メールマガジン

【No.132】構想日本が忘れてはいけない「現場」から

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構想日本が忘れてはいけない「現場」から
JIメールニュースNo.132  2004.1.30
窓口はこちら! info@kosonippon.org
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■■ 目次 ■■
1.《構想日本が忘れてはいけない「現場」から》
2.《お知らせ》
3.《第80回「J.I. フォーラム」のご案内》

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1.《構想日本が忘れてはいけない「現場」から》
― 地域の学習支援ネットワーク作りのはじめの一歩 ―
NPO法人 子育て環境支援センター 主任研究員
元構想日本 政策スタッフ
山谷 真名
●「基礎に降りていく学び」の必要性
学力低下論が広がって、まだ、始めてから2年しかたっていない「総合
的な学習の時間」がやり玉にあがっています。確かに、これが遊びの時間
と化してしまっている学校もあるようです。
しかし、東京大学教育学研究科教授 市川伸一氏が『学ぶ意欲の心理
学』(PHP新書、2001年)で「学校の教科でも、「基礎から積み上げる
学び」と「基礎に降りていく学び」ということのバランスが、これまでち
ょっと悪すぎたのではないか」と書いていらっしゃるように、「基礎か
ら積み上げる学び」だけでは、学ぶ意欲は出ません。「総合的な学習の
時間」は、「基礎に降りていく学び」をする時間としてしっかり位置づ
けられる必要があるということを忘れてはいけないと思います。
「基礎に降りていく学び」を作っていくために提案したのが、構想日本
の「地域の学習支援ネットワーク作り」の提案です。
( http://www.kosonippon.org/prj/edu/ を参照してください。)

●学びば作り
私は、構想日本のスタッフとして、教育プロジェクトのメンバーとこ
の提案を作り、さまざまな事例を紹介する仕事をしていた時に、現場か
ら教育を変えようとしていらっしゃる多くのすばらしい方々にお会いし
て、「私も自分が住んでいる地域で、何か一歩を踏み出していきたい」
と思っていました。ちょうどそんな時に、私が仲間3人と手作りで発行
している「投稿誌」での意見交換をきっかけに、賛同者を募り、「あさ
か学びば支援ネット」を立ち上げました。

