メールマガジン

【No.474】日本の国土は大丈夫か?

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J.I.メールニュースNo.474 2010.10.21 発行
日本の国土は大丈夫か?
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◆◇ 目 次 ◇◆
【1】 日本の国土は大丈夫か?
東京財団研究員 平野秀樹

【2】 第159回J.I.フォーラムのご案内 10月26日開催

【3】 2010年度自治体の事業仕分け 開催スケジュールはホームページでご覧ください

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【1】 日本の国土は大丈夫か?
東京財団研究員 平野秀樹
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―― 外資が買い求める日本の山林 ――
「日本の森林が外資に買われている!」
噂が先行する中で実態が見えなかったが、とうとう北海道で実例が出てきた。道議会で明
らかになったのは、2008~2009年の8件。森林を買収した外資の国籍は、中国、
英領バージン諸島(香港資本)などで、総計460ヘクタールだ。「すべては合法的な売
買であって、ことさら問題視すべきではない」というのが一般的な見方であり、「だれが
所有しようとも、適正に山が管理されるならば問題はない」― そう言う声も少なくない。
このような意見は森林法など法的には正論かもしれないが、不在地主が転売を繰り返し、
行先不明になったりすると困ったことが起きる。固定資産税等を徴収することは難しくな
るし、公共事業として道を通そうとしても収用さえ不可能になるだろう。おまけに山林の
6割は「地籍」(土地の戸籍)が確定しておらず、登記簿も不正確なままだ。年金情報の
不備は有名だが、太閤検地以来、わが国の「地籍」調査はほとんど進んでいないという驚
くべき事実は知られていない。一方で日本は個人の所有権が世界一強いから、土地所有者
は自分の土地に対して法的制限を受けずに何でもできる。実態上、日本国内では個人の土
地所有権は政府の公権以上に強いといえる。

韓国には外国人土地法、EU諸国ではスウェーデンの自然保護・住宅地域に対する土地所
有制限をはじめとして国によっては外国人や外国企業の買収から森林や農耕地が守られて
おり、米国にはFINSA(外国投資国家安全保障法)という法律があり、外国による米
国への投資を精査・管理している。それに比べてわが国の国土保全制度はあまりに不備か
つ不十分だ。ボヤボヤしていると自由に森林の売買が行われた結果、濁った水が川に流れ
込む、土砂崩れが頻発するなど、被害をこうむる土地があちこちに現われかねない。また、
国土の約7割を森林が占めるわが国の木材自給率は過去20年間連続して30%を切って
いる。国内の外為法(外国為替及び外国貿易法)も、不動産業への投資なら事後届出だけ
でよい。これではまずいと、東京都やニセコ町では現在、水源林の「公有林化」を急いで
いる。しかし、すべての自治体でできることではない。多くの自治体ではその資金さえな
く、手をこまねいている。とりわけ、国境離島を抱える小さな自治体は窮乏している。
「100ヘクタールの山がまとまった。どなたかに買ってほしい*…。40年も手入れを
続け立派な山になりかけているが、もう持ちきれない。できれば本土のしっかりした企業
に…」。9月下旬、私は国境の島・対馬で、旧い友人からこのような相談を受けた。その
山は水源林だが、深山幽谷と呼べる山ではない。むしろ、そのほとんどが海につながる離
島の山だ。場所が場所だけに慎重を期すべきと思ったが、ブローカーは見逃すまい。そう
遠くない将来、地元不動産屋を経由したこの山が、土地所有者の使い方が自由で規制され
ていない魅力的物件として、国境を越えたマーケットに流れることがあっても、不思議は
ない。
偏狭なナショナリズムではなく、この国に住む人間として、長い目でみた公共の利益を真
剣に考え、国、自治体、個人の各レベルで、やれることから直ちにはじめなければと思う。
*参考:東京都は奥多摩水源林の買収価格として、近傍公示価格の100万円/ヘクタール
を例示し、住友林業は山林買収価格として20万円/ヘクタールを見込んでいる。
平野秀樹(ひらのひでき)氏プロフィール:
東京財団研究員、森林総合研究所理事
1954年生まれ。九州大学卒業。国土庁防災企画官、大阪大学医学部講師、環境省環境影響評
価課長、林野庁経営企画課長などを経て現職。日本ペンクラブ環境委員会委員、博士(農学)
著書:『奪われる日本の森』(共著;新潮社)、『森林理想郷を求めて』(中公新書)

【2】 第159回J.I.フォーラムのご案内 10月26日(火)開催
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事業仕分け・オリジナル
― 仕分けの本当の意義と今後の生かし方 ―

構想日本が、行政の事業仕分けを始めて9年目。昨年は政府が実施し、今や「事業
仕分け」は日常の言葉になっています。地方自治体での実施は今年中に100回を越
える予定で、「市民仕分け人」「市民判定人」などの進化も見られます。一方で、
「仕分けもどき」が出現したり、間違い報道も多く見られます。
政府の事業仕分け第三弾(特別会計)を間近に控え、そもそも事業仕分けの本質、
意義は何なのか、仕分けの二大要素である「外部者の視点」「全面公開」を政治
や行政に、もっと生かせるのではないか、などについて事業仕分け「オリジナル・
メンバー」に語っていただきます。

○日 時: 平成22年10月26日(火) 18:30~20:30
○会 場: グランドアーク半蔵門ホテル3F 光の間
〒102-0092 千代田区隼町1-1 TEL 03-3288-0111
http://www.grandarc.com/index.html
○開 演: 18時30分(開場:18時)
○討論者  :荒井英明(厚木市職員)
海東英和(内閣府公益認定等委員会委員)
河野太郎(衆議院議員)
小瀬村寿美子(厚木市職員)
中村卓(構想日本・元草加市職員)
山内康一(衆議院議員)
○コーディネーター : 野中尚人(学習院大学教授)
○主 催: 構想日本
○定 員: 160名
○フォーラム参加費: 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
○懇親会参加費: 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「アイニンファンファン」 http://www.aini-fanfan.com/
千代田区麹町1-7相互半蔵門ビルB1 電話 03-5210-3587
※今回のJIフォーラムはニコニコ動画で配信予定です。
————————————————————–
参加ご希望の方は、10月26日午前中までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
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【3】 2010年10~11月自治体の事業仕分け 開催スケジュール
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<2010年10月>
横須賀市   23日(土)、24日(日)
足利市    30日(土)
松阪市    30日(土)、31日(日)
桐生市    31日(日)
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<2010年11月>
富岡市     6日(土)、 7日(日)
深谷市     7日(日)
益田市    13日(土)、14日(日)
小諸市    21日(日)
龍ヶ崎市   27日(土)、28日(日)
●詳しくは構想日本HPをご覧ください:http://www.kosonippon.org/shiwake/contribution/index.php
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