【No.367】職人リレーエッセー(11)守ること・繋ぐこと・つくること
2008.09.19

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JIメールニュースNo.367  2008.9.19発行
職人リレーエッセー(11)
守ること・繋ぐこと・つくること
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◆◇ 目 次 ◇◆
1.【職人リレーエッセー(11)守ること・繋ぐこと・つくること】
2.【第134回「J.I. フォーラム」のご案内】
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≪TOPICS≫
★構想日本ホームページで「ワンクリックアンケート」開催中!
「Q:総選挙、最大の争点は?」にお答えください。
〔アンケート期間:2008/09/18(木) ~2008/09/24(水)〕
↓     ↓     ↓
https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=56
※前回の「総裁選後、まず初めにやるべきことは?」の結果が出ました。
ご協力ありがとうございました。
↓     ↓     ↓
https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/result.php?m_enquete_cd=55
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1.【職人リレーエッセー(11) 守ること・繋ぐこと・つくること】
四代 諏訪 蘇山(中村公紀)
職人か作家か、と言われると、そのどちらでもないところで物を作
っている。
職人とは注文主の意を汲みそれに自分の持てる技術を注ぐ人であり、
作家とは自分の思いを形にする人であると思う。私はその間を行っ
たり来たりしながら土を焼く。
私の作っている物とは、主に青瓷(せいじ)と呼ばれる焼き物である。
私の継ぐ「諏訪 蘇山(すわ そざん)」の青瓷は、明治・大正を生き
た初代の蘇山が、自ら愛した中国南宋の青瓷を再現するべく研究に研
究を重ねた青である。初代は加賀藩の武士であったが、明治維新によ
り廃業、九谷で陶画の技術を身に付け焼き物を始めた。
初代は、優れた職人であったが、今に残る作品を見ると作家という言
葉を越えてアーティストに近いところで物を作り、また明治という時
代の中で国の為にその技術を惜しみなく使った。
大正11年に二代を継いだのは、初代の姪、女性であった。そして二代
の甥であった父が三代を継ぎ、四代目を私が継ぐことになった。
初代は、後の代に何を求めていたのか、代々の作品を睨みながら考え
る。ある席で「代々の作品を持っている人、使っている人の為に作り
続けて名前を守って下さいね」と言われた。伝統の世界ではそれが半
分以上を占めるのかもしれない。
そんな伝統の世界も、景気の良い時代には品物を作ったら作っただけ
売れたそうだが、今は本当に必要なものしか買わない人が多い。そん
な時代だからこそ、自分の技術に自信を持って作るしかない。
ここ百年で焼き物の材料・窯・環境が少しずつ変化し、それに併せて
調合・焼き方を変えながら蘇山の色を守って来たが、我々は代々その
苦労が作品に出ないように、何食わぬ顔をして作っている。それは、
伝統を守る家であれば何処の家でもしていることだと思う。
人間に与えられた時間は数十年、その中で私は色んな人に出会い、沢
山の物を吸収して、それを私という人間を通して作品に変える。その
作品達が愛される為に、愛される人を目指す。
そしてこれからも、私は自分の身を粉にして、見る人使う人が心癒さ
れる作品を作りたい。自分の羽を抜いて生地に織り込む『夕鶴』の
「つう」の様に。でも本当は、作っている私自身が一番癒されている
のかもしれない。
土は生き物だから、負けないように心技体を磨く。
後(のち)の人の為に、土という資源も大切に。
千年以上の歴史を支えに、土を焼く。
土を玉(ぎょく)に変える。

* 諏訪 蘇山(すわ そざん)氏プロフィール
父 三代 諏訪蘇山・母 十二代 中村宗哲の三女
昭和45年に生まれる。
京都市立銅駝美術工芸高等学校漆芸科卒業
成安女子短期大学造形芸術科
グラフィックデザインコース映像専攻卒業・専攻科修了
京都府立陶工高等技術専門校成形科・研究科修了
京都市伝統産業技術者研修陶磁器コース本科修了
父と共に陶磁器の制作活動
各地にて中村宗哲展(天地のかたち・源氏物語)に出品
哲公房に参加
平成14年9月 四代諏訪蘇山を襲名
各地にて諏訪蘇山展を開催
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2.【第134回「J.I. フォーラム」のご案内】
医療改革
~総裁選、総選挙で議論すべき重要テーマの一つ~
マスコミ、政治家ともに秋の空よりも移り気です。一時、あれほど話
題になった医療問題も、大学の定員増と来年度の予算増が決まった後
は報道もされなくなりました。
しかし、医療改革が緊急の課題であることも、問題の本質が手つかず
であることも変わりはありません。自民党総裁選や総選挙では医療の
ような国民にとっての緊急かつ長期的な課題こそが大いに議論される
べきだと思います。
構想日本がまもなく発表する予定の提言の核心部分について、議論に
参加している現場の医師を中心に語って頂きます。
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日 時  : 平成20年9月30日(火)
会 場  : 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲ ス ト  : 有賀 徹(昭和大学・救急医学教授)
海野 信也(北里大学・産科婦人科教授)
嘉山 孝正(山形大学・医学部長)
本田 宏(済生会栗橋病院・副院長)
小松 秀樹(虎ノ門病院・泌尿器科部長)
森 臨太郎(大阪府母子健康総合医療センター企画調査室室長)

コーディネータ : 川渕孝一(東京医科歯科大学大学院教授)
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費  :4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
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参加ご希望の方は、9月29日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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* J.I.のホームページのURLは https://www.kosonippon.org/wp-manager です。
今後内容を充実してまいりますので、ご意見ご感想をお願いいたします。
* 今後の開催予定日:10月28日(火)、11月26日(水)、12月17日(水)
* J.I.フォーラムの講演録は上記ホームページでご覧になれます。
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