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【No.382】新春ご挨拶-派遣社員をめぐる雇用問題からみる現代-

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JIメールニュースNo.382  2008.1.9発行
新春ご挨拶-派遣社員をめぐる雇用問題からみる現代-
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◆◇ 目 次 ◇◆
1.【新春ご挨拶-派遣社員をめぐる雇用問題からみる現代-】

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1.【新春ご挨拶-派遣社員をめぐる雇用問題からみる現代-】
構想日本 代表
加藤 秀樹
あけましておめでとうございます。
昨年末来、解雇された派遣社員の困窮ぶりがマスメディアで大きく
取り上げられました。それを受けて、経済界、政治家からも対応策を
考えねばという動きが出ています。
私は、これら派遣社員をめぐる一連の事柄の中に雇用の問題を超えて
今日本が抱えている様々な問題が象徴的に現れているように思います。
政策シンクタンクである構想日本がしっかり考えないといけないことを
多く含んでいるので、私の考えを少し述べてみます。
まず、根底にある問題は、私たちの暮らし方、とりわけ働くことの意
味です。元来、働くことは生きることと同義でした。
戦後、日本人の多数が会社勤めをするようになってからも、終身雇用
という形の、働くことが人生の中心を占めるライフスタイルは長く維持
されていました。
それが、経済的に豊かになり、現金収入を得やすく、また、現金さえ
あれば生活できる社会になるにつれ、働くことはお金を得る手段だと
いう感覚が強くなってきたように思います。同時並行で、企業が短期
的な経営効率を求めて、より身軽な雇用形態を選ぶようになってきた
こと、経済学者を中心に雇用の流動化を進めるべきだという声が大きく
なったという事情があります。そういう大きい流れの中で、「派遣」という
雇用形態が急速に拡大してきたのだと思います。
少々極端な言い方をすれば、かなりの日本人が、現金収入を得る場所
として会社をつまみ食いし、会社は、都合のいい労働提供者として彼らを
つまみ食いするようになった、ということではないでしょうか。派遣社員は
個人ですから会社に対して力は弱い。したがって、この構図が進んだ先
に、現在のような派遣社員の側には一切選択の余地がない状況も出て
きたわけです。
次の問題は、職を失った人の世の中の受け入れ方です。かつては、
会社で首を切られると故郷に帰る、縁者を頼るなど、ある種のバッファ
ーがあったと思います。今はそれがない。年末年始の「派遣村」の様
子を見ると、そのことを痛切に感じます。経済効率のいい社会の裏返し、
しがらみのない都会生活の裏返しと言えるのではないでしょうか。
「派遣」という働き方の背後に、私たちの生き方、働き方、会社のあり方
など社会の本質に関わる問題があるのです。
ですから、派遣社員や雇用形態に関する制度の手直しだけでは根本的
な解決策にはならないと思います。
最後に、今回の「派遣村」を実現した人たちの活動があげられます。
これは、先に述べた「バッファー」の肩代わりの役割、会社別の組合
では対応できない労働問題の受け皿など、今の社会制度上は個々人
の問題とされていても、本来は重大な社会問題として受けとめるべき事柄
に対する少数の熱のこもった活動が拡がりを持ち始めたのだ思います。
私はここに、これからの社会の構図として様々な可能性と希望を感じます。
100年に1度の大不況の結果噴き出した派遣社員の問題。それは20世
紀型資本主義社会の見直しを迫る現象だと私は考えています。
構想日本も、実は、この大不況の波を大きくかぶっています。法人企
業会費の急激な減少です。しかし、この大変革期、しかもこの重大な
時期に政治家も官僚も劣化がはなはだしい状況だからこそ、構想日本
は渾身の力をふりしぼって、本質的かつ具体的な政策を出し続けてい
かなければいけない。これが構想日本一同の決意表明です。
どうかご支援、ご指導いただきますよう、あらためてお願い申し上げ
ます。
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