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【No.130】新たなコミュニティという文化興し

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新たなコミュニティという文化興し
JIメールニュースNo.130  2004.1.16
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■■ 目次 ■■
1.《新たなコミュニティという文化興し》
2.《第79回「J.I. フォーラム」のご案内》

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1.《新たなコミュニティという文化興し》
国立市長 上原 公子
●夜霧の生まれる街
夜霧の大学通りを歩く度に、国立の住民であることを幸せに思う。淡い
霧は、街灯や店のあかりを赤くにじませて、薄ぼんやりとさせるそのあか
りが、妙に暖かく見えるのだ。そうか、光はまるで昼間のような強く反射
する蛍光灯より、昔ながらの少しオレンジがかったあかりの方が心地よい
のか、と新たな発見。なぜか霧ににじむオレンジのあかりは、人恋しさを
誘う。
そういえば、東京ではなかなか霧が発生しなくなった。これは、都会の
ヒートアイランド化現象の影響に違いない。都市化で被覆率が高まってい
ることに加え、地面の下には、様々なものが埋設されている。都心の地下
は、アリの巣顔負けの、さながら大迷路。地下の空洞化は、地下水の受け
皿を極端に小さくしてしまった。それに加え、高木は少なくなり、落ち葉
の手入れに手間隙のかからない、見栄えのよい中低木に切り替えられてい
る。霧を発生させる装置のなくなった東京は、どこかの砂漠と同じくらい
乾燥していると聞いたことがある。
夜霧が消えた街から、霧の歌も消えた。夜霧に身を委ねながら歩く、恋
人たちが一層ロマンティックであることを知る人も少なくなった。霧が発
生しなくなった街からは、霧がもたらす文化も消えてしまった。
●「桜守」の育てたやさしさの文化
夜霧に包まれる国立市の大学通りは、幅9mの緑地帯があり、桜と銀杏が
交互に植えられた並木が1.2km続いている。その周りを取り囲む大小の
木々が、多層に折り重なり、四季を堪能させてくれる。ゆったりとした時
間の流れを楽しめるこの空間が、なぜか若者にも人気があるらしく、若者
が住んでみたい街ベスト100中、常に、上位にランキングされている。
先人のまち興しで植えられた桜も70歳になり、高齢期を迎えた。養生し
ながら長生きをしてもらうため、4年前に、樹木医研修を行い、市民ボラン
ティアの「桜守」制度を立ち上げた会員は年々増え200人程に膨らんでいる。
桜の咲く時期に合わせ、養生中の桜の根元に「ムラサキハナナ」(紫ダイ
コン)が植えられ、桜の根を踏みつけないやさしい気配りがしてある。4月、
薄ピンクに街が染まる時、紫の花は、新たな市民の協働の象徴として一層
の輝きを添えている。また、ムラサキハナナは種を子どもが摘み取り、来
年への贈物となる。役割を終えたその花は肥料となって土に戻される。緑
の循環の実践の場所にもなっている。
桜守に対する補助金は、3年間の約束にした。4年目桜守達は、自分たち
で、民間の助成金を獲得してきた。自立し始めた桜守は、次々に新しいア
イディアを出し、街に小さな文化をつくっている。桜守の皆を和ませる協
働作業に刺激され、今度は商業協同組合が動き出した。廃棄処分予定のチ
ューリップの球根を調達し、駅前のロータリーに植えてくれた。今年は、
大学通りの緑地帯に植えたいという。幼稚園や市民にも手伝ってもらって、
ゆくゆくは、1.2kmの緑地帯を花でうめ尽くしたいと、夢が広がっている。
これまで、行政が管理を一手に引き受けていたときは、苦情ばかりだっ
た。市民にお任せした途端に、そこは手作りのステージに様変わり、新た
なコミュニティの場として、街に思いやりという活力を生み出させている。
行政は小難しく考えることはない。ホッとするとか、楽しいとか、居心
地よいという感性を引き出す工夫さえすれば良い。後は、市民が知恵を持
っている。
夜霧の生まれる街は、やさしさという文化が育つ街である。
<加藤秀樹から一言>
桜並木、さらには霧までもが、その町に住む人々の行いと深く関わってい
る。「まちづくりは行政の仕事だ」と思うと、住民も要求するばかりにな
る。ところが、自分たちで何とかしようとなると工夫、面白さ、責任感な
どがいっしょになって出てくる。これまで「公共的なこと=他人事」と思
っていたのが、「自分の事」になるのだ。町の景色を通して、私たちの暮
らし・町から公共サービスのあり方まで考えさせられました。

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2.《第79回「JIフォーラム」のご案内》
開発援助を通して考えた「人間の幸福」
- 何が先進国・何が開発途上国?-
日本をはじめいわゆる「先進国」は、「途上国」に毎年莫大な金額の開
発援助を行っています。その結果、インフラの整備、医療水準の向上ある
いは、経済成長など一定の「成果」は上がっています。一方で、為政者の
モラル低下、部族間紛争、環境問題など弊害も目立っています。これまで
の開発援助が本当に住民たちに幸せをもたらしたのでしょうか?
ケニアでの20数年の経験をふまえた岸田氏の話を中心に、援助のあり
方、ひいては私たち自身の生き方、そして本当の人間の幸せとは何かにつ
いて考えましょう。
日 時  :平成16年1月27日(火)
会 場   :銀座ソニービル8階 ソミドホール
開 演  :午後6時30分(開場:午後6時00分)
討論者  :岸田 袈裟(食物・栄養研究家・NGO「少年ケニアの友」
副会長)
五月女 光弘(外務省 特命全権大使(NGO担当))
重田 真義(京都大学大学院助教授)
コーディネーター :蟹瀬 誠一(ジャーナリスト)
主 催   :構想日本
定 員  :160名
参加費  :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
☆参加ご希望の方は1月26日まで下記にご記入の上、ファックスにてお申し
込み下さい。
返信宛先 構想日本FAX:03-5275-5605
お問い合せ 構想日本・西田 TEL:03-5275-5665

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*「読者の声」の掲載についてお知らせ
読者のみなさん、JIメールニュースに対したくさんのご意見をお寄せ頂
きありがとうございます。回を重ねるごとに、みなさんから頂くご意見が
増えています。そこで既にご案内の通り、今後、過去に頂いた分も含め、
ホームページ上のバックナンバーの「読者の声」でご覧頂くことにします。
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また、氏名、肩書きは、特にことわり書きがなければそのまま掲載します。
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