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【No.360】浜松市の行政の「事業仕分け」を傍聴して

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JIメールニュースNo.360 2008.7.25発行
浜松市の行政の「事業仕分け」を傍聴して
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◆◇ 目 次 ◇◆
1.【浜松市の行政の「事業仕分け」を傍聴して】
2.【第132回「J.I. フォーラム」のご案内】
3.【第28弾 都下初の実施、町田市 「事業仕分け」のご案内】
4.【国の「事業仕分け」のご案内】
~国の「事業仕分け」ついに実施!トップランナーは文部科学省~
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1.【浜松市の行政の「事業仕分け」を傍聴して】
東京財団 常務理事
松信章子

浜松市の行政の「事業仕分け」を傍聴する機会がありました。その時の感
想を投稿いたします。
まず、事業仕分けの試みには非常に大きな意味があると思います。市民は
行政においてどのように予算が付けられているか知るチャンスがなかなか
ありませんし、それ故自治体に対してどのように訴えかけていけばよいか
もわからないものです。事業仕分けの場で、自治体職員と仕分け人とのや
り取りを見ることは、市民にとって行政の予算配分のしくみを知る大変良
いきっかけになるはずです。
とは言うものの、いくつか問題点もあります。
まず、多くの人のコメントとして、自治体職員のプレゼンテーション技術
が、満足いくものではないこと、そして、その技術の巧拙により、仕分け
の結果が異なる可能性があるのではないかという点が指摘されました。確
かに、その指摘は一理ありますが、大切なことはその観察から、何を結論
づけるかと言うことだと思います。
多くの方が、特に仕分けをされる自治体職員の方が、「プレゼン技術によ
って、結果が異なる可能性がある。(ゆえにこの事業仕分けの仕組みは公
平ではない)」という論旨に流れ勝ちという危険を感じました。
私は正反対の意見です。プレゼン技術によって、結果が異なる可能性があ
るのだったら、自治体職員のするべきことは唯一つ。それはプレゼン技術
を磨き、説明責任を果たすことに習熟することです。
以心伝心は日本の美徳ではありますが、説明責任を果たすことは、今や、
自治体にとっても企業にとっても何よりも重要な仕事です。企業の場合、
顧客への説明をきちんと果たすことできなかったとしたら、メディアで
叩かれたり、不買運動が起きたりして、死活問題に発展します。
外資の多国籍企業で働いた私自身の経験から言えば、企業は大変なお金
とエネルギーをかけて、従業員のコミュニケーション力や説明能力向上
ための教育をしています。
逆に言えば、事業の目的、成果目標、あるいは測定方法等を明確に説明
できなかったら、厳しく追及され、事業に予算が付くことはまず困難で
しょう。
税金を使う自治体はなお更だと思います。自治体にとっては住民が顧客
であり、その顧客に対して、事業をきちんと説明できるように職員を教
育するのは、あまりにも当然のことで、それをせずに、事業仕分けの効
果を云々するのは、怠慢の一言に尽きると思います。
もう一つの問題は、より重大な問題で、自治体が、事業仕分けという道
具を上手く使えるかどうかということです。食物を切るための包丁が、
人を傷つけることもできるように、道具というものは本来の目的以外に
悪用することができます。
行政改革に有効な道具である事業仕分けも、悪用・乱用される可能性が
ないとも言えません。事業仕分けは全事業に対して行うわけではありま
せんから、自治体にとって仕分けのまな板に載せたくない事業は温存し
ておくことが実質的に可能なわけです。聖域を設け、皮は切らせても骨
は切らせないというような裏シナリオを作ることは、たとえば、談合一
つ、断ち切ることができない行政のあり方を見れば、決して疑いが過ぎ
るということも言えないのではないかと思います。
事業仕分けをやると言えば、「この自治体は行革意識が高い」と思わせ
ることができます。これから事業仕分けという手法がより一般に知られ
るようになれば、一層その効果は増すはずです。そうなれば事業仕分け
をパフォーマンスとして使うことも可能になるでしょう。実施すること
で行革に熱心に取り組んでいるイメージを出し、実際の事業仕分けには
問題のある事業は一切出さないようにすれば、改革を一切しないで改革
をしているイメージだけを作り出すことができてしまいます。これでは
事業仕分けがむしろ行革を遅らせる方向に機能してしまいかねません。
それは事業仕分けの考案者である構想日本の意図とは全く逆のはずです。
ランダムピックアップ方式にするなり、仕分け人が選択できるようする
なり、いづれにしてもこの事業選択の恣意性については早急に対処する
必要があると思います。
しかしながら、事業仕分けを成功させるのは、われわれ住民の関心の度
合いと、ものを見る目の確かさによるところも大きいといえます。たと
えば、プレゼンテーションが下手な職員が仕分け人にやり込められるの
を見て、傍聴者から「やりすぎだ」という批判があったこともあるそう
です。説明責任を果たすのを要求するのは当然のことで、それを「かわ
いそうだからこの辺で…」と我々市民の側が妥協してしまっては、職員
のレベルを向上させることにも役立たないし、自治体の改革も達成でき
ないでしょう。また仕分けで取り上げられる事業を見て、それが全事業
の中でどのような重要度を持つものであるかということを、市民が検証
してみることも大切です。
いずれにしても、市民がもっと行政に関心を持ち、批判的にウォッチし、
職員や首長にさらなるコミットメントを要求していくことが、実は最も
必要なことなのかもしれません。
*プロフィール*
日本、アメリカ、アジアで、多国籍企業のマーケティングを担当した後、
非営利セクターに移り、国際支援のNGOで広報やファンドレイジング
に従事。2008年1月より東京財団常務理事(奨学事業担当)を務める。
上智大学外国語学部、ミシガン州立大学大学院ジャーナリズム学部
修士課程卒。横浜市出身。
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2.【第132回「J.I. フォーラム」のご案内】
トイレ掃除が日本を変える
社員が自分たちでトイレ掃除をしている会社は、今やめったにないで
しょう。一夜明けた盛り場を自分たちできれいに掃除する住民、店主
もあまりいません。その掃除を通して、会社の立て直しができたり、
荒んだ学校が生まれ変わったりしています。
「日本を美しくする会」の生みの親である鍵山さん、田中さん、荒れ
た教室を立て直す活動を全国に展開している高野さん、ご自身の会社
の立て直し、地域を変える活動に取り組む白鳥さんを迎え、なぜトイ
レ掃除が社会を変えたのか、その活動の根底に流れる思想、長年の実
践から得たものをお話しいただきます。掃除が日本を変えるかもしれ
ません。
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日 時  : 平成20年7月29日(火)
会 場  : 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト  :鍵山 秀三郎(株式会社イエローハット 取締役相談役)
白鳥 宏明(伊東掃除に学ぶ会 代表世話人)
高野 修滋(便教会 世話人、愛知県高校教師)
田中 義人(日本を美しくする会 代表、
東海神栄電子工業株式会社 代表取締役社長)
コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表 )
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   :4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
————————————————————–
参加ご希望の方は、7月28日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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3.【第28弾 「事業仕分け」のご案内】
~ 都下初の実施 「町田市」~
構想日本が2002年から行なっている行政の「事業仕分け」は行財政改革
の切り札です。今年度は10ヶ所以上の自治体での事業仕分けを予定し、
問い合せも続いています。今回は、町田市で実施します。東京都下の
自治体の多くは、町田市も含め財政危機には至っていませんが、今のう
ちに見直すことが肝心です。また、町田市の事業仕分けでは、国や都の
関与によって町田市の自由が利かない事業についても議論していきます。
行政の方、自分の地域を何とかしたいという方、メディアの方、お誘い
あわせのうえ、侃々諤々の議論に傍聴参加ください。必ず地域再生の大
きな参考になると思います。
【日時】平成20年7月26日(土) 午前9時~午後5時
(昼休みに傍聴者を対象とした事業仕分けに関する質問会を実施予定)
※入退室自由です。ご都合の良い時間帯にお越しください。
【会場】町田市文化交流センター 5階(町田市原町田4丁目1番14号)
会場に関するお問い合わせは、町田市経営改革室(042-724-2503)まで。
【対象】町田市の事務事業(34事業)
【参加者】事業説明者:町田市役所職員
評価者(仕分け人)
コーディネーター:構想日本事業仕分けチーム
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≪事業仕分けとは・・・≫
・国や自治体の行政サービスについて、予算書の項目ごとにまず要否の議
論をする。
・その上で、実施主体(官か民か、国か地方か)を議論
・「外部の目」を入れる
・「公開の場」で議論する
※構想日本のホームページ「事業仕分け」もご覧ください。
http://www.kosonippon.org/project/list.php?m_category_cd=16
●これまでの実例をもとにポイントをまとめた、構想日本編『入門 行政の事
業仕分け』(ぎょうせい刊・1,800円)のご注文も下記にて承ります。
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ご参観ご希望の方は、7月25日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
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*お問い合せは、 西田/伊藤まで。TEL 03-5275-5607
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4.【国の「事業仕分け」のご案内】
~国の「事業仕分け」ついに実施!トップランナーは文部科学省~

