メールマガジン

【No.1111】★第43話を公開★ 脱線!どちて雑談「徒弟制度から考える「型」かつて会社にも存在した!」

■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
構想日本メールマガジン【No.1111】 2023.5.25 発行
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■

<目次>
【1】この先1か月の活動予定
【2】第43話を公開!<雑談ラジオ企画>脱線!どちて雑談
【3】寄稿文(石田 芳弘氏「美濃和紙の里(後半)」)

※バックナンバーはこちらから

 

 

■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【1】この先1か月の活動予定
-------------------
奈良県田原本町 住民協議会

田原本町では、3月に公共施設レビュー、4月/5月に2回、住民協議会を開催しました。対象施設:中央体育館、老人福祉センター、町民ホールなど6施設

今回は、住民協議会の3回目(最終回)として、無作為抽出で選ばれた住民同士で、今までの協議内容をまとめて、町に提出する提案書について話し合います。

【日時】6月17日(土)9時~12時(予定)
【場所】町民ホール(田原本町役場併設)
【テーマ】公共施設のあり方
【傍聴について】傍聴不可

 

 

■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【2】第43話を公開!<雑談ラジオ企画>脱線!どちて雑談
------------------
大人のどちて坊や・谷野栄治(クリエイティブディレクター)の疑問に、加藤秀樹(構想日本代表)が答えてすすむ雑談ラジオ。
アニメ番組『一休さん』に登場する、“どちて(どうして)ですか?”が口癖のキャラクター「どちて坊や」。その「どちて坊や」の問いかけのように、世の中の出来事に対する”素朴な疑問”から話が弾む、愉快な雑談です。脱線こそ雑談の醍醐味。脱線からうまれる初耳の話を、お楽しみください。

新たに、 第43話を公開しました!!

 

今回は、会津東山芸妓 花の家真衣さんとの雑談第4弾(最終回)です!

 

第43話 徒弟制度から考える「型」かつて会社にも存在した!

 

「どちてって何?」「ツルツルって?」と思った方は、第1話からチェック!

 

--------
「脱線!どちて雑談」をより深く楽しんでいただくために!以下をぜひお読みください。

 

~参考書籍~
「ツルツル世界とザラザラ世界 世界二制度のすすめ 」 加藤 秀樹(著)
Amazon書籍販売ページ

「ツルツル、ザラザラって?」
☆詳細はこちら 構想日本HP

 

 

■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【3】巻末寄稿文「美濃和紙の里(後半)」
至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
-------------------
美濃市を語るとき、それは何を置いても美濃和紙についてであろう。人類の文字と文化の歴史は紙の存在と不可分だ。現在日本には 41 都道府県 75 か所で和紙を生産するが、伝統的な生産方法により2014年ユネスコ無形文化遺産登録になった和紙は 3 か所。島根県浜田市・石州半紙(ばんし)、埼玉県東秩父村・細川紙、そしてここ美濃市の本美濃紙だ。

うだつの上がる町並みから板取川に沿って車でほぼ 10 分遡ったところに市営の「美濃和紙の里会館」がある。蕨生(わらび)という会館の住所名にも、山野の中で生きてきたこの地の人々の生活感と和紙の里の文化を感じる。ここで私は友人のT市議と館長の説明を受け、紙すきの体験をした。

美濃紙の主な原料は楮(こうぞ)という植物の白皮である。そしてその素材を加工する過程において重要なのが水と時期といわれる。美濃市内を流れる板取川・長良川の清流と自然環境は天与の好条件を美濃和紙に与えた。さらに決定打は水に溶かし
た楮の液を漉く技術だ。道具の工夫もさることながら地域で生まれ地域で育った職人たちの手漉(てすき)和紙技術のかたくなまでの探求の継承が、国の重要無形文化財に指定されユネスコの遺産につながった。柔らかみのある繊細な風合いを持ちな
がら、強靭で耐久性があり、薄くムラのない、まさに自然とともにある日本の里山文化を可視化したような魅力を作り上げ、世界に「美濃和紙」ブランドを発信している。

現在美濃紙は記録用のほかに、文化財修理用に宮内庁・国立文化研究所や博物館などに使われるとともに、提灯・和傘・扇子や伊勢型紙そして障子などに使用されている。和紙の里会館の一角に販売コーナーがあり、わたしは靴下と草履と名刺にする紙
を購入した。その他美濃和紙によるいろいろな生活用品があり、新しい製品開発の努力を垣間見た。

紙漉き体験ののち、町並みの中心地でTさん達市民グループが運営する古民家を見学した。路地と茶室、土蔵、書院造りの居間に上がった。美濃の夏は酷暑として全国的に有名だ。が、重厚な日本の木造建築はもともと暑さに対処するように工夫され
ている。締め切った居間は庭から入る直射日光を遮るため障子は閉められていた。

その美濃紙であろう障子の白さと、障子を通して畳に差し込む光の美しさに息をのんだ。一瞬、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」を思い出した。日本人の美意識はストレートな様式よりむしろボヤっとした影の部分、間接照明にあるという。

美濃和紙と美濃市の魅力は、今の日本が追い求めるギラついた価値観の陰翳・礼讃ではないかという気がした。
変転著しい時代にあらがうスローライフがそこにあった。

 

 

参考文献
美濃市歴史的風致維持向上計画(美濃市発行)
美濃和紙(美濃和紙ブランド研究会発行)
その他各種観光パンフより
-------------------
石田 芳弘(いしだ よしひろ)
愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

 

――――――――――――――――――――――――

(編集後記)
どちて雑談、会津東山の芸姑・花の家真衣さんとの対談も最終回です。全4回の対談を通じて、「型とは何か」という話が沢山出ました。個人的に大事になりそうなキーワードは次の通りです。「無意識下のもの」「頭(思考)ではなく身体が覚えて勝手に動くこと」「所作に近い」「その人がいなくなっても他の人に伝わり残るもの」「師匠の憑依・イタコになること」「自身の個性は癖(不要なもの)と捉えられる」「記憶なく身体が動き終わった後は気持ちが良い」等。日本の伝統芸能に限らず、仕事・スポーツ・家族・大切な人との間にさえ型があるような気がしてきて、益々「型とはなにか?」は興味深いトピックになりました。第40話と第43話に特に沢山「型」の話が出てきますので、ご興味ある方はご覧ください。

 

 

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆J.I.メールマガジンは、構想日本の活動情報などをお届けする無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換させていただいた方、2.ホームページで直接申し込まれた方に配信しています。
◆登録・配信停止・アドレス変更は、   news@kosonippon.org へご連絡ください。
◆みなさんの個人情報は構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。
◆転載をご希望の場合は、ご一報ください。
◆構想日本会員・寄付は、随時募集しております。
□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
Copyright(C) 1999-2023 構想日本 All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□