【No.304】「政治とカネ」、徹底した情報公開を ─現状は企業よりもはるかに遅れている─
2007.06.15

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JIメールニュースNo.304  2007.6.15発行
「政治とカネ」、徹底した情報公開を
─現状は企業よりもはるかに遅れている─
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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【「政治とカネ」、徹底した情報公開を
─現状は企業よりもはるかに遅れている─】
2.【第119回「J.I. フォーラム」のご案内】
*構想日本ホームページで「ワンクリックアンケート」開催中。
「Q:「公開討論会」についてどう考えますか?」にお答えください。
〔アンケート期間:2007/06/01(金) ~2007/06/21(木)〕
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https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=42
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1.【「政治とカネ」、徹底した情報公開を
─現状は企業よりもはるかに遅れている─】
構想日本 代表
加藤 秀樹
6月14日、衆議院で「政治資金規正法」改正案が可決されました。参議院
での審議が始まりましたが、この内容では問題はほとんど解決しません。
「政治とカネ」の問題は、2つに分けられます。政治資金の「入」と「出」です。
これまでも度々くり返されてきたいわゆるヤミ献金などが「入」で、使途が不
明瞭な事務所費の問題は「出」の例です。
これらの問題が後を絶たないのは、個々の議員の問題だけでなく、 政治資
金を扱う「制度」に次のような大きい「抜け穴」があるからです。
〔A〕資金全体の把握がほぼ不可能。
〔B〕資金の本当の使い道がわからない。
それは、次のようなしくみになっているからです。
(1)政治家の「財布」は3種類あります。「資金管理団体」「政党支部」「政治
団体」です。しかも、政党支部と政治団体は複数つくることができます。また、
相互間の資金の移動ができます。
これらで受け入れ、使った政治資金は選挙管理委員会、または総務省に報
告することになっていますが、全体の「連結」義務がなく、選挙管理委員会分
は事務局に行かなければ見られず、総務省分についてはインターネット上で
公開しているものの、ともにコピーは不可。したがって、外部の者には全容の
把握がほぼ不可能なのです。議員本人ですらわかっていないほどです。意
図的に全容をつかめないようにしている、としか思えません。
このしくみが迂回献金、ヤミ献金の背景になっています。
(2)政治資金の支出は事務所費や光熱水費などの「経常経費」とそれ以外
の「政治活動費」に分けられますが、報告書への記帳が大変大まかで、領
収書の添付義務がない支出も多いのです。改正案が成立したとしても、5万
円以上の政治活動費と一部の経常経費を除いて、領収書の添付義務はあ
りません。しかも、支出金額を5万円未満に小分けすれば、領収書はいらな
くなり、実際にどう使われたかわかりません。「抜け穴」はほとんどふさがら
ないのです。
本来、すべての支出について、領収書が添付されるべきですが、そうなって
いない理由は、すべてを領収書添付にすると膨大な量になるからというもの
です。しかし、民間企業では当然のことが、パブリックな存在である政治家
の活動費用について行なわれていないというのは大変おかしいことです。
(3)これらの収支を報告する義務はありますが、その内容が適正なものかど
うかの第三者の監査を受ける義務はありません。
以上をふまえると、政治資金の問題を本気で根治しようとするならば、次の3
つのことを行なわないといけません。
〔a〕政党支部、資金管理団体、政治団体の連結収支化の義務づけ。
〔b〕すべての支出についての領収書の添付。および、収支報告書の「コピー
可」を明記。
〔c〕監査の義務づけ。
「政治家とカネ」の基本は徹底した情報公開と外部チェックです。公務員や企
業の不祥事をなじるばかりの政治家ですが、これが実現しない限りいつまで
も日本の政治は二流、いやそれ以下に落ちる一方です。
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2.【第119回「J.I. フォーラム」のご案内】
「美しい日本」について話そう
~ 美しい国とは何がどうであることなのか ~
最近、政治の世界で「美しい国」とか「品格」という言葉をよく聞きます。政治
や経済の基盤は文化ですから、これは大変結構なことです。
しかし、問題は、「美しい」の中身と、どうすれば美しくなれるのかです。昔か
ら、中身のない人ほど精神性を強調したり、規則でしばろうとしてきました。
ここは政治家や御用有識者の手に委ねると危険です。
幸い日本はまだまだ捨てたものではありません。美しい景色、言葉、職人の
技などいっぱいあります。心から日本を愛し、とことん日本を知り尽くしたお二
人に美しい日本をじっくり語っていただきます。
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日 時  : 平成19年6月28日(木)
会 場  : 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト   : 中西 進(奈良県立万葉文化館長/文化功労者)
アレックス・カー(東洋文化研究家)
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 : 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   : 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
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参加ご希望の方は、6月27日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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