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【No.118】給食選択性と民営化

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給食選択性と民営化
JIメールニュースNo.118  2003.10.17
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■■ 目次 ■■
1.《読者の声》給食選択性と民営化
2.《9月30日第75回「JIフォーラム」の報告》
3.《第76回「J.I. フォーラム」のご案内》

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1.《読者の声》給食選択性と民営化

読者のみなさん、JIメールニュースに対し毎週さまざまなご意見をお寄
せ頂き、ありがとうございます。
今回は、No.107「教育の中央集権無責任体制 」とNo.109の《読者の声》
について寄せられたご意見をお送りします。
(No.107は http://www.kosonippon.org/mailnews/log.html?no=115
No.109は http://www.kosonippon.org/mailnews/log.html?no=117 )
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環境企画(主宰)
松村 眞様より

私が小学校の低学年の頃は学校給食がなかったので、毎日お弁当をもっ
ていきました。戦争の末期で食糧事情が悪かったから、母は子供3人分のお
かずを用意するのにいつも苦労していました。おかずの中心は塩ゆでの豆
や漬物で、たまに小さな鮭の一切れや玉子でもあれば顔がほころぶほど嬉
しかったのを憶えています。ほかの子供も似たようなものでしたが、なか
には当時は貴重だった肉や魚のおかずを毎日のようにもってくる子がいま
した。そうした子は皆から弁当をのぞかれ、羨ましがられ、やっかみ半分
にひやかされました。だからおかずが豊かな子は弁当の中味を見られない
ように、左手にもったふたでかくしながらこそこそと食べていました。一
方、おかずが粗末な子も粗末なことを見られまいと、やはり左手で弁当を
かくしながらこそこそと食べていました。弁当は幼い子供にとって、世の
中には豊かな者と貧しい者がいることを初めて知る機会になっていたので
あり、こそこそ食べる風景はその象徴でした。
戦争が終ると給食が始まりました。最初はアメリカから贈られた食料援
助物資が使われたので、小さなコッペパンとミルクが毎日の昼食でした。
当時の給食は欠食児童をなくすことが目的でしたから、味の方はひどいも
ので、かなりまずかったのを憶えています。とくに脱脂粉乳を溶いたミル
クは粉っぽく、飲み込むのにひどく苦労しました。それでも皆が同じもの
を食べて飲むのですから、誰も食事をかくす必要がなくなり左手が自由に
なりました。学校給食が、当時、粗末な弁当しかもってこられない子供を
劣等感から開放した意味は大きかったと思います。今から考えると給食の
内容は粗末でしたが、空腹を満たすのが先でしたから、ほとんど残ること
はありませんでした。たとえ誰かが残しても、すぐそばにもっと食べたい
子が待っていました。
やがて経済が復興するにつれて食料事情は徐々に好転し、学校の厨房設
備も整備されて給食はおいしくなりました。家庭の食事も豊かになり、も
はや欠食児童や栄養失調は見られなくなりました。児童の飢えをしのぎ、
栄養を保つという学校給食の初期の目的は昭和20年代に達成されたので
す。そこで昭和29年に制定された学校給食法では、給食の目的を児童福祉
ではなく、食生活の指導という教育目的に設定しました。教育目的だから
学校給食のための設備費や人件費は税金で負担し、食材費だけを保護者が
負担する現在の仕組みが完成しました。現在の学校給食の普及率は、小学
校が99%、中学校は66%です。給食の費用は1食平均が約750円で、そのう
ちの食材費は250円程度です。食生活指導が目的ですから好き嫌いが認めら
れず、全部食べないうちは席を立たせてもらえない時期もありました。
ですが同じ年令でも食の細い女の子は、体の大きい男の子の半分ぐらい
しか食べられません。アレルギー体質の子供には食べられない物もありま
す。飽食の時代を反映して好き嫌いも多いです。そんなわけで給食の食べ
残しは増加しており、1人1食あたり50グラムから70グラムに達していま
す。この残飯はほとんどが焼却されていますが、わざわざ肥料化設備を購
入する地域も増えています。食べ残しの理由は児童の好みや体格に関係な
く、全員が同じメニューと量という点にあります。いっそのこと弁当の持
参を認め、給食は希望者に限定する給食選択性を導入したらどうでしょう。
そうすれば個人の希望が反映できるから食べ残しが減るに違いありません。
そうなると公費補助が問題になりますが、イギリスではサッチャーさんの
改革で完全に民営化されており、公費の補助はありません。食生活の指導
は家庭の役割でよいと思います。
(追記)この文章は給食の食べ残しを減らす趣旨で書いた原稿を修正した
ものです。でもこの原稿を書きながら、学校給食の必然性に疑問を感じて
いました。費用からみるとコンビニ弁当の方がはるかに安いし、給食が選
択性なら学校にパン屋さんやお弁当屋さんも売りにくるようになるでしょ
う。費用の公費補助ですが、子供の食費は保護者が全額負担するのが当然
ではないでしょうか。一方、給食調理員(補助職員は別)は公務員ですか
ら、年間190日しか給食がないのに、給食がない日も学校に来なければ
いけないのです。学校が単独で厨房設備を持たない場合は、複数の学校の
ために給食センターが給食を作り配送していますが、この給食センターも
官営で、一部では校長先生の天下り先になっています。もし給食センター
が民営化されれば、老人ホームや地域イベントへの弁当販売やケータリン
グサービスもできます。そうすれば稼動率が改善できて大幅なコストダウ
ンができるでしょう。ちなみに市場のレストランやケータリングサービス
は、年間250日から300以上の稼動率です。学校給食の選択性と民営
化について、政策提案課題とされるよう提案します。必要なら協力しま
す。
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2.《9月30日第75回「JIフォーラム」の報告》
昨年スタートした住民基本台帳ネットワークは、この8月から「第二次
稼動」、住民票が居住地以外でもとれるなど利用範囲が広がりました。で
も、このネットワークは私たちにとって本当に便利なのでしょうか。また、
税金の無駄遣いや情報漏洩などの問題はないのでしょうか。
「総務省は、住基ネット立ち上げに394億円かかったというが、調べてみる
と実際には805億円。それに、1年間の維持費として大体190億円がプラスさ
れる。国民に伝える情報としては、極めて不正確。」(ジャーナリスト 櫻
井氏)
「住基ネットが安全か否かという問題の以前に、必要性がないと思う。た
とえ危険であっても、必要なら安全対策を施してつくる必要があるが、必
要ないものはそもそも安全か危険かという議論の意味がない。」(経済産
業研究所 上席研究員 池田氏)
「住基ネットはいらない。自宅から申請書をパソコンで送ることができる
行政サービスを提供したとしても、それを利用したい人が番号を受け取っ
てやるというのがインターネット社会のルールであり、またエチケッ
ト。」(杉並区長 山田氏)
「11月から、住基情報はもはや6情報のファイルではなく、年金受給、資
格試験など274情報のファイルになろうとしている。これは大変な事態。」
(練馬区職員 江原氏)
当日は、住基ネットを推進すべきか否かという議論ではなく、今までの
住基ネットを巡る”論争バトル”を超え、このシステムがもつより具体的な
問題点について熱い議論が交わされました。
情報がビジネスの”タネ”になる情報化社会。こうした時代に生きる私た
ちは、「利便性」と裏表の「危険性」を正しく認識する必要があるのでは
ないでしょうか。
<討論者>
池田 信夫(独立行政法人経済産業研究所 上席研究員)
江原 昇  (東京都練馬区職員/練馬区改正住基法問題研究会)
櫻井 よしこ(ジャーナリスト)
山田 宏  (東京都杉並区長)
<コーディネーター>
高成田 享(朝日新聞論説委員)
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3.《第76回「J.I. フォーラム」のご案内》
挑戦する若者達!
- 自分の志を生かす働き方を紹介 –
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「エリート官僚」、「エリートサラリーマン」と呼ばれる人たちがあり
がたがられる時代は終わったようです。つい先ごろまでの、ドットコムビ
ジネスの「起業家」ブームも色あせた感があります。しかし、実は明確な
意思とそれを実現するパワーを持ち、お金儲けばかりではなく、世の中全
体のことも考えながら、独自の取り組みで事業をする元気な若者はふえて
いるのです。
今回は、そんな若者の先輩格の藤沢久美氏をはじめ、具体的に取り組ん
でいる若者に集まってもらいます。そして、企業コンサルの立場から「人
間力」の重要性をつねに強調しておられる淡輪敬三氏に、彼等の熱い想い
を引き出して戴きます。

