【No.435】事業仕分けが生んだ“生き物たんぼ米”
2010.01.21

■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
J.I.メールニュースNo.435 2010.01.21発行
「事業仕分けが生んだ“生き物たんぼ米”」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■
◆◇ 目 次 ◇◆
【1】 「事業仕分けが生んだ“生き物たんぼ米”」
【2】 第150回J.I.フォーラムのご案内 「事業仕分け報道を仕分ける」
【3】 公開講演会 「市民の政府と事業仕分け」のご案内
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

【1】 「事業仕分けが生んだ“生き物たんぼ米”」
――――――――――――――――――――――――――――――――
琵琶湖の西北、滋賀県高島市は合併後の財政再建に事業仕分けを導入し、
2006年11月、1058事業のうち1500万円以上の119事業を仕分けに
かけた。そのなかで最も印象深いのが病害虫防除協議会補助金への
「そもそも」だ。田んぼが3430haある高島市では、田んぼの農薬散布に
補助金を出すことは当たり前だった。何と仕分け人は、「そもそも補助金を
出す必要があるのか」と切り込んできた。必要性を疑わなかった私たちは、
問われたこと自体が驚きであった。
一反(10a)あたりの補助額は、約300円。これは補助対象の農薬単価と
安いホームセンターの価格差に等しかった。?!。誰のための補助金か。
慣例化していた一斉防除は、病害虫が発生する数カ月前に農薬が発注され、
病害虫の発生動向を確認する前に基準日を設け散布していた。見る
ポジションが変わり景色は一変した。
私たちはこの農薬をまく補助金を廃止し、農薬を減らしたり卒業していく
クリエイティブな農業創造の財源に廻天しようと考えた。ここから研究会が動き
出し、「生き物田んぼ米」の誕生や「無農薬藁納豆」へと物語は展開していった
のである。
「ガイアの夜明け」に取り上げられた若い農業者たちは、田んぼに沢山の
生き物が帰ってきたことで応援団もでき、大いに励まされている。絶滅危惧種の
ナゴヤダルマガエルやスジシマドジョウが沢山繁殖し、7種のサギが餌を啄ばん
でいる。月刊岩波(平成20年6月号)では、多田実氏が、高島の生き物田んぼ
には、コウノトリのようなスーパースターはいないが、普通の生き物が沢山生息
し、田んぼが「奇跡の共生システム」でることを教えてくれると書いてくださった。
外から来た仕分け人の「そもそも」がきっかけとなり、まさにコペルニクス的
転回をもたらした事例である。JALも私も分かっていても変われなかった。
今こそ、この国のあり方と私の暮らしを問う時だ。「仕分け」の「そもそも」に
チャンスを見出そうではないか。
<海東 英和 氏>
昭和35年、滋賀県高島市新旭町生まれ。新旭町役場職員、新旭町議会議員
などを経て、平成11年に新旭町長に就任。平成17年2月、旧高島郡6町村が
合併して誕生した高島市の初代市長に就任し、平成21年2月まで務める。
昨年11月の国の事業仕分けでは第二ワーキンググループの評価者を務める。

【2】 第150回J.I.フォーラムのご案内
――――――――――――――――――――――――――――――――
「事業仕分け報道」を仕分ける」
行政刷新会議の「事業仕分け」。オリンピックなみの報道の結果、日本中
― 職場で、家庭で、居酒屋で、道端でさえも、国の税金の使われ方が話題に
なりました。
しかし、一連の報道は実際の事業や議論を丁寧に伝えたものから、一部を
切り取って全く逆のイメージを作り上げるものまで、それこそピンからキリまで
でした。
実際の事業仕分けに携わった方、現場で取材をしたジャーナリストに集まっ
ていただき、現場での記者の行動や事業仕分けの報道ぶりから考えるべき、
日本の「報道のあり方」について議論していただきます。

○日 時: 平成22年1月29日(金) 18:30~20:30
○会 場: 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提示してください。
○開 演: 18時30分 (開場:18時00分)
○ゲスト: 熊谷 哲(京都府議会議員 行政刷新会議ワーキンググループ評価者)
寺田 学(衆議院議員 行政刷新会議ワーキンググループ評価者)
野口 陽(AERA編集部)
○進行役兼発言者: 上杉 隆(フリージャーナリスト)
○主 催: 構想日本
○定 員: 160名
○フォーラム参加費: 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
○懇親会参加費: 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/
————————————————————–
参加ご希望の方は、1月28日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
————————————————————–

【3】 公開講演会 「市民の政府と事業仕分け」のご案内
――――――――――――――――――――――――――――――――
構想日本の仕分け人でもあり、国の事業仕分けにも民間仕分け人として
参加した元我孫子市長の福嶋浩彦氏による公開講演会が、1月31日(日)に
鴻巣市赤見台市民センターで開催されます。
詳細は以下よりご確認ください。
http://www.saitamacity-support.jp/gnks13/pub/sheet.php?id=33100

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●JIメールニュースは、政策シンクタンク「構想日本」の活動情報などをお届け
する無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換させていただ
いた方、2.ホームページで直接購読を申し込まれた方にお送りしています。
配信停止をご希望の方は、「配信停止希望」と明記の上、このメールマガジン
にご返信ください。
●登録・配信停止・アドレス変更は、news@kosonippon.org へご連絡いただく
か、https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/regist.php で手続してください。
●みなさんの個人情報は、構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関
わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。
●転載は大歓迎ですが、「構想日本 JIメールニュースno.xxxより引用」の
ように、一言添えていただければ幸いです。またinfo@kosonippon.org宛てに
転載の旨、ご一報いただければ幸いです。
●みなさんのご意見をお待ちしています(800字以内でお願いします)。
info@kosonippon.org
いただいたご意見などは、バックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載
しています。 https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php
不掲載をご希望の場合は、必ずその旨を明記して下さい。
また、氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。
イニシャル、匿名、ハンドルネーム使用の場合は必ず明記して下さい。
なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は、禁止いたしま
す。
●好評の「ポリ吉ブログ」もご覧下さい。 http://blog.kosonippon.org/
●過去の「ワンクリックアンケート」の投票結果をご覧いただけます。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/backnumber.php
●書籍『入門 行政の「事業仕分け」』、『構想日本』シリーズの第1~4巻など
、好評発売中です。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/books/index.php
●構想日本提供の「政治家・政策データベース」もご覧下さい。
http://db.kosonippon.org/
□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
info@kosonippon.org
https://www.kosonippon.org/wp-manager/
Copyright(C) 1999-2009 -構想日本- All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□