【No.1077】★続編を新たに公開★「note」で、伝えたい 構想日本
2022.09.15

★続編を新たに公開★「note」で、伝えたい 構想日本 #1077

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構想日本メールマガジン【No.1077】 2022.09.15 発行
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<目次>
【1】構想日本企画シリーズ ~「note」で、伝えたい 構想日本
3本の記事を新たに公開
【2】この先1か月の活動予定
【3】身の回りのツルツルとザラザラを仕分けてみませんか
皆さまからのツルザラをご紹介
【4】ザラ撮り!
ザラザラ写真をお楽しみください
【5】巻末寄稿文
「犬山祭とからくり人形」 至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

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【1】構想日本企画シリーズ ~「note」で、伝えたい 構想日本
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「note」で、伝えたい 構想日本

コロナ禍で様々な社会問題が顕在化し、行き詰まった日本社会に解決の一石を投じる《自分ごと化対談》を、noteにしました。
動画とは一味違った内容になっています。是非ご覧ください。

~「廃棄物は社会を映す鏡」― 誰もが自分ごとにするには ―(3)~(石坂産業株式会社代表取締役 石坂典子氏)

<Chapter3> 産業廃棄物から見るツルツル世界とザラザラ世界
― イニシャルコストの大きさでは評価できない価値をつくる
― 安くモノを買う社会が、本当に良いのか

◎記事全文はこちらから → https://note.com/hi_kato/n/nc4d2cdd0b305
◎動画はこちらから → https://youtu.be/3FCWYaxLFQM

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~「下山」に学ぶ、いま、日本に必要なこと(4)~ 自分ごと化対談(登山家 竹内洋岳氏)

<Chapter4> 便利な社会は生き物としての人間の能力を失わせる
― 人間の標準の基準とは?
― ツルツルとザラザラの在り方

◎記事全文はこちらから → https://note.com/hi_kato/n/ne8740ea72863
◎動画はこちらから → https://youtu.be/WZ7oFfP0Y80

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~生活実感から、市民社会をどう作るのか(7)~ 自分ごと化対談(小説家 平野啓一郎氏)

<Chapter7> “人の幸せ”とは「生活実感のなかから」
― 平野啓一郎氏が考える“ひとの幸せ”とは
― 21世紀の人間の頭と体

◎記事全文はこちらから → https://note.com/hi_kato/n/ndf7531e47c28
◎動画はこちらから → (前編)https://youtu.be/yr86REjZ-OE
(後編)https://youtu.be/PV8kG4JKeJk

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※note(ノート)は、クリエイターが文章や画像、音声などを投稿し、ユーザーが応援できるメディアプラットフォームです。

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【2】この先1か月の活動予定
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奈良市 月ケ瀬地区第3回自分ごと化会議

無作為で抽出された市民が2つのテーマごとに2班に分かれて議論します。5回シリーズの自分ごと化会議の第3回目が開催されます。
【日時】 10月6日(木)19時~21時30分(予定)
【場所】 月ヶ瀬ワーケーションルームONOONO(A班)、月ヶ瀬行政センター(B班)
【テーマ】共助・地域コミュニティの力を活用したヒト・モノの移動に関する地域課題解決(A班)
共助・地域コミュニティを強化する手法(B班)

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【3】身の回りのツルツルとザラザラを仕分けてみませんか
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皆さまからいただいた“ツルザラ”をご紹介していきます。

◆ あなたの“ツルザラ”◆
・M氏のツルザラ
ツルツル >ファストファッション、自己啓発本、電子書籍、インスタントコーヒー、コンビニ
ザラザラ >方言、紙の本、手挽きのコーヒー、地元の商店街、DIYで作った棚、手編みのセーター
・T氏のツルザラ
ツルツル >誰も飲まない宴会、黒スーツ一色の就活生
ザラザラ >酔っ払い、古着を着こなす若者

◆「今の社会でこれが問題だ」と思うことを併せてお尋ねしています ◆
・U氏 >進学校に多いが、大手企業、一流企業に就職することを目標にしているこどもが多い。良くないなぁと思う。
・N氏 >組織と人との関わり方が余りにもツルツル化しすぎていること。
採用や評価、人事異動については、もっと多面的に評価した方が良いと思う。
・K氏 >地方の移住者ファーストにより、先住民が地域に見切りをつけて流出している問題。
地域において古い慣習や古株の方たちによって若い人が力を発揮できていない問題。
地方において現役世代のコミュニティが移住者系コミュニティに置き換わってきており、地域で生まれ育った現役世代が関わりを持ちづらい問題。
主に子育てや高齢者に支援が注がれ、現役世代への支援が乏しい問題。
・S氏 >東京一極集中。
ジェンダー問題(マイノリティの人々が抱える生きづらさ)。
第一次産業の担い手不足の問題。
・S氏 >教育へのアクセス機会。

皆さまは、どんなことにツルザラを感じられますでしょうか。是非、ご参加ください。
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▼「ツルザラ仕分け」のお願い
1、あなたの身近で「ツルツル」だと思うものを教えてください。
2、あなたの身近で「ザラザラ」だと思うものを教えてください。

下記、グーグルフォームよりご回答ください。
https://forms.gle/EosCiVcQWP2tZfum9

<背景>
今の社会は、経済を成長させ「お金が増えるとみんなが幸せになる」が前提です。
そのために自由化・効率化=ツルツル化(効率の悪いものを極力減らすこと)をしてきました。
昔からの生活にある、デコボコ・ザラザラ(手間をかけてものを作ること、習慣の違いなど)を減らし、物もお金も人も画一化し、効率的に動かし、今やツルツル・ピカピカです。
構想日本はザラザラ社会の方が平和で、多くの人が幸せになれると考えています。SDGsとはツルツル化を見直そうという運動とも言えます。しかし、世界はまだツルツル化が進んでいます。
そこでまずは、ツルツルとザラザラの両方が選択できる世界二制度の仕組みを考えようと提案しています。

詳細はこちら 構想日本HP →   https://www.kosonippon.org/wp-manager/turuzara_0308/

~参考書籍~
「ツルツル世界とザラザラ世界 世界二制度のすすめ 」 加藤 秀樹(著)
Amazon書籍販売ページ:  https://www.amazon.co.jp/dp/B08PL2VS1G

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【4】ザラ撮り!
日常にある身近なザラザラを、自由な視点で写真で切り取り紹介します!