ホームページでご紹介しているような成功事例ではなく、どの地域でも
始められる、一歩一歩ゆっくり歩んでいる事例を紹介したいと思います。
私が住んでいる埼玉県朝霞市は「たまちゃん」で有名になったので、
ご存じの方も多いかと思いますが、埼玉県の東京寄りにある人口約12
万人の市です。少子化と言われている中、平成13年度には、小学校が
一つ新設された、という珍しい地域です。
「あさか学びば支援ネット」の趣旨は、「子どもを真ん中に教育環境を
考え、支援し、学びのばを創る」です。JIメールニュースNo.101、2003.6.
20号( http://www.kosonippon.org/mailnews/log.html?no=109 )
で、清水 義晴氏が、「学校が悪い、家庭が悪い、地域が悪いと犯人探
しをするよりも、共に学ぶ場づくりから始めたい。」と書いていらっし
ゃいましたが、私たち「あさか学びば支援ネット」もそんな思いで活動
しています。
会のメンバーは子どもを持つ母親です。教育について専門的な知識を
持っているわけではありません。そこで、まず、自分たちが学び、学ん
だことを実践につなげていく、という方法を取ることにしました。
例えば、昨年は、小学2年生の国語の教科書に出ている「スーホの白
い馬」を題材として、「お話しの舞台であるモンゴルを学び、馬頭琴を
弾いてみよう!」という親子学習会を公民館で開催し、メンバーの親子
を含め、計100名が参加しました。講師は、モンゴルに魅せられた地
域の方です。その後、学習会の内容・様子を市内の小学校の2年生の先
生方にご紹介し、4つの小学校で実施しました。当日は、メンバーも参
加し、資料を掲示するお手伝いや子どもたちがモンゴルの民族衣装を着
たり、民芸品をさわったりする時のお手伝いをしました。
また、今年は、朝霞市の重要文化財である「旧高橋家住宅」で、親子学
習会をしました。「旧高橋家住宅」を管理・整備していらっしゃる生涯学
習課文化財係の方々や「環境わごん」(自動車メーカーのHondaとNPO等の
パートナーシップの下で環境教育を行っている団体
http://www.honda.co.jp/philanthropy/green/wagon/wagon.html )
の方々の協力の下、昔の人々の生活を思い描きながら、丸太を切ったり、
敷地で取った木々や実を使って、工作を楽しみました。工作の後には、
柿やみかんもぎなど秋の自然体験をしました。この企画では、いろいろ
な人をつなぐことによって、より豊かな学びの場を創り出すことができ
ることを実感しました。
今月21日には、杉並区の学校教育コーディネーターであり、NPO
法人スクール・アドバイス・ネットワーク代表の生重幸恵氏(構想日本
教育ホームページに掲載 http://www.kosonippon.org/prj/edu/ )に講
師としていらしていただきました。学習メニューを広げると共に、各地の
実践例も学んで、パワーをもらっています。
ここまでお読みになって、どうでしょうか。こういうことだったら、自
分の地域でもできそうだな、ってお思いになったのではないでしょうか。
もちろん課題もたくさんあります。「上記は、ほんの一部をご紹介した
だけですので、私たちのホームページを見て下さい」と言いたいところで
すが、まだ、そういう余裕がない状態です。メンバーも母親ばかりで、父
親にも参加してほしいと思っています。また、今は、全く無償のボランテ
ィアですが、継続していくためには、今後、NPO法人化し、自立した事
業を行う必要もあるのではないかと思っています。
「子どもたちに学びの楽しさを知ってほしい」と思い活動しながら、母
親としては、「早く宿題やってしまいなさい!」と声を張り上げ、日々
反省しているダメママです。先日、杉並区の民間人校長藤原和博さんが
NHK教育テレビで「校長としては、生徒が多様である存在であること
を認められるのに、自分の子どもはなかなか認められない。」とおっし
ゃるのを聞いて、ちょっとほっとしました。
<ひとこと>
山谷さんは構想日本で教育プロジェクトを担当していました。その経験が、
こうして「現場」で生きているのは大変うれしいことです。同様に、「現
場」の知恵や障害を政策に生かしていくことも大変重要です。このフィー
ドバックのプロセスに読者のみなさんに大いに加わって頂きたいと思って
います。
(加藤)
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2.《お知らせ》
ジャーナリストの櫻井よしこさんが道路公団改革の政府案の決定プロセス
における関係者の動きを、克明にレポートしています。政府委員である猪
瀬氏が自らのペンで「報告」することによって新しい「事実」が創り出さ
れるおそれ。それをほとんど指摘してこなかったTV、新聞、雑誌。
わが国のジャーナリズムのあり方に対する重大な問題提起です。
是非、ご覧下さい。
●「新潮45」2月号(新潮社)
「猪瀬直樹の仮面を剥ぐ」 櫻井よしこ
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3.《第80回「JIフォーラム」のご案内》
保育所は「雇用」「女性」だけの問題か?
~“乳幼児教育”が日本の将来を致命的に左右する !!~
子どもの成長、教育の視点から「保育所」を考えたことがありますか?
それは、乳幼児が人として生涯の土台をつくる最初の社会、教育の原点で
す。これまで保育所は、縦割り行政のせいで雇用の面からしか語られてき
ませんでした。教育の視点がすっぽりと抜け落ちていてもよいのでしょう
か? 日本の将来に重大な事態を招くことにならないでしょうか? 第一
部・二部を通して徹底的に討論します。
★ 第一部 【16:00~18:00】 施設の民営化、幼保一元化など“量”を
確保するだけの施策をうけて、保育・育児現場 が抱える問題を、生々
しく語ります。
★ 第二部 【18:30~20:30】 乳幼児の“育ち”を軸とした改革なしに
社会の繁栄はありえません。“雇用”中心の次世代育成施策ではなく、
企業が何をなし得るかを含め議論します。
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日時: 平成15年 2 月25日(水)
会場: 銀座ソニービル8階 ソミドホール
開演: <第1部> 16:00 ~ 18:00 (15:00開場)
司 会:小西行郎 (東京女子医科大学教授)
討論者:大日向雅美(恵泉女学園大学教授)
遠山洋一 (バオバブ保育園小さな家園長)
新澤拓治 (江東区子ども家庭支援センターみずべ地域
ネットワーク主任)
普光院亜紀 (保育園を考える親の会代表)
<第2部> 18:30 ~ 20:30
司 会:小泉英明 (株式会社日立製作所基礎研究所技師長)
討論者:本田和子 (お茶の水女子大学学長)
吉岡てつを(厚生労働省少子化対策室長)
汐見稔幸 (東京大学大学院教授)
山極清子 (株式会社資生堂経営改革室次長)

主催:構想日本  定員:160名(先着)
企画:七海 陽・小西行郎・汐見稔幸
参加費:2,000円(シンクネット構想日本会員は無料です)
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参加希望の方は、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
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参加ご希望の方は、誠に恐縮ですが2月24日までに出欠の是非を
お知らせ願います。
お問合せ:構想日本・西田(電話03-5275-5607)
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