【No.141】まちは生涯学習の教室です
2004.04.02

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まちは生涯学習の教室です
JIメールニュースNo.141  2004.4.2
窓口はこちら! info@kosonippon.org
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■■ 目次 ■■
1.《首長リレー4》まちは生涯学習の教室です
2.《お知らせ》
3.《J.I. Action Summary》
4.《第82回「J.I. フォーラム」のご案内》

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1.《首長リレー4》まちは生涯学習の教室です
犬山市長 石田 芳弘
● 市長までの道のり
私は犬山で生まれ、犬山で育ちました。大学を卒業すると同時に家業の
酒店を継ぎ、地域の人に育てられた典型的なローカル人生です。
大学を受験する時、将来は教員になりたいと強い願望を持ちましたが受
験に失敗し、止むなく別の道を選択しました。大学時代不得手である人の
前で話すトレーニングをと思い入部した「弁論部」が、政治という職業を
生きるきっかけになりました。弁論大会に出たり、時に選挙を手伝ううち
に、「自分の生まれたまちへの郷土愛を表現する一番の仕事は市長になる
ことではないのか」という気持が芽生えて来ました。
大学を卒業し、一旦家業を継いだものの鬱勃たる気持でいた時、犬山市
長選挙の手伝いを頼まれ、そこで出合った衆議院議員にお誘いを受け、そ
の方の秘書となりました。苦節十年、国政の裏舞台で雑巾がけを経験して
37才の春、犬山市から愛知県議会議員に挑戦、現職を破って当選を果た
しました。県議という仕事も多忙でしたが議員の役割や県政の機能を十分
に勉強することができました。
愛知県議を3期12年務め49才の時、現職と勝負をして犬山市長にな
りました。二十代の頃抱いた望みの職業に22年間かかって到達したとい
う思いでした。
●生きるということ
さて、市長就任直後姉妹都市のあるドイツを訪問し、ドイツ語で市長の
ことを「ベルガーマイスター」直訳すると「市民の先生」と言うことを知
りました。大学受験で挫折した教職への夢と市長職の仕事とがピッタリ重
なり、「俺の仕事は市民の先生だ」と思い立ちました。
人が生きるということは何のためでしょう。
いろいろ解釈はありますが、私は学ぶためだという答えを持ちます。わ
れわれは学ぶために生き、生きるために学ぶのだ、と。
ここから生涯学び、生涯成長し続ける「生涯学習」の発想が出てきます。
●まち(※)とは何か
ところで私は市長という仕事に日夜没頭しながら、まちというものは一
体何なのか、ということも考え抜きます。
まちは、そこに住む人、訪れる人の人生に必ず何かを学ばせ、成長させ
る遺伝子が内蔵しているものなのです。自分の関心と意識によってまちの
中には無尽蔵に学習と感動のヒントが敷き詰められているものなのです。
私は「都会は人がつくり、田舎は神が作った」という言葉が大好きです
が、人の多いまちは人間の偉大さに感心させられ、人が少ないまちは、そ
れ以上に自然の偉大さに感動させられます。
一つのまちをよくよく観察するとそのまちの持つ自然環境、歴史遺産、
それに加えて先人達の創意工夫を知ることにより、まさに「生きた百科事
典」「全市博物館」となり無限に広がる知性のイマジネーションを厭きる
ことなく楽しむことができます。
●市民の先生として
私は今、犬山市の行政サービスの中で、小・中学校の教育に意識的に力
を入れていますが、子供の教育の岩盤は市民の生涯学習にあります。市民
の皆さんが学ぶよろこびを知り、生きるよろこびをこのまちから得る時、
子供達は放っておいても生きる力、すなわち真の学力がついてくることで
しょう。
市長の仕事は市民の先生、生涯学習のまちづくりの先頭に立つことだと
信じています。
※「まち」をあえてひらがなで書くのは、市町村という規模に関係なく又
ハード、ソフトをひっくるめた一つの自治体を総合的に表現したいためで
す。
<筆者のプロフィール>
1945年生愛知県犬山市まれ。1969年同志社大学商学部卒業後、
衆議院議員秘書、愛知県議会議員(3期12年)を経て、1995年に
犬山市長に就任。現在3期目。
現在、愛知県治水砂防協会会長、愛知県観光地市町村連絡協議会会長、
文部科学省中央教育審議会臨時委員(幼児教育部会)、愛知県自転車競
技連盟会長、提言・実践首長会会長なども務める。
著書に「君も市長になれ(犬山市長・石田芳弘の3000日)」、「蘇った
カラクリ人形」がある。
犬山市ホームページ: http://www.city.inuyama.aichi.jp/inuyama/
◆ひとこと
日本の市町村は今、動乱の中にいる。とりわけ、霞ヶ関主導の合併は、
石田さんが訪れたドイツをはじめ、ヨーロッパの各国では数百人から数百
万人までの様々な個性を持ったまちがしっかり生きているのを見ると、ど
うしても、国全体として健全なこととは思えない。十分考えずにこんな画
一化を進めていけば、日本には人間の偉大さを考えさえる大都会も、自然
の偉大さを感じさせる田舎まちもなくなってしまう。石田さんには「市民
の先生」として世界に誇れるまちづくりを期待している。
(加藤 秀樹)
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2.《お知らせ》
●「新潮45」4月号(新潮社)
「猪瀬直樹の言論弾圧」櫻井よしこ

