【No.124】大停電を体験して
2003.11.28

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大停電を体験して
JIメールニュースNo.124  2003.11.28
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■■ 目次 ■■
1.《ニューヨークから》大停電を体験して
2.《第78回「J.I. フォーラム」のご案内》
3.《お知らせ》

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1.《ニューヨークから》大停電を体験して
8月14日、米国北東部からカナダにかけての一帯で起こった大規模停
電。ニューヨークでも地下鉄が止まり、道路の信号機が消え、人々の生活
は麻痺状態に陥りました。
今回は、そのニューヨークで大停電を経験した商社マンK氏(ニュー
ヨーク在住)の貴重な「レポート」をお送りします。

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ニューヨークに着任して丁度3ヶ月が経ち、生活にも慣れたところです
が、8月中旬のBlackout(大停電)には往生しました。木曜日の夕方4時
20分頃でしょうか、会社のオフィスでPCに向かいメールを10行程度打
ったところで突然PCの画面が消え、部屋の照明も切れたので初めは当オフ
ィスの電気がショートしたのかと思いましたが、その後ビル全体の電気が
ダウンしたとの放送があり、暫く回復を待つしかないと部屋で書類を読み
始めましたが、外に出たい人は階段を使うようにとのアナウンスに今日は
仕事にならないと思い、階段で降りて外に出ると何とそこらじゅうの店の
電気が全て消えているので初めて地域一体が停電したと分かりました。そ
れでもその時はマンハッタンの一部だけぐらいにしか思いませんでした。
しかし、会社(Madison Avenueに面している)からPark Avenueまで来る間
にあるレストランや店は全て閉店、店の電気も交差点の信号も消えていた
ので、これは明るいうちに自宅で食事を済ませないといかんと思い、自宅
に直行しました。
小生、49Streetの1stと2ndの間にあるアパートの5階に住んでいる
のですが、アパートに帰るとエレベーターが止まっているので階段で登ろ
うと階段のドア-を開けるとそこは闇の世界(外光が全く入ってこない作
りになっている)。やっと自分の部屋に辿り着き、暗くなる前に冷蔵庫に
保存してあった食物の中で早く駄目になりそうな物から食べることにしま
した。アイスクリーム、牛乳、・・・を飲み食いした後、ガスが使えるの
で卵を茹でておこうと思い、水道水を鍋に汲んでガスレンジの栓をひねっ
たところ点火しないのです。ガスレンジの点火が電気で行われるようにな
っていたのです。これは困ったなと思いましたが、どこかにレストランで
もらったマッチがあったことを思い出しそこらじゅうの引出しを片っ端か
ら開けてマッチをやっと探し出し、何とか火がつけられましたがマッチが
なかったらどうしようもなかったところです。
夕食を済ますとシャワーを浴び、翌日までには停電も解消しているであろ
うからとのんびり構えてベッドに横になりました。辺りが暗くなりかけて
いたので8時頃だったのでしょうか。TVも点かない、携帯ラジオもないの
で停電の状況が全く分からず、このときも未だ停電しているのはマンハッ
タンだけだろうとしか思っていませんでした。兎に角無事に一夜を過ごし
ました(冷房が動かないので窓を開けたままで寝ましたが、通りの車の音
や人の騒ぐ音がうるさく往生しました)。
翌日、洗面台にいって電気をつけようとしたが未だ点きません。仕方がな
いなと思いながら顔を洗おうと蛇口を捻ったら水が出ないではないですか。
昨夕は出ていた水がどうしてと一瞬疑問がわきましたが、停電で水が上げ
られないんだなと直ぐに分かりました。これはミネラルウォーターを買い
足しておかないと大変だと思い、靴を履いてドアを明けると廊下は真暗、
又、苦労して下までおり、近くのスーパーに行ったら閉まっている。パパ
ママストアーのグローサリー(小さな食料品店)が開いているというので、
其処へ行きミネラルウォーターを買い込んで、また真暗な階段を5階まで
上がりました。降りる時と違って重いミネラルウォーターを持って登った
ので大変でした。自分の部屋の前に辿り着き手探りでドアの鍵穴を探し鍵
を差し込もうとしたけれど上手く入らない。手探りでドアの表面を撫でて
みるとどうも自分の部屋のドアではなさそうなのです。階段まで戻っても
う一段上がったら10階という表示が薄く闇の中に見え、登り過ぎたこと
が分かり、一階までいったん降りて階段の段数を確認し、再度上って5階
と数えられたところで通路に出、自分の部屋の前に立って手探りでドアの
感じを探ると間違いなく自分の部屋のドアでありそうなので、鍵穴に鍵を
差して回すと今度は明かりがさっと差し込んできました。
グローサリーの買物ですが、普段ならクレジットカードでもOKなのですが、
この日は停電でクレジットカードが使えず、全て現金決済でした。クレジ
ットカード決済は完全にストップしたようです。又、現金自動引出機も動
かず現金が引き出せず、手元に現金のない人は大変困ったようです(マン
ハッタンでは店頭でのチェック支払いは受け取らないのが普通です)。
水が出ないので、困ったのはトイレです。最初はまだ水が残っていたので
流せましたが、2回目からは流せなくなりました。
電話で皆に連絡をしようと固定電話の受話器を取ると全く音がしていない
ので電話が不通ということが分かりました。それでは携帯電話でと思った
ら、これも通じない。テレビで停電の状況を聞くことも出来ず、携帯ラジ
オもなかったので、このまま部屋にいても陸の孤島に居る状態なので、電
気が点くまでニュージャージー(NJ)のスーパーにでも行こうと思い(スー
パーの近くにテニスコートがありレッスンもしているので、そこでテニス
が出来ればとの期待も持ちつつ)、市内でバスは動いていたのでNJのスー
パー行きのバスに乗るためにバスの中央ターミナル(Port Authority)ま
で行ったところターミナルは閉鎖。スーパー行きのバスも出ていないこと
が分かり、それではセントラルパーク辺りで過ごそうと決め、バスに乗っ
てセントラルパークに行き、夕方までそこで新聞・雑誌を読みながらのん
びり過ごしました。セントラルパーク内にテニスコートがあり、テニスの
用意もしていったのですが、テニスコート脇に公衆トイレがあり、これは
助かりました。因みに、このトイレは小便の後の水洗が電光を利用したも
のでなかったので水洗が出来ました。現在の男性小便用便器の水洗は電光
の自動水洗になっているところが多く、それは全て動かなかったようです。
出張で来ていた同僚の話では、宿泊したホテルの宿泊客も階段での上り下
りを余儀なくされ、部屋の鍵がカードで開けるタイプ(カードの読み取り
に電気を利用する)だったのでゲストのカードではドアが開けられず、ゲ
ストが外出先から戻ってくる度毎にホテルの受付の人がマスターカードで
部屋のドアを開けて回ったとのことです。
東京は電力不足が心配されていましたが、涼しい夏のせいもあってか停電
にはならないで済んでいるようですが、いざという時の備えを忘れずにし
てください。携帯ラジオ、懐中電灯(電池も)・ローソク、ミネラルウ
ォーター、水道水の保存(手を洗ったりする)、ウェットティシュー、マ
ッチ(ガスレンジは電気で点火するようになっているものが殆どです)、
冷凍・冷蔵が不要な保存食で電子レンジを使わずに調理出来るもの(お米
は炊飯出来れば最高ですね、即席ラーメン・レトルトカレーもお湯が沸か
せたので大いに助かりました)、それに現金(マンハッタンはチェックを
受けてくれない処が殆どなので、クレジットカードが使えない場合は(停
電ですから)、現金で払うしかありませんが、ATMも勿論動かないので現金
を手許に持っていないとどうしようもありません)です。
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2.《第78回「J.I. フォーラム」のご案内》
マニフェストを活かすには
– 政治家の「活動」と「カネ」をチェックする仕組みを考える-
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今回の総選挙では、マニフェストをきっかけに、政策で政党や政治家を
選ぶ方向に一歩踏み出しました。しかし、何よりも重要なことは、マニフ
ェストが実行されるかどうかです。それには、私たち有権者が政治家の活
動をチェックすることが不可欠です。
しかし現在は、そのチェックに必要な情報(政治家の活動状況やカネの
使いみち)が、私たちの手に行き渡る仕組みにはなっていません。政治家
の情報公開は、大変遅れています。今のままでは、マニフェストは単なる
ブームで終わってしまいます。
公職選挙法や政治資金規正法など現行制度の問題点を整理した上で、
国会議員の方々に、政治家の情報公開を進める仕組みについて議論してい
ただきます。
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日 時  :平成15年12月17日(水)
会 場   :銀座ソニービル8階 ソミドホール
開 演  :午後6時30分(開場:午後6時00分)
討論者  :衆/参国会議員複数
加藤 秀樹(構想日本 代表)
コーディネーター :丹治 幹雄(構想日本 政策委員)
主 催   :構想日本
定 員  :160名
参加費  :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
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参加希望の方は、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
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参加ご希望の方は、誠に恐縮ですが12月16日までに出欠の是非を
お知らせ願います。
お問合せ:構想日本・西田(電話03-5275-5607)

