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【No.519】ポートランド訪問記(2)ネイバーフッド・アソシエーションに見た彼らの豊かさ

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J.I.メールニュースNo.519 2011.09.08発行
ポートランド訪問記(2)
ネイバーフッド・アソシエーションに見た彼らの豊かさ

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【1】 ポートランド訪問記(2)
ネイバーフッド・アソシエーションに見た彼らの豊かさ
南山城村役場総務課魅力ある村づくり推進室長
2011年度東京財団週末学校研修生 森本健次

【2】 第169回J.I.フォーラム 9月28日(水)開催

【3】 事業仕分け 次回は9月17日(土)、18日(日)三重県です

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【1】 ポートランド訪問記(2)
ネイバーフッド・アソシエーションに見た彼らの豊かさ
南山城村役場総務課魅力ある村づくり推進室長
2011年度東京財団週末学校研修生 森本健次

構想日本が「事業仕分け」の講座を担当した東京財団主催の市区町村職
員研修プログラム「週末学校」。そのプログラムの一環で住民自治の先
進地域ポートランドに行った全国の基礎自治体の職員の声を、3回にわた
ってお伝えしています。

***
ポートランドの住民主体のまちづくりのキーになっているのがネイバー
フッド・アソシエーション(NA)の存在だ。米国オレゴン州ポートラ
ンド市には、95のNAが存在し、それぞれの地域が抱える課題解決に取
り組んでいる。NAは日本の自治会・町内会的なイメージだが、同じも
のと考えると本質を見誤る。いまや地縁や名誉職として組織されること
が多い日本の自治会に対し、NAは地域の共通の関心や課題解消といっ
た具体的な目的のために存在する。

本研修は現場訪問や当事者たちとの現場での意見交換を中心に組み立て
られており、その一環で実際のNAでの話し合いを傍聴した。本稿では、
NAでどんな話がされているのかを皆さんと共有したい。

私が訪れたNAのミーティングはSWNI(South West Neighbors,
Inc.)というポートランド南西部地区における各NAの公園事業担当責
任者の会合であった。ミーティングは、市民が参加しやすい時間や場所
が工夫されている。夏のポートランドは21時頃まで明るく、この会合は
同地区の公園のベンチを利用して行われた。参加者は10名ほどで、性別、
年齢もまちまちだが、各地区の責任者ということもあって年配が多い。

行政担当者から市の取組みの報告から始まり、腐食してしまった金属モ
ニュメントの処置等、公園に関わるあらゆる事柄について、熱心な議論
が行われる。行政担当者の報告の後は、担当者を交えた意見交換となり、
最近、火事で燃えてしまったトイレの改修に関する要望など、具体的な
意見が行政に寄せられた。もちろん、予算の制約等を考えれば、すぐに
できるものではないだろうが、行政担当者は丁寧な説明を心がけており、
市の情報提供・意見集約の場としてだけでなく、その課題を市民と共有
するための場にもなっている。

自由討議の時間になって、一番若いと思われる男性から、他の参加者に
相談があった。公園内にあるコミュニティガーデン(市民農園のような
もの)の整備について、反対派がいて、必ずしも多数派を形成するとは
思えないが、その対応に苦慮しているという。彼らを排除した会合を考
えているともいう。

周囲は、彼の悩みを共有し、自らの経験を踏まえた意見を多数出した。
基本的には、反対派の意見を無視し、退けるのではなく、常に前向きに
接することが重要と伝えていた。反対意見にきちんと耳を傾ける、彼ら
に正しい情報を伝える、反対者とどのような点で折り合えるのか改善例
の検討等を示した。周囲の励ましと具体的な事例紹介により、相談した
彼も、アドバイスに従い反対派と向き合っていくことを決心したようだ。

ミーティングに参加した彼らは、報酬はもちろん、権限も予算も与えら
れていない。しかし、彼らの議論は、地域をより良くするにはどうすべ
きか、その一点に集約した真摯なものだ。日本の行政と地域住民との関
係という枠組みから見ると、「彼らはなぜそこまでやれるのか?」、
「その動機は何なのか?」という疑問が沸く。そこで、彼らに質問した
ら、どう答えるだろうかとその場で考えてみた。きっと彼らは「なぜ日
本ではやらないのか?」と答えるに違いない。それほどに迷いがない。

ミーティング後に、一人の男性が、自分達が公園に植えた木々を得意気
に説明してくれた。その姿に彼らの誇り「自分たちの地域のことは自分
たちで考え、作っていく」を感じた。その誇りと行動こそが、彼らの豊
かさなのだ。ポートランドでは、公(public)、みんなのことを住民自
身が担っている。行政はその担い手を構成する一員にすぎない。そのこ
とを体感できた現場訪問であった。

以前は、日本でもこうした誇りと行動はあった。省みれば、行政マンと
して、住民の誇りと行動を蔑ろにしてきたのかもしれない。私自身、ポ
ートランドの行政職員がそうしているように、住民と共に考え、作って
いく、その難しさと楽しさに真正面からぶつかっていきたいと思う。

***
東京財団週末学校の詳細はこちらをご覧ください。
http://tkfd-shumatsu-gakko.jp/schedule.html

ポートランドでの研修プログラムに関するレポートもあわせてご覧くだ
さい。
http://tkfd-shumatsu-gakko.jp/report/2011/vol06/portland1.html

【2】 第169回J.I.フォーラム 9月28日(水)開催
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「若者にとって政治とは」(仮)

ゲスト:荻上チキ
他、社会の問題解決にチャレンジしている若者達複数

※その他、詳細は決まり次第お知らせします。

【3】 事業仕分け 次回は9月17日(土)、18日(日)三重県です
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◆三重県(2)

日時: 9/17(土)、18(日)9:00~17:00
会場: 三重県総合教育センター
お問合わせ先: 総務部予算調整室(TEL059-224-2216)
対象事業数: 40事業程度

※( )内の数字は実施回数。

*今後のスケジュールなど、詳しくは構想日本HPをご覧ください。
http://www.kosonippon.org/shiwake/contribution/index.php

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