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【No.250】首長リレーエッセー(11) 自治体倒産に思う!

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JIメールニュースNo.250  2006.5.26発行
首長リレーエッセー(11) 自治体倒産に思う!

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◆◆ 目 次 ◆◆

1.【首長リレーエッセー(11) 自治体倒産に思う!】

2.【第106回「J.I. フォーラム」のご案内】

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1.【首長リレーエッセー(11) 自治体倒産に思う!】

岐阜市長 細江 茂光

今から4年前、三井物産の部長から岐阜市長に転身し、早いもので既に一
期4年が過ぎ、去る1月末の市長選挙で再度、市政を担わせていただくこと
になりました。 民間の経営手法や経営哲学の導入、しがらみのない政治
の構築、地方分権時代に持続的発展可能な自治体の構築など、大きな期
待を一身に受けた一期目でした。

過去5年間での職員定数の削減実績は7.8%、今後5年間の削減目標9.2%
を掲げると共に、市債残高(普通債ベース)も市長着任時の1300億円から
毎年着実に削減を図り、平成17年度末には1000億円まで減少、平成18年
度末には13年ぶりに900億円台の残高まで減少することが見込めるところ
まできました。過剰な国への依存がもはや許されない現在、生き残りをかけ
た都市間競争はますます激しくなり、究極的には地方自治体の格付けによ
る公債費コスト格差、更には自治体倒産も視野に入ってくる中、行財政改革
の徹底は待ったなしです。

今から10年以上も前、私が三井物産ロサンゼルス支店に勤務していたころ、
カリフォルニア州オレンジ・カウンティー(郡)で自治体の倒産を目の当たりに
しました。1994年12月、金融取引の失敗で、ディズニーランドで有名なアナ
ハイム市もあり、富裕階層が多く住むことで有名なオレンジ郡が突然倒産し
たのです。民間企業は倒産するが、行政が倒産するとは考えたこともなかっ
たため大変なショックでした。しかし、今、日本でも自治体倒産が現実の可能
性として論じられるようになってきました。

私が民間企業から市長に転じたばかりのころ、民間企業と行政の最大の違
いとして、民間企業は倒産するが、行政機関は倒産しないことだということを
いろいろなところでお話しました。行政は倒産しない。よって行政マンは顧客
(市民)目線の重要性を充分、認識していない。民間企業では大切なお客さ
んに横を向かれたのでは、商売はじり貧とならざるを得ません。結果として経
営合理化で社員が解雇されたり、挙句の果てには会社そのものが倒産して
しまうので、顧客目線になるのは当然なことなのです。

しかし行政では、市民に不便をかけ、不満を鬱積させたとしても、市民には他
に行くところもなく不承不承、その役所を使わざるを得ないのです。どうしても
嫌なら、自らその住居を他の市町村に移すしか方法がありませんが、それが
可能な人は限られているでしょう。
自治体も倒産ありとなれば、各自治体では生き残りをかけ、都市間競争に打
ち勝つべく、市民満足度の向上のため必死の努力を要求されるでしょう。

また、地方債発行などによる資金調達についても、財政力や持続的都市経
営の可能性の可否によって、その調達コストにも大きな格差が出てくるのは
当然の帰結だと思います。従来のように一律の貸し出しレートで良いというこ
とにはならないでしょう。まさに民間企業と同様なリスク経営が必要となって
きます。

行政と民間でもう一つの大きな違いは、事前・事後の評価制度でしょう。民間
企業では、工場を建て新たな設備投資をしても、何の評価もされません。その
ことよりも、その工場で生産された物が市場で流通し、販売され、その結果、
いくらの利益が出たのかが重要なのです。
しかし行政では、道路、橋、ホールなど様々な公共施設を作るわけですが、あ
る意味では作ったらおしまいであり、本来ならば、例えば、その道路がいかに
利用され、それが市民生活の利便性向上にどの程度役立ち、地域産業振興
への貢献度、緊急災害時などの対応にいかなる時間短縮が実現されたのか
などを定量的に評価すべきです。

確かに公共の福祉を第一目的とする行政の事務や事業において、民間企業
の利益にあたる部分の評価が簡単ではない面はありますし、行政においても
より良い評価制度の確立に向け様々な研究・検討がなされています。しかし
国・地方の借金が、あわせて800兆円に迫ろうとしている今、1円たりとも無
駄な公共投資は許されないのです。「公共の福祉のため」という美名に隠れて
安易な公共事業が行われぬよう、心して行政経営に当たって行きたいと思っ
ています。

「『行政運営』から『行政経営』へ!」──。

私がよく市の職員の幹部に申し上げる言葉です。私たち首長は経営者である
ことを求められているのです。

*細江 茂光(ほそえ・しげみつ)氏のプロフィール

1948年4月18日、岐阜市生まれ。岐阜高、京都大法学部卒。71年4月、
三井物産入社。通産12年間の米国勤務の後、サービス事業開発部長など
を歴任。2002年2月、岐阜市長に初当選。06年1月の選挙で再選。趣味
はジョギング、ゴルフ、絵、書、坐禅。058(265)4141(岐阜市役所)。

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2.【第106回「J.I. フォーラム」のご案内】

スポーツで地域おこし・成功例
潤オ「スポーツ力」 ⇒ 老若男女が一致団結 ⇒ コミュニティ再生潤オ

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での王ジャパンの優勝、トリノ
での荒川選手の金メダル。あの盛り上がりを思うと、スポーツの力は偉大
です。次は、6月のサッカー・ワールドカップです。
この「スポーツ力」を活かして、地域への愛着、誇り、一体感を目覚めさせ、
コミュニティの再生をしていこうという活動が盛んになっています。
その立役者たちに登場していただきます。

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日 時  : 平成18年5月30日(火)
会 場   : 日本財団ビル2階・大会議室 港区赤坂1-2-2 TEL03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時00分)
ゲスト  : 一井恒伸(高島市役所 営業推進室 主任)
大野祐介(日本サッカー協会公認代理人)
玉木正之(スポーツ・音楽ライター)
平田竹男(日本サッカー協会 ジェネラルセクレタリー)
福村拓良(「OBC高島」事務局 マネージャー)
溝畑 宏(大分フットボールクラブ代表取締役)
コーディネーター : 三ツ谷洋子(スポーツビジネスコンサルタント)
主 催   : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 :2,000円(シンクネット構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   :4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)

≪解説≫
・OBC高島 : メジャーリーガーの大家友和がゼネラルマネージャーを勤める、
社会人ベースボールクラブ。
・大分フットボールクラブ : J1の大分トリニータを経営している。

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参加ご希望の方は、5月29日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない

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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03!)5275!)5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03!)5275!)5607

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