メールマガジン

【No.259】「地域医療が直面している現実と挑戦」に寄せて

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JIメールニュースNo.259  2006.7.28発行
「地域医療が直面している現実と挑戦」に寄せて
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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【「地域医療が直面している現実と挑戦」に寄せて】
2.【第109回「J.I. フォーラム」のご案内】
※好評の「ポリ吉ブログ」もご覧ください。 http://blog.kosonippon.org/
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1.【「地域医療が直面している現実と挑戦」に寄せて】
※「地域医療が直面している現実と挑戦」は、2006年6月16日発行のJIメ
ールニュースNo.253に掲載しました。下記のホームページでご覧いただけ
ます。今回は、その執筆者の室林治氏と、中村桂子氏(JT生命誌研究館
館長)の往復書簡です。
http://www.kosonippon.org/mailnews/log.html?no=276
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≪中村桂子氏からの往信≫
室林 治 様
「地域医療が直面している現実と挑戦」を拝読し、「地域医療こそ高度で先
進的」というお考えその通りと思います。
生物研究の中にいて実感することは、医療への応用について最先端技術
にばかり眼が行き、本当に生きることを支える技術へとつながるものを軽視
する現実です。医療でいえば、再生医療、ゲノム創薬、オーダーメイド医療
などと言われていますが、実は今、最も必要なオーダーメイド医療は「子供
からお年寄りまで診療し、予防医学を実践し、認知症の方を地域で支える」
ことでしょう。これこそ究極のオーダーメイド医療です。その中に将来的には
ゲノム(DNA)の情報を取り入れていくことは必要でしょうが、DNAを知るこ
とがオーダーメイド医療だというのは、逆転しています。人間を見ることが先
でしょう。
町長さんの「外科手術ぐらい・・・」はまさにこの逆転の中で生まれた考え方
です。「本当のオーダーメイド医療は地域医療である」というキャンペーンが
必要だと感じました。短い文では意が尽くせませんが、地域医療への挑戦
への応援の気持を書きました。
JT生命誌研究館
中村 桂子
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≪室林 治氏からの返信≫
中村 桂子 様
ご感想をお寄せいただきありがとうございました。
> 医療への応用について最先端技術にばかり眼が行き、
> 本当に生きることを支える技術へとつながるものを軽視する現実です。
その通りだと思います。「生きることを支える技術」という言葉。もう一度真
剣に考えてみる必要があると思います。
以前、私が担当していたおばあさんで、透析が必要な方がいました。ほぼ
寝たきり状態で、血液透析施設への通院が難しく、透析導入ができずにい
ました。ご本人、ご家族ともに在宅を希望していたことから、自宅で行うこと
ができる腹膜透析を提案してみました。
透析液の交換を毎日家族が行わなければいけないことから、当初は難色
を示されましたが、お孫さんを中心に意見がまとまり在宅へと移行しました。
幸い腹膜透析は大きなトラブルもなく経過しました。ほぼ寝たきりだったおば
あさんが「散歩できるようになりたい」と在宅リハビリに意欲的になったことは
うれしい誤算でした。
「生きることを支える技術」という言葉の意味を考える時に、科学的なものだ
けではなく、もっとアナログで人間くさいものが、大きな役割を占めているの
かもしれません。
このおばあさんにとって、「生きることを支える技術」とは、単に腹膜透析にと
どまらず、世話をしてくれる家族、医療・福祉関係者等、日常で関わりのある
全てがそうだったのかもしれません。また、誤解を恐れずに言えば、家族に
とっても、私を含めた関係者達にとっても、おばあさんの存在が、「生きること
を支える技術」だったのかもしれません。
病気の人も、そうでない人も、相互の関係性の中に「生きることを支える技術」
があり、そういった技術(資源)を発掘し、実感できるのが地域医療の現場な
のかなと思いますが、中村様はどのように思われるでしょうか。
富山大学附属病院 総合診療部
室林 治

* 中村桂子(なかむら けいこ)氏のプロフィール
JT生命誌研究館館長。東京都出身。1936年生。理学博士。東京大学理学
部化学科卒。三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長、早稲田大学
人間科学部教授、大阪大学連携大学院教授などを歴任。1993年-2002年
3月までJT生命誌研究館副館長。著書に、『ゲノムが語る生命-新しい知
の創出』(集英社)、『自然はひとつ』(実教出版)、『生命の未来を語る(本庶
佑との対談)』(岩波書店)などがある。
* 室林 治(むろばやし おさむ)氏のプロフィール
自治医科大学卒。山間診療所などで勤務した後、地域医療振興協会にて
地域医療研修センターのスタッフを勤める。現在は、富山大学附属病院総
合診療部に勤務。
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2.【第109回「J.I. フォーラム」のご案内】
古武術とクオリア
丁々発止の切り結び
私たちは歩くことすら「現代の常識」にとらわれすぎているのかもしれませ
ん。最近、スポーツ、音楽、介護など様々な分野で注目されている、日本
古来の身体の動かし方を体系化している甲野善紀さん。
一方、「クオリア」をキーワードに、脳と心について次々に大胆な発言をして
いる茂木健一郎さん。
当代一流の武術家と脳科学者に体と心を通じた人間論をくり広げていただ
きます。あなたの人間力が一気にアップするかもしれませんよ。
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日 時 : 平成18年8月28日(月)
(→日程が変更となりました。ご注意ください。)
会 場 : 日本財団ビル2階・大会議室港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演 : 午後6時30分(開場:午後6時00分)
ゲスト : 甲野 善紀(武術家)
茂木 健一郎(脳科学者)
主 催 : 構想日本
定 員 : 160名
フォーラム参加費 : 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   : 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
—————————————————————–
参加ご希望の方は、8月27日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
—————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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