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【No.389】離島から見た「生を全うする自治体」のありかた

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JIメールニュースNo.389  2009.2.27発行
離島から見た「生を全うする自治体」のありかた
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◆◇ 目 次 ◇◆

1.【離島から見た「生を全うする自治体」のありかた】

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1.【離島から見た「生を全うする自治体」のありかた】

学校支援地域本部長
宮崎 稔

医療ミスで体を壊し自殺した友がいる。政治の対策ミスで生活でき
なくなり自殺した人がいる。生を全うして自らの命を自らの意思で閉
じたのではなく、納得しないままに「閉じられた」といえる。
これを国レベルで考えてみるに、限界集落や山間僻地また離島は、
生き残りへ向けた懸命の努力にも関わらず、一部の「うまくいってい
る」自治体を除いて政治のミスによって閉鎖に近づいていると感じる。
右肩上がりだけを経験してきた日本であるが、これからは人口減や
産業の衰退等によって閉鎖に追い込まれる、つまり、倒産への一途を
たどり破綻してしまう自治体も出てくるのではないかと予想される。
仮に閉鎖に追い込まれる状況になったとしても、国の政治ミスで閉ざ
されるのではなく「住民が納得する村の閉じ方」で生を全うするように
対策を講じるべきである。
交通不便で気候は厳しく、高齢化と過疎化が進む離島の島根県隠
岐郡海士町へ移住した。素晴らしい人たちのいる町であるのに、過疎
化を食い止められない大きな理由に教育の持つ意味が大きいと感じて
いる。
「我が子により良い教育を」と願わない親はいない。しかし地方であ
るほど教育がないがしろにされている。解決策として学校の統廃合等
が検討されているが、離島では周辺に他の学校がないのでそれも無理
であり小規模になっても存続させる必要がある。一方その実態は、
例えば生徒数が少ないので一人の教員の専門教科の受け持ち時数は
少なくなり、免許外の科目をも教えるということが普通になっている。
さらに高校では、教師が少ないので必要最低限の必履修科目を全校
で一律に教えることしかできず多様な進路選択に対応仕切れない。
島根県独自の努力で、教員数の配当増がおこなわれたが、それでも
十分とは言えない。こうして学力格差が生み出されてしまっているので
ある。これでは「教育の機会均等と教育水準の維持向上(教育基本法
第16条)」が失われていることになる。そのため経済的負担があっても
都市部の高校へ下宿させたり、移住したりする保護者もいる。多くの離
島や僻地が類似の状況である。
この問題の根幹は、教職員数が全国一律の標準法で算定されている
ことにある。特別支援教育がそうであるように、法の算定基準に離島
枠を設けて法で保障する公教育が行えるように改正すべきである。
他にも課題は多いが、離島では機能しない法が随所に見られる。
こうして魅力を無くした離島からはやがて人が居なくなり荒廃するという
日が来てしまうのが恐れられている。
地域の実情に合致したきめ細かな法に改正すれば憲法で保障された
教育が実施され、若い家族の離島を幾分でも防げることになるはずで
ある。このようなことを見過ごしていることは政治のミスであると考える。
地方が納得する閉鎖ではない。自治体が崩壊する前に政治が早く
手を打ち、これ以上のミスを積み上げないことを期待している。

*宮崎 稔(みやざき みのる)氏 プロフィール
昭和21年埼玉県生まれ。埼玉大学卒業。千葉県内公立小学校教諭、
習志野市教育委員会指導主事等を経て、習志野市立秋津小学校長と
して「開かれた学校」による教育を実践。読売教育賞最優秀賞受賞。
学校と地域の融合教育研究会会長。無駄撲滅プロジェクト(文科省)
委員。退職2年目の昨年11月に島根県隠岐郡海士町へ移住。
学校支援地域本部長として現在に至る。

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