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【No.254】日本外交の新たな可能性:中央アジア

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JIメールニュースNo.254  2006.6.23発行
日本外交の新たな可能性:中央アジア
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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【日本外交の新たな可能性:中央アジア】
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1.【日本外交の新たな可能性:中央アジア】
フリーライター 小野 俊二郎
6月1日、麻生外相が「中央アジアを平和と安定の回廊に」と題して演説を
行ったが、中央アジアへのビジョンのある取り組みとは、なかなかの目の付
け所である。筆者は、取材の関係で中央アジアは何度か訪問しているのだ
が、日本への親近感が強く、日本語学習者も多いこの地域について、もっと
日本でも知られてはよいのではないかと常々考えていたところである。
中央アジアはウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ト
ルクメニスタンの5か国で、この地域は日本から見て中国の後ろにあり、ロシ
アの南にあって歴史的に「柔らかい腹」と呼ばれてきた。更に南ではアフガ
ニスタンや中東に接している。
中央アジアは、今の日本外交にとって極めて重要な国々のど真ん中にある
のだが、日本は、既にこの中央アジア地域全体との協力に着手している。
2004年の8月、川口前外相が中央アジアを訪問した際に開始した「中央ア
ジア+日本」である。
中央アジア地域は、海から離れた内陸国であり、開発や国際貿易には著し
くハンディを負っているため、地域の内部で偏在している水やエネルギーの
相互融通による効率的な利用や、域内や近隣との貿易の活発化は、経済・
社会の安定や発展にとっては極めて重要な要因であるとされてきた。にもか
かわらず、これまでは各国指導部のライバル意識もあり、なかなか実現して
こなかったが、日本は「中央アジア+日本」で、こうした中央アジア同士の地
域内協力に積極的に関与していく姿勢を示している。6月5日、「中央アジア
+日本」の第2回外相会合を東京で開催したのもその一環である。
中央アジアでは、最近、プーチン大統領の「強いロシア」が影響力の復活を
狙う一方、上海協力機構により中国が関与を強めており、民主化や人権問
題で硬い姿勢を示す米や西欧諸国との関係はどちらかというと冷めつつあ
る。中央アジアに西側的な価値観、つまり民主化や自由主義経済を地域に
根付かせ、持続可能な安定や経済的繁栄の実現を支えるためには、まさに
日本が最後の柱的な存在ともいえる状況とも言える。
今回の麻生外相の演説においては、中央アジアから、アフガニスタンを経由
して、インド洋への道を開くビジョンが示され、6月5日に東京で行われた外
相会合では、アフガニスタンの外相も招かれ、このビジョンの実現に向けた
協力が協議され、中央アジアで地域内協力を進めていくための「行動計画」
も作成された。日本が触媒となって地域内協力が進み、麻生外相の言葉通
り、中央アジアに「平和と安定の回廊」が実現すれば、それは日本外交にと
り極めて大きな資産となるはずである。今後の「中央アジア+日本」に注目
していきたい。

*小野 俊二郎(おの・しゅんじろう)氏のプロフィール
1968年生。中央アジアや中東を彷徨しつつ、人々やくらしを追い続けるフリー
ライター兼写真家。
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