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【No.236】首長リレーエッセー(10) 本質を貫いた改革を

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JIメールニュースNo.236  2006.2.10発行
首長リレーエッセー(10) 本質を貫いた改革を

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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【首長リレーエッセー(10) 本質を貫いた改革を】
2.【第103回「J.I. フォーラム」のご案内】
*みなさんのご意見をお待ちしています(800字以内でお願いします)。
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頂いたご意見などは、バックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲
載しています。 http://www.kosonippon.org/mailnews/log.html
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1.【首長リレーエッセー(10) 本質を貫いた改革を】
埼玉県草加市長 木下 博信
ジョージ・オーウェルが著した「1984年」という小説に、二重思考と
いう言葉が出てきます。二重思考とは、相反する二つのことを、どちらも正
しいものとして、矛盾を感じずに受け入れ、理解している状態を指します。
絶対的権力による完全な管理社会を描いたこの小説の中では、国民が二重思
考として「国家の改竄する作られた歴史を作られたものであると認識し、同
時にその作られた歴史が真実であると認識すること。」、「論理的に成立し
ていないと認識し、同時にその成立していない論理を信ずること。」等を当
たり前に受け入れている(受け入れるよう求める)社会が描かれています。
この小説を読んだ高校生の頃、「絶対的な権力の存在する社会でも、人間
に二重思考は行えないはずだ。」と、考えていました。相反することを素直
に受け入れ、何の疑問も感じないなどと言うことは、どのようにしても不可
能だと考えたからです。
そう考えていた高校時代から二十数年がたち、現在、市長として仕事をさ
せていただいています。そして、不可能なはずの二重思考が、社会のそここ
こに存在しているように感じています。
総論賛成、各論反対という現象。これは、紛れもない二重思考ではないで
しょうか。今取り組んでいかなければ、全体の進展がないことを正しく認識
しながら、自分の周囲における現状での利害を重視して、具体的実施案に反
対をする。反対をして総論の実現が出来なくなれば、身の回りの利も無くな
ってしまうはずです。相反する思考が、同時に正論として成り立っていると
考えられます。
その他にも、財政健全化への取り組みを訴えながら、自己地域への投資の
拡大を求め続けること。市民の意見を尊重する行政運営を訴えながら、市町
村合併については、市長の決断でノーと言えと求める政党。市民のために仕
事をするのが使命であると主張しながら、事業費よりも人件費の拡充を求め
る職員。枚挙にいとまがないほど二重思考にあふれています。あり得ないと
考えていた二重思考が、現実の世界に存在しています。
「人間というのは、そんなもんだ。」という声も聞きます。全て合理的
に考え、行動できるわけではなく、わかっていても個人的事情を優先してし
まうのが人間であり、全体の未来を考えての行動より、現在の身の回りの利
害を優先させてしまう弱さをもつのが人間なのかもしれません。
しかし、未来を予想し、考えることが出来るのが人間です。「チンパン
ジーが見通せるのは2時間先までである。」という話を聞いたことがありま
す。もしそうだとすると、人類が発展してきたのは、未来を考える能力が存
在するからではないでしょうか。そして、その能力が存在するだけでなく、
その思考に基づいて望ましい行動をとり続けてきた結果ではないでしょうか。
三位一体の改革(地方財政自律改革)も、国と地方の対立ではなく、国の
破綻を回避し、国民への負担(負債の山の遺産)を回避し、自治の原則に基
づき、サービスと負担のバランスを考えながら、持続可能な行政システムを
構築していくことが、本質の目的のはずです。それが解っていながら、省庁
の権益を護ろうとしたり、国と地方の財源争いになったりしまっています。
国が破綻してしまったら、地方の存続も、省庁の既得権も護られるわけがあ
りません。
今求められているのは、自立可能な自治体への改革に取り組む市町村の現
場において、国のあり方や国と地方のありかたを論じる全ての場において、
自己都合や不安から二重思考に陥っていることがないか検証していくことか
もしれません。二重思考であることに気がつけば、とるべき道は、厳しくと
も本来あるべき姿であることが明確になるからです。
ジョージ・オーウェルは、高度管理社会の恐怖を描いたのではなく、本来
やるべきだと解っていても、一人一人の心の弱さが現状肯定をうみだし、自
分自身を納得させ、行動しないという「二重思考」が、個人の成長、社会の
成長を阻害することを指摘したかったのかもしれません。
2期目に入り、市長として様々な改革に取り組む中で、自分自身が本質か
ら離れていないか、二重思考を許容していないか、常に検証し続け、あるべ
き行動をとり続けていく決意をあらたにしています。
【略 歴】
1964年足立区生。1965年4月 草加市転入。1987年 慶應義塾大
学法学部政治学科卒業 。塾講師、損保代理店を経て、1993年より草加
市議会議員。2001年1月 パリ・ダカールラリー二輪完走。2001年
8月 草加市長就任(2期目)
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2.【第103回「J.I. フォーラム」のご案内】
本当の問題は都市全体
~耐震強度偽装では済まされない~
耐震強度偽装が大問題になっています。それは住宅が「個人の問題」以上に
「社会の問題」だからでもあるでしょう。その意味では、長期的には高層ビ
ルが林立する大都市全体の問題はさらに深刻です。ビルの維持管理、それら
の意思決定、治安など様々な問題があるからです。都市計画の専門家と、
『あなたのマンションが廃墟になる日』の著者でジャーナリストの山岡さん、
立法府の立場から馬淵さんをお迎えして、都市のあり方を議論していただき
ます。(マンション問題を出発点に都市計画、社会作りまで議論していただ
きます。)
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日 時  : 平成18年2月22(水)
会 場   : 日本財団2階・大会議室 港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
( http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html )
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時00分)
ゲスト  : 山岡淳一郎(ノンフィクション作家)
馬淵澄夫(衆議院議員)

主 催   : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料で
す)
懇親会参加費   :4,000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつ
けてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
( http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/ )
—————————————————————–
参加ご希望の方は、2月21日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
—————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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