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日 時  :平成15年10月29日(水)
会 場  :銀座ソニービル8階 ソミドホール
開 演  :午後6時30分(開場:午後6時00分)
討論者  :荻原 国啓(㈱ピースマインド代表取締役)
川内 潤 (㈱アイレップ シニアマーケティング事業部)
河野 理愛(NPO法人スポーツインキュベーションシステム代表)
佐藤 大典(ポインテリア代表)
野坂 英吾(㈱トレジャーファクトリー代表取締役社長)
牧 大介 (UFJ総合研究所/里山NPO)
丸 幸弘 ((有)リバネス代表取締役)
コメンテーター :藤沢 久美(シンクタンク・ソフィアバンク取締役/
社会起業家フォーラム副代表)
コーディネーター:淡輪 敬三(ワトソンワイアット㈱代表取締役社長)

主 催 :構想日本
共 催 :NPO法人 ETIC(エティック)
定 員 :160名
参加費 :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
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参加希望の方は、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
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参加ご希望の方は、誠に恐縮ですが10月28日までに出欠の是非を
お知らせ願います。
お問合せ:構想日本・西田(電話03-5275-5607)
*シンクネット・構想日本の会員は8月からフォーラム参加費は無料
になっています。申込が必要ですのでご注意ください。また、申込
の際は会員番号をお知らせ下さい。
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週刊JIメールニュース  発行:構想日本 発行責任者:加藤秀樹
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