【No.221】列島改造論平成版
2005.10.12

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JIメールニュースNo.221  2005.10.21発行
列島改造論平成版

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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【列島改造論平成版】
2.【第100回「J.I. フォーラム」のご案内】
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1.【列島改造論平成版】
構想日本政策スタッフ 大内隆美
解散総選挙を経て郵政民営化はあっさりと決着した。民意が判明した以上
は主義主張も改めるというなら、政治家をなくして全て国民投票にしたらど
うかとの揶揄も聞こえるが、そもそも国民がどれほど郵政民営化を理解して
いるかは不明である。選挙前後のインタビューからは郵政民営化自体がどう
こうというより「小泉さんなら世の中を変えてくれそうだし、その小泉さん
が押すなら民営化も賛成」といったトーンが数多く感じられた。
大規模な民営化の流れを遡れば国鉄民営化に辿り着くが、当時のローカル
線の非情な切り捨てから直近のJR西日本の事故を経てもなお民営化は美風
として肯定的な評価が定着した感がある。逆に言えば民営化自体が目的とな
って、そもそも民営化を要した問題については民営化後は不問に付される傾
向さえ窺える。例えば、先に民営会社として発足した旧道路公団についても
話の発端には高速道路の建設の是非論があった筈だが、民営化したことで全
てが一件落着したような観もあり、今でも”狸しか通らない”道路の存在は既
に忘れ去られているのではないだろうか。
小泉マジックで世間は「民営化すればすべてがよくなる」式のイリュージ
ョンに酔っているのかもしれないが、形だけ民営化したところでそれ以前の
負の遺産は確実に残っている。これを解消する能力が「民営化」の中にある
のか。狸しか通らない道路は当然ながら狸を通すために造った訳ではない。
その見通しが甘かったとか当時とは大きく事情が変わったということはある
にしても、狸を走らせて事足れりとはいかない以上、造ったモノを高度に活
用する環境も整えなければ問題は解決しない。

こうした事例の大半は現在の経済では採算性の低い地域に偏在しており、
民営化によって解決される期待は薄い。企業のリストラ同様、過去の問題の
解消という話しになると大てい縮小均衡的になるが、造った「箱モノ」は徹
底して使う(当初予定した使い道以外も含め)事を考える必要がある。かつ
て地方の活性化を目指した列島改造論があった。それ自体は乱開発や地価の
高騰を招き、今となっては「あつものに懲りてなますを吹く」といった扱い
を受けてはいるが、負の遺産を整理するには縮小均衡的な民営化だけでなく、
過去の失敗を教訓とした拡大均衡的な列島改造ビジョンの視点も必要ではな
いだろうか。
今や産業は海外に流出する時代で地方への産業の拡散がうまくいく筈がな
い・・と言った「日本を諦める」式の発想ではなく、我々が持っている技術
と知恵を総動員すれば、まだ打つ手は見つかる筈である。
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2.【第100回「J.I. フォーラム」のご案内】
100回記念 464人のゲストと一緒に
日本を構想しよう
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「JIフォーラム」が100回目を迎えます。これまでのゲスト総数は、
464人。学者、ジャーナリスト、市町村長、国会議員、作家、職人、お百
姓、僧侶、宿のおかみ、シェフ、スポーツ監督、サラリーマンと実に様々で
すが、そのご発言はみなさん、大変含蓄のあるものでした。100回記念の
今回は、これらの方全員に「日本に残すべきもの、捨てた方がいいもの、こ
れまで一番幸せだと感じた時」などを伺っています。
職業、年齢、著名・無名のいかんを問わず、中身の濃い方たちですから、
きっと私たちの生き方、世の中のあり方を考える上で、多くのヒントが含ま
れていると思います。
それを材料に、今回のゲストと一緒に会場全員で日本を考えようという趣
向です。
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日 時 : 平成17年10月28日(金)
会 場 : 日本財団2F・大会議室(※今回は場所が変わります)
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
開 演 : 午後6時30分(午後6時00分開場)
ゲスト : 櫻井 よしこ(ジャーナリスト)
辻井 喬(詩人・作家)
長谷川 眞理子(生物学者)
平田 オリザ(劇作家・演出家)
三神 万里子(ジャーナリスト・キャスター)
渡邉 美樹(ワタミ社長)ほか
コーディネーター: 加藤秀樹(構想日本代表)
主 催 : 構想日本
定 員 :160名(先着順)
フォーラム参加費 :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   :4,000円程度
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
( http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/ )
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参加ご希望の方は、10月27日までに出欠の是非を、下記のメールアドレ
スにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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