「国」の事業仕分けがついに実現します。
行政の「事業仕分け」は行財政改革の切り札です。これまで自治体で27回実
施し、1割もの歳出削減につなげるなど大きい実績をあげています。国につい
ては小泉内閣以来、「骨太」などに謳われてきたものの、各省の反対で実行
できませんでした。
この度、自民党「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の強い意向と文科省の
改革に向けた積極姿勢の結果、「政策棚卸し」として実現することになりま
した。「事業仕分け」はカナダ、イギリスでも財政再建に絶大な威力を発揮
しました。
政治家、報道関係の方、そしてもちろん世の中を良くしたいという方はどな
たでも、侃々諤々の議論に傍聴参加ください。「戦後60年目の大掃除」の
始まりです。
※構想日本は自民党プロジェクトチームの協力・参加者としてこの
ご案内をお送りしています
【日時】 平成20年8月4日(月)、5日(火) 午前9時~午後5時
※入退室自由です。ご都合の良い時間帯にお越しください。
【会場】 日本財団ビル2階 大会議室(港区赤坂1-2-2)
※会場に関するお問い合わせは構想日本まで。
【対象】 文部科学省の事業(30事業程度)
【参加者】 事業説明者:文部科学省職員
「仕分け人」(評価者)
コーディネーター:自民党「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」
構想日本事業仕分けチーム及び外部有識者
————————————————————–
ご参観ご希望の方は、8月3日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
————————————————————–
*お問い合せは、 西田/伊藤まで。TEL 03-5275-5607
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