2、3月号で道路公団改革の政府案の決定プロセスを克明にレポートし
たジャーナリストの櫻井よしこさんが、引き続き猪瀬氏のジャーナリスト
としての姿勢を様々な角度から批判しています。
一方、猪瀬氏は同号で櫻井氏の記事に対し再び反論し自説の正当性を繰
り返し主張しています。言論人のあり方について、また、櫻井氏が指摘し
ているような問題があることを知りながら報道しない日本のジャーナリズ
ムの問題について、大いに考えさせられる記事です。
ぜひ、ご覧下さい。
●構想日本ではこのほど、インターネットによる募金システム
「募金やドットコム」 http://www.bokinya.com/ に加盟しました。
ヘッダーにある【団体名で募金さがし】をクッリクし、カ行の欄で
構想日本をご覧下さい。
ご自身はもとよりお知り合いの方々にもお声をかけて頂き、
ご協力をよろしくお願 い申し上げます。
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3.《J.I. Action Summary》
■構想日本の3月の主な活動状況■
(1)年金制度改革
●「根本的な制度の見直し」を実現するための「共同アピール」発表
・「年金の空洞化」、「世代間/世代内の不公平感」などの問題について平
成17年中に検討することを、法案の「附則」として盛り込むことをアピー
ル(3月末時点のご賛同者:国会議員、学者、研究者、経済界トップなど
約30名)。今後、署名拡大のキャンペーンを展開。
(2)国と地方
●「地域の活性化」につながる改革の実現に向けたキャンペーン
・3/7:朝日新聞(香川版)に、『合併以前に地域の自律を-リストラの
発想ではなく持ち味を生かせ-』を寄稿
・3/27:「三位一体改革推進列島縦断シンポジウム」in GIFU に参加。
全国知事会会長、全国市長会会長などとともに、改革の評価や今後の進め
方について議論。
詳細は、http://www.pref.gifu.jp/gib/3_news/0403/3f05.htm
(3)公教育制度改革
●公立義務教育の制度改革に関する提言を作成中(5月公表予定)
・「現場(学校、地域、市町村など)」が主体の、多様な教育を行えるよ
うな仕組みづくり
(4)国会議員アンケート
●第12回アンケート実施中-「参議院選挙に向け有権者にお答え下さ
い」
・選挙期間中の「公開討論会」開催の自由化:75%が賛成
・選挙期間中の「インターネット」の自由化:94%が賛成
・政治資金収支報告書のインターネット上の掲載の義務化:82%が賛成、
など。
詳細は、 http://db.kosonippon.org
上記のほか、「特殊法人改革-道路公団」、「医療制度改革」などの政策
プロジェクトが進行中。
詳しくは、 https://www.kosonippon.org/wp-manager まで。

(文責:政策担当ディレクター 冨永朋義)
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4 .《第82回「JIフォーラム」のご案内》
市町村にとって合併よりも大事なことは?
-市町村長のカンカンガクガク-
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市町村合併を進める特例法の「恩恵」の期限が1年後(‘05年3月)に
迫り、全国の市町村は合併の嵐のまっただ中です。市町村は、住民の暮ら
しと直接関わっています。目の前のニンジンやムードに流されるのではな
く、合併の如何を問わず自律できる市町村をつくるために、先進的な首長
たちは何に苦心しているのでしょうか。合併による自治体の活かし方を語
る山岡町長、臼杵市長そして、合併せずに独自でがんばろうとする矢祭町
長、津南町長、樋川町長をお迎えし、熱い議論をして戴きます。
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日 時  :平成16年4月28日(水)
会 場   :銀座ソニービル8階 ソミドホール
開 演  :午後6時30分(開場:午後6時00分)
討論者  :根本 良一 (福島県矢祭町長)
小林 三喜男(新潟県津南町長)
山内 章裕 (岐阜県山岡町長)
本田 恭一 (島根県斐川町長)
後藤 国利 (大分県臼杵市長)
コーディネーター :ご依頼中
主 催   :構想日本
定 員  :160名
参加費  :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
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参加希望の方は、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
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参加ご希望の方は、誠に恐縮ですが4月27日までに出欠の是非を
お知らせ願います。
お問合せ:構想日本・西田(電話03-5275-5607)

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