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【No.227】基礎年金の「一元化」が改革の大前提

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JIメールニュースNo.227  2005.12.2発行
基礎年金の「一元化」が改革の大前提

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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【基礎年金の「一元化」が改革の大前提】
2.【J.I. Action Summary】
3.【お知らせ】
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1.【基礎年金の「一元化」が改革の大前提】

年金評論家 松永 誠一
年金改革を巡っては一元化が焦点になっている。改革の第一歩として厚生
年金と共済年金の統合が議論されているが、それで問題は解決されるだろう
か。
わが国の公的年金は、1階の国民年金、2階の厚生年金や共済年金の2階
建制度と言われている。しかし、実態は国年・厚年・共済の各制度が分立し
ている。これを理解しない限り、問題を見誤ってしまう。厚生年金の給付は、
もともと定額部分に報酬比例部分を合わせたものであった。1985年の改正に
より導入された基礎年金とは、この厚年の定額部分を定額給付であった国年
と同額とし、この定額部分の財源を各年金制度で賄う、すなわち実質的には
厚年等で支える(財政調整する)仕組みであった。それは、国年の財政破綻
を回避するためであった。
第一の問題は、国年・厚年等が負担方法や配偶者の取扱い等で全く異なる
制度にもかかわらず、定額部分だけを財政調整する結果、矛盾が生じている
ことだ。国年の空洞化が進むと、その負担は厚年等の被保険者に転嫁される。
我が国の基礎年金は諸外国とは異なるバーチャルな制度だ。
第二に、基礎年金は社会保険方式と税方式を混合した曖昧な制度である。
基礎年金の第1号被保険者は定額負担、第2号は不明(2階部分と併せて定
率)、第3号はゼロ(見かけ上)であり、負担額さえ明確でないのが、我が
国の「保険」だ。また、第1号の定額負担は、著しい逆進性があり、1億円
の年収のある人でも、300万円の人でも同じ負担である。これで、負担能力
に応じて国民皆で支える制度といえるだろうか。
要するに、我が国の基礎年金は基本的な理念が不明確なのだ。保険なのか、
セーフティネットなのかはっきりしない。問題解決の第一歩は、基礎年金の
あり方を改めて問い直すことである。どのような年金制度をめざすのかを検
討せずに、財源論を繰り返しても答えはでない。財源のあり方は、制度の理
念によって決まるからである。社会保険方式を維持するならば、支払った保
険料の多寡と給付額がリンクする(拠出原則)仕組みとすべきであり、一般
財源は別の使い方を考えるべきである。他方、国民皆年金を目指すならば、
その財源は論理的に税とならざるを得ない。現状の仕組みを維持したままで
は、基礎年金の国庫負担を1/2に引き上げても問題の解決にならない。保険
料だろうが、税だろうが、国民の財布は1つである。
結論を言えば、基礎年金はセーフティネットとして位置づけるべきである。
この場合、財源は税となるが、高所得の年金受給者についは、課税を強化す
べきである。なお、諸外国でも、基礎年金はそれだけで老後を保障するもの
ではなく、一定の自助努力を求めている。こうした基礎年金の一元化こそが
改革の出発点である。

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2.【J.I. Action Summary】
■構想日本の11月の主な活動状況■

1.国と地方(行財政改革)
○国の「事業仕分け」
・11/24:「与党財政改革・事業仕分けに関するプロジェクトチーム」で、
「事業仕分け」について説明、等。
○自治体の「事業仕分け」
・第14弾:千葉県(11/10-11)
(作業概要) http://www.kosonippon.org/doc/?no=236
(関連記事) http://www.kosonippon.org/news/index.html
・第15弾:滋賀県高島市(11/24-25、合併自治体初の作業)
(作業概要) http://www.kosonippon.org/doc/?no=239
○地方交付税制度改革
・日経「経済教室」(11/1):歳入改革で地方に自律性-消費税を地
方に、交付税制度は抜本改革
http://www.kosonippon.org/news/pdf/051101nikkei.pdf
・「国と地方の税制を考える会」第11回会合(11/9)
http://www.kosonippon.org/prj/c/?no=05

2.公開討論会
○大阪市長選挙の公開討論会(大阪JC主催)をコーディネート(11/12)

3.教育行政改革
○教科書検定制度の問題点について調査中

(文責:政策担当ディレクター 冨永朋義)
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3.【お知らせ】
●「J.I. フォーラム」の出版に関するイベントのご案内
本書の趣旨に共鳴した都内書店のご協力を得て、以下の通り出版記念特別講
演会を開催いたします。
ぜひ、本書をお買い求めいただき、本書に登場する講師陣によるプレミアム
講演をご聴講いただきたく、ご案内申し上げます。
・ 日時 2005年12月21日(水)18:00開場、18:30開演
会場 明治大学ホール
講師 田中康夫氏、蟹瀬誠一氏
講演テーマ「今、日本には構想が必要だ!」(仮題)
・ 日時 2005年12月22日(木)18:00開場、18:30開演
会場 八重洲ブックセンター本店 8階特設会場
講師 山折哲雄氏
講演テーマ「日本人と信仰・入門編」(仮題)
※イベント参加のお申し込みは水曜社販売部(tel03-3351-8768)へどうぞ。
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