メールマガジン

【No.486】阿久根市から見えてきた地方自治制度の課題

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J.I.メールニュースNo.486 2011.01.20発行
阿久根市から見えてきた地方自治制度の課題
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【1】 阿久根市から見えてきた地方自治制度の課題
学習院大学法学部教授 野中尚人
【2】 第162回J.I.フォーラム 1月25日開催予定

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【1】 阿久根市から見えてきた地方自治制度の課題
学習院大学法学部教授 野中尚人
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住民からのリコール請求によって、鹿児島県阿久根市の出直し市長選挙が行われた。
名古屋市や大阪府・市の問題も含めて、地方自治と地方議会の抱える問題が噴出して
来つつある。
ここでは特に、専決処分と議会の招集権について考えてみよう。専決処分とは、
二元代表制を採る日本の地方自治制度の中で、本来は議会の議決によるべき事項に
ついて、首長の判断・決定で決定し実行することを指している。当然ながら、専決処分は
できるだけ抑制的に、かつ軽微な事案についてのみ使われるべきである。むろん、
阿久根市の竹原市長のやり方は行き過ぎているが、実は、専決処分は広範に行なわれてい
る。しかも、予算や条例といった、本来適用されてはならない案件についても相当頻繁に
行なわれている。これでは、地方議会の存在意義に深刻な疑念が生じるのは致し方ない。
阿久根市の争いから明らかになったもう1つの問題は、議会の招集権である。竹原市長は、
議会の多数派が反対する状況で議会をそもそも招集せず、本来は議会の議決や承認が必要な
案件まで含めて、全て専決処分で物事を進めようとした訳である。
現行の地方自治法では、基本的に議会を招集する権限は首長に与えられている。それに
対して、定数の4分の1以上の議員あるいは議長は、議案を付して、首長に対して臨時会の
招集を請求できることとなっている。竹原市長は、この請求を長い間ほぼ無視し続けたの
である。専決処分の乱発といい、議会の招集拒否といい、深刻な問題を孕んだ手法だと
いうことは間違いない。しかし、ちょっと考えて見ればわかることだが、二元代表制の下で、
議長ではなく、首長が招集権を持っていること自体がおかしい。根本的に間違った制度だ
と言える。
残念なことに、日本の地方自治制度は、こうした基本ルールの設定においてさえ未熟な
ままだということである。歴史的な進展に基づく議会制度の本質論からすれば、権力分立型の
日本の地方制度の中では、首長が議会の招集権を持つ体制などはとっくに廃止されていて
しかるべきであった。議院内閣制を採用している国とは異なり、二元代表制は権力の分立と
相互抑制が基本だからである。
地方自治の制度的な枠組みについては、様々な面において今後大いに議論し改善すること
が強く求められている。

【2】 第162回J.I.フォーラムのご案内 1月25日(火)開催
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市民にも覚悟が求められる
― 統一地方選を前に、地方自治の本質を考える ―
マスメディアで「専制的」「議会無視」と報道された鹿児島県阿久根市の竹原市長が
リコールによる市長選挙で落選しました。864票差でした。
日本のメディア報道は、多くの場合表面的、恣意的です。竹原前市長が単に専制的な
市政を行っていただけなら、これだけ伯仲した結果にはならなかったでしょう。
阿久根市に限らず、地方議会の機能不全は、誰もが感じています。名古屋や大阪でも
かなり「とんがった」意見や手法が出ています。竹原前市長がとった「極端な」手法。
そこを通して、地方議会の問題点、市民に求められるもの、など地方自治と地方の
再生の核心が見えていると思います。
○日 時: 平成23年1月25日(火) 18:30~20:30
○会 場: 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提示してください。
○開 演: 18時30分(開場:18時)
○討論者  :竹原 信一(前阿久根市長)
穂坂 邦夫(地方自治経営学会会長)
地方議員他
○コーディネーター : 加藤秀樹(構想日本)
○主 催: 構想日本
○定 員: 160名
○フォーラム参加費: 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
○懇親会参加費: 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
————————————————————–
参加ご希望の方は、1月25日の朝までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
————————————————————–

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