*シンクネット・構想日本の会員は8月からフォーラム参加費が無料
になっています。申込が必要ですのでご注意ください。また、申込
の際は会員番号をお知らせ下さい。
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3.《お知らせ》
◇「医療制度改革」についてラウンドテーブル・ディスカッションを開催
します。
『構想日本』代表の加藤秀樹が理事を務める「日本構想学会」(事務局
代表:半田智久・宮城大学事業構想学部教授)が、12月6日から、東京国
際フォーラムで2003年度大会を開催します。『構想日本』は、昨年に続き、
以下の通りラウンドテーブル・ディスカッションを企画・実施します(昨
年は、「三位一体改革」と「公益法人制度改革」の2テーマで実施。前者
では、田中康夫長野県知事、財務省職員、市町村職員などをお招きして討
論)。

●日時:12月7日(日)午後3時半~5時半
●場所:東京国際フォーラム・ガラス棟 G408
●テーマ:「医療制度改革の本質は何か?」
●企画・進行:長尾亜紀(構想日本政策スタッフ)
●話題提供者(敬称略、50 音順):
伊藤隼也(医療ジャーナリスト/ 医療情報研究所代表)
河北博文(医療法人財団 河北総合病院 理事長)
新藤宗幸(千葉大学法経学部 教授) ほか
多くの国民が、現行の医療制度に不安を抱いています(日本経済新聞社
の調査では、92%が「不安/やや不安」と回答)。その不安をなくすには、
効率性を含めた「医療の質」を高めることが不可欠です。現在、制度改革
の一環として、医療のIT 化や臨床研修の必修化などが進められていますが、
多様なニーズを持つ患者側の視点に立った議論が十分になされているとは
言えません。国民が納得、安心して医療サービスを受けられるようになる
には何が必要か?医療現場や医療政策にたずさわる方々など様々な立場か
ら、「医療制度改革の本質」について議論していただきます。
当日は、会場にお越しいただいたすべての方々が、ディスカッションに
参加可能です。是非、ご参加ください(非会員参加費:\2000 申込受付:
日本構想学会事務局  admin@jssi.jp 当日受付可能)。
詳細は、 http://www.jssi.jp/ をご覧下さい。
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