【No.504】暮らしの原点を問い直すとき
2011.05.26

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J.I.メールニュースNo.504 2011.05.26発行
暮らしの原点を問い直すとき
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【1】  暮らしの原点を問い直すとき
地域づくり情報誌『かがり火』発行人 菅原歓一
【2】  第166回J.I.フォーラム 6月30日開催
【3】 「税・社会保障制度の抜本改革」を考える
衆参全議員 連続討論会のご案内
5月31日(火)開催
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【1】  暮らしの原点を問い直すとき
地域づくり情報誌『かがり火』発行人 菅原歓一
「農家では狭い耕地は、長子単独相続で、長男に伝えられるため、二・三男たちは、
きわめて不安定な立場にあった。また、その生産は、家長を中心とする一家総出の
家族労働によって行われたため、家長の支配権が強かった。このような封建的な家庭
生活は、ひいては社会生活のあらゆる部分を封建的なものにしがちであった。こうして、
格式を重んじたり、無意味な風俗・習慣が、いつまでもたもたれたりしている」
これは昭和31年の中学校社会科の教科書の一文である。このころの社会科教科書では、
農業・農村について、狭い耕地、機械化の遅れ、激しい労働、封建的な集落、粗食、
女性の地位の低さ、脳卒中など疾病率の高さというような言葉で説明している。
病気になっても医者にかからず、祈祷師に頼んでいるところもあると、写真付きで
解説している教科書もあった。
反対に、都市については明るい記述が多い。
「大都市の中心といわれるところには大きなビルジングがたちならんでいる。小都市でも
大きな建物は中心部にある。これらは、たいてい、官庁・会社・銀行・百貨店などである。
新聞社・放送局などのようなものも、都市に集中している。こういうところは、ちょくせつに
生産のしごとはしていないが、政治・経済・文化・通信などの中心になって活動している。
都市にはまた、ふつう『さかり場』といわれるところがある。『さかり場』には、商店・
娯楽設備・飲食店などが集まっていて、人のでいりがはげしい」
農村を紹介する時にはネガティブな言葉を多用している半面、都市についてはあこがれを
かき立てるような文章である。高度経済成長期に差し掛かる直前、国は農村地帯から
労働力をかき集めて都会に送り込むために、子どもたちを洗脳したのである。戦前、若者
たちを戦場に送り込むために「八紘一宇」「五族協和」を唱導していたのに似ていなくもない。
教科書を編纂している人たちはいずれも当時の高名な学者たちである。これらの学者たちも
55年後には農村地帯が疲弊し、高齢化・過疎化で悩まされ、限界集落が出現するとは思いも
しなかっただろう。
私たちは10年後20年後ぐらいならばある程度予測できるが、50年後となれば想像し難い。
しかし、国家の根幹となる政策は50年ぐらい後になってその結果が出てくる。その時になって
政策が間違っていたと気付いても、もはや修復不能で手遅れという場合が多い。
“権威”、“碩学”と言われる学者であっても50年後の国のかたちを予測するのは困難なのだ。
ならば自分たちの未来を他人に委ねるのではなく、私たちが自分の頭と自分の言葉で、巨大な
システムに依存しない柔らかい社会をつくっていくしかない。普通の人間たちの自制と謙虚さの
ある議論のほうが、専門家の高邁な理論よりもよっぽど正しい解を導き出すこともあるのでは
ないか。
6月11日午後2時から、文京区民センターで「第3回地域力フォーラム」を開催します。前回同様、
多くの方のご参加をお待ちしております。詳細はhttp://www.kagaribi.co.jp/

【2】  第166回J.I.フォーラム 6月30日開催
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福島県飯館村長の話を聞く(仮)
○日 時: 平成23年6月30日(木) 18:30~20:30
○会 場: 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提示してください。
○開 演: 18時30分(開場:18時)
○ゲスト  :菅野 典雄(福島県飯館村長)ほか
○コーディネーター : 加藤秀樹(構想日本)
○定 員: 160名
○フォーラム参加費: 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
○懇親会参加費: 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
(http://www.iwaen.co.jp/tameike/)
————————————————————–
参加ご希望の方は、6月29日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
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【3】「税・社会保障制度の抜本改革」を考える
衆参全議員 連続討論会のご案内
5月31日(火)開催
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東京財団・(株)PHP研究所・みずほ総合研究所(株)・構想日本・(株)日本総合
研究所が共催で、『衆参全議員 連続討論会「税・社会保障制度の抜本的改革」を
考える』を2月から6回にわたって、毎週火曜日に開いてきました。
震災の影響により一旦延期していましたが、5月24日に再開しました。
政治の停滞を危惧するシンクタンクが集まり、国民的な議論が必要な政策課題を国会
議員や有識者が、党派を超えて率直に話し合うことができる「場」を作りました。
ぜひご参加ください。
≪第7回開催概要≫
東京財団・(株)PHP研究所・みずほ総合研究所(株)・構想日本・(株)
日本総合研究所 共催
衆参全議員 連続討論会 ~「税・社会保障制度の抜本改革」を考える~
【日時】2011年5月31日(火)18:00~20:00(終了予定)
【会場】日本財団ビル2階会議室 東京都港区赤坂1-2-2日本財団ビル
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
第7回討論会は、政府における検討も踏まえ、これまでの議論のとりまとめとして、
また、東日本大震災によってさらに明らかになったセーフティネット等に関する
問題も含めて、税と社会保障制度の抜本改革がいかにあるべきか、そして、この
問題に政治家がどう取り組むべきか、国会議員および有識者を交えた討論を行います。
【コーディネーター】
亀井善太郎(東京財団研究員・政策プロデューサー)
【定員】     100名
※定員を超える場合はお申し込みの受付先着順とし、傍聴できない
場合もあります。当日はインターネットを通じた中継も行います。
予めご承知おきください。
★詳細・お申し込みについては東京財団のホームページをご覧ください。
http://www.tkfd.or.jp/
★当日のインターネット中継はUstreamからご覧いただけます。
http://www.ustream.tv/channel/tokyofoundation

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