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【No.296】職人リレーエッセー(5) 異なる要素とイメ-ジを重ねあうものづくり

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JIメールニュースNo.296  2007.4.13発行
職人リレーエッセー(5)
異なる要素とイメ-ジを重ねあうものづくり
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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【職人リレーエッセー(5) 異なる要素とイメ-ジを重ねあうものづくり】
2.【第117回「J.I. フォーラム」のご案内】
*「教育」に関する【提言】をリリースしました。詳しくは、下記ホームページ
をご覧ください。
↓     ↓     ↓
「教育は「国家百年の計」ではなかったのか」
─文科省のコントロール強化は問題解決にはならない─
http://www.kosonippon.org/project/detail.php?m_project_cd=498&m_category_cd=19
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1.【職人リレーエッセー(5) 異なる要素とイメ-ジを重ねあうものづくり】
京友禅・絵師 冬奇
19歳の春に神奈川県から京都へと日本画を学びにやってきました。卒業後、
「日本画の技術も生かした仕事をしたい」と考え、京友禅の工房に就職したの
が、20歳のときです。
工房では毎日、諸先輩たちの叱咤激励や先生の作品を愛する故のこだわり
に関しての話などを聞くのが楽しくて、着物に自分の「イメ-ジ」を伝えて載せ
る技術習得にのめりこんでいきました。最初は生地に真っすぐ線が引けなか
ったり、友禅でも色ムラがあったりして苦労の連続でしたが、次第に数をこな
していくうちに失敗もしなくなってきました。最初の数年は自分とプレッシャー
との戦いでした。
そして、呉服製造に携わるようになって8年目くらいのときです。縁あって「T
シャツに絵描いてもらえないか?」と職人リレーエッセー(4)の筆者でもある
手染メ屋店主青木氏に言われて描いたのがきっかけで、共同で制作すれば
もっといろんな人に作品を見てもらえることを知りました。
それも、自分だけの作品じゃなく、人の作品(青木氏が染めたTシャツ)に絵
付けをすることにより、メッセージを伝える効果が「×2」得られるわけです。
草木染めのTシャツに私が妖怪の絵を描く、「異なる要素とイメ-ジを重ねあ
うものづくり」の始まりでした。
ここでいう「要素」とは、青木氏が染めたTシャツや、私が描く日本画のことで
す。また、「イメージ」とは、青木氏が出したいと思っている“色”や“風合い”で
あり、私が伝えたいと思っている“人の内面にある情念”や“熱い生命の息吹”
のことです。それらを重ねあわせ、一人では得られない作品をつくり出すので
す。
その背景には、それぞれの職人が“10割打者”をめざして日々磨き続けてい
る技術があります。職人の世界は、寸文の狂いもない製品を作り続ける“10
割打者”となってはじめて評価される世界。工房に入って12年目の私ですが、
まだまだ5割打者といったところ、技術の習得に終わりはありません。
京都には、そんな職人たちが分業で協力しあいながら一つのイメージを作り
上げていく文化が根強く残っています。着物や西陣帯と扇子を組み合わせて
京舞妓をつくったり、お茶とお花や和菓子で茶道を生み出したりという感じで
す。まさに、「異なる要素とイメージを重ねあうものづくり」です。
現在、私は絵師として活動していますが、元々、絵師という職業は江戸時代
から既に現在のデザイナーのような仕事だったようです。器や家具のデザイン
などは絵師の仕事でした。絵師が要素とイメージをつなぎあわせ、デザインを
まとめあげる仕事をしていたのです。
だからというわけでもありませんが、私も青木氏との出会い以来、着物と日本
画の技術を応用した作品(絵や柄の提供)で商業ビルの内装をデザインしたり、
海外絵本の挿絵、本格的な金屏風製作、アパレルブランドのTシャツデザイン、
扇面のデザインなどといった活動を展開しています。こういった活動をしていて
もっとも強く感じるのは、才能の拡張性は無限ということです。特にやりがいを
感じたのは、海外の大きな施設に作品がプリントされたときでした。
そのときの感動を忘れず、これからも、京友禅を通して学びつづけている伝統
技術と和装文化を大切にしながらも、世界の方たちと交流し、新しい作品を生
みだしていきたいと思っています。

*冬奇(ふゆき)氏のプロフィール
京都芸術短期大学日本画科卒業後、1996年に手描き友禅染の工房に入り、
和装文化や伝統技術を学ぶ。2003年以降、手描きのTシャツを製作、展示す
るなど、伝統技術と日本画を融合させたスタイルで製作に入る。2005年には、
(株)ワコ-ル主催のイベント「ワコルネアワード」で「津村賞」を受賞。ドイツの
書籍にも作品が掲載されるなど、海外でも評価を得ている。
冬奇氏のホームページ: http://www.eonet.ne.jp/~fuyuki/
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2.【第117回「J.I. フォーラム」のご案内】
教育に「本当に必要なこと」
~何よりもまず教育現場の声を聞こう~
教育基本法改正につづき、教育関連3法案(教育職員免許法、地方教育行政
の組織及び運営に関する法律、学校教育法)、道徳の教科化と、安倍政権の
「教育改革」は急速に進んでいます。しかし、現在の教育現場に強い危機感を
持ち、改革に向けて行動をしてきた人ほど、これらの「改革」に批判的です。そ
れは一言でいうと、余りにも現場の実態を知らないという理由からです。今の
教育問題は、文科省の管理がなまぬるく現場に任せられているから起こって
いるのではなく、文科省がすべてを画一的にコントロールしてきたことが大きい
原因だからです。地方自治、教育現場の方々から生々しい実情を伺いながら、
教育改革に本当に必要なことを考えます。
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日 時  : 平成19年4月24日(火)
会 場  : 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト  : 金山康博(志木市立志木小学校校長)
清水聖義(太田市長)
西寺雅也(多治見市長)
濱野 健(品川区長)
三木正夫(須坂市長)    他
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 : 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   : 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
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参加ご希望の方は、4月23日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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