構想日本スタッフIとTが自ら釣って捌いたカサゴの姿造り

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【5】「犬山祭とからくり人形」
至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

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からくり人形は日本だけにあるタイプの人形劇である。
ヨーロッパにはオートマタという自動人形がある。時計や機械類を人形化したもので、驚くべき精妙な動きをするがどこまで行ってもモノである。一方、日本の祭りに登場するからくり人形の舞は神事。コトであるとまず心に留めたい。

日本人の信仰心の岩盤を為す神道では、巫女(みこ)の存在を無視することはできない。古事記に出てくる女性神アメノウズメが天岩戸に隠れたアマテラスを誘い出すために踊ったのが芸能の始まりといわれているが、そこから派生し、狂言・能・歌舞伎等々すべての芸能は神にささげる神事であり、からくり人形もその一つである。
2019年直木賞を受賞した大島真須美作「渦・妹背山婦女庭訓・魂結び」は浄瑠璃作家・近松半二の芸術小説で、江戸時代の芝居小屋では人形浄瑠璃、歌舞伎、からくり人形の三種類が演じられる様子が描かれる。この三種の演劇文化が大阪は人形浄瑠璃の文楽として、東京は歌舞伎として、そして名古屋は祭礼のからくり人形として分れ、今日に至る。
江戸期は戦国時代の反動から、基本的に銃器などの技術開発を御法度にした。が、俗世を離れた祭りだけはさにあらず。技術的創造を希求する人間は、からくり人形の制作にその才のはけ口を見出した。今に名を遺す金沢の大野弁吉、久留米の田中久重、土佐の細川半蔵などのからくり人形師は最先端の理数系技術者であったろう。玉屋庄兵衛は江戸時代に京都から名古屋に来たからくり人形師だが、現在9代目が犬山市の「通称からくり館」内にある工房で仕事をしている。日本文化の伝統職人の技を継承する貴重な存在である。

犬山祭は、わが国最大規模のからくり人形の祭りである。13両の車山(やま)に3体から4体、合計40体以上のからくり人形が四月の祭礼日、春風駘蕩、桜吹雪の中に舞う。一年間、車山蔵(やまぐら)の中で眠っていた人形たちに命が吹きこまれ、蘇る。
犬山祭はこの地の産土神をまつる針綱神社の例祭である。
しかし、13の町内の一つ、魚屋町のからくりは「日蓮上人星下り」という仏教の演目を演じる。元寇の危機が迫る中、幕府を批判し法難に会う日蓮の物語。-日蓮が高下駄をはいて乱杭を渡る誠に高度なからくり仕掛けだ。明治期、内村鑑三が外国人向けに英語で書いた「代表的日本人」5人のうち、宗教者代表は日蓮であった。江戸期、武士階級は儒学を官学としたが、庶民は寺請け制度。寺院の門徒、すなわち仏教徒であったと考える。
わが国に仏教が渡来したのは6世紀ごろであり、日本人の精神世界に大きな影響を与えた。寺島実郎は「人間と宗教」の中で、日本人の精神世界は仏教・神道・儒教が基軸であるという。犬山祭のからくり群を観察すると腑に落ちる。仏教は慈悲の心、神道は一木一石にも命の宿るアニミズム、儒教は恕(思いやりの心)-人間が社会的動物として生きねばならぬ意識。が、奥のほうに存在する。

翻って、現在私が所属するコミュニティ政策学会での論調を考えてみる。
激変する21世紀の社会構造の再構築に、自治会・町内会などのわが国固有の地縁組織の因習は残しつつ、都会型・テーマ型のNPO活動などアソシエーション(協会型)を混在させる方向が求められている。要するに、地域だけで固まるコミュニティは持続性を失うということだろう。多様性の包摂とか、熟議の民主主義とか社会学者のコミュニティ論は少々難解ではある。
この議論の中で私が主張したいのは、祭りを核とするコミュニティ論だ。祭りは人と人との出会いをつくる。祭りには日本人の心の基軸-信仰心といってもいい―を意識する心理作用が自然体として存在する。祭りの岩盤にある歴史と風土からくるエートス(心・倫理観)を見失ったら、コミュニティは砂上の楼閣に過ぎない。江戸時代は現代でいう社会という言葉ではなく世間といった。この「世間」という言葉の裏に、言わず語らず日本人の倫理世界が表現されているのではないか。
一年に一度蘇るからくり人形の舞は、わたしたちにそのことを語りかける。
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石田 芳弘(いしだ よしひろ)
愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。
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(編集後記)平野啓一郎氏が考える“ひとの幸せ”とは、「生活実感の中から」。自分と重ねて考えてみると、素直に自然体で人と互いに本音で接することができたときに幸せや充実感を感じます。言葉や態度に実感がこもっているからでしょうか。拙くても自分の言葉で伝えようとしている人からは思いが伝わってきますし、その姿勢に心を打たれます。借りてきた言葉ではなく、自分ゴトバで伝えられる人になりたい、と心から思います。
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