助)のもと、インドネシアの「オープンガバメント推進」に両国のNGO(TIFA&構想日本)が共同で取り組むものである。」

全文はこちら https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail_magazine/954/

<関連記事>

◇Yahoo!ニュースオーサー 構想日本総括ディレクター 伊藤 伸
日本の行革手法の海外輸出の試み ~行政事業レビュー、インドネシアで試行的実施~
https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20220521-00296868

◇毎日新聞 事業仕分けinインドネシア 日本のODA 村の乳幼児支援に「改善」
https://mainichi.jp/articles/20220606/ddm/007/030/081000c

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【3】片桐 幸雄の10行通信(12)

片桐 幸雄

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市場はそんなに優れたものか
「有権者は数年に一度しか投票しないが、市場は10分ごとに投票している」と言われる(ヤーギン、スタニスロー『市場対国家』)。しかし、だからといって市場の方が人々の意向や、意見をよく反映しているということにはならない。

第1に、有権者の投票は原則として一人一票だが、市場での投票権は札束に応じて配分されるということを忘れているか、無視している。市場は欲望がどっちを向いているかということは確かによく反映するかもしれないが、それだけのことだ。

第2に比較の対象とした民主主義なるものが、極めて厄介な制度であるということだ。チャーチルが「他のすべての制度を別にすれば、民主主義は最低の制度だ」と言ったことがあるが、民主主義はそういうものであることを忘れてはならない。「民主主義」を「市場」と置き換えても、恐らくは同じことが言えるのである。市場は絶賛するようなものではない。

市場はそんなに優れたものか(2)
非効率、惰性(手続きに要する莫大な費用と時間)、気まぐれ、民主主義はそういったものに耐えなければならない。市場が民主主義と同じであるとすれば、市場もまた、こういう欠点を内包しているということになる。

実際、非効率、惰性という観点からは、ファシストの統制経済の方がはるかに効率的、機動的であったし、気まぐれという点に関しては、封建社会以前の慣習に規定された社会は、ほぼこれから免れていたといえる。しかし、それでも民主主義が最悪であるのは「他のすべての制度を別とすれば」という場合の話であるのと同様に、市場もまた大きな欠陥――欲望だけが支配するという意味では民主主義以上の欠陥――をかかえながらも、それに変わる制度は容易に見いだせない。そういうものとして、市場を見る必要がある。

しかし、市場に代わる制度は本当にないのかという疑問がある。交換は本当に贈与より優れているのであろうか。

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片桐 幸雄 (かたぎり さちお)

元道路関係四公団民営化推進委員会事務局次長。1948年生まれ。73年に日本道路公団に入社。主に料金設定や経営企画を担当し、2000年に総務部次長。02年から民営化推進委員会に入る。

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(編集後記)

インドネシアは、17,500以上の島で構成される島嶼国家で、世界第四位の人口。
ニューギニア島やティモール島の一部を含め、本当にたくさんの島が集まっています。
インドネシアで思い浮かぶのは、スマトラトラ、ジャコウネココーヒー、ジャワカレ〇。

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