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【No.530】東北の復興に必要な「顔の見える金融」

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J.I.メールニュースNo.530 2011.11.24発行

東北の復興に必要な「顔の見える金融」

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【1】 東北の復興に必要な「顔の見える金融」
地域共創ネットワーク 代表取締役 坂本 忠弘

【2】 第171回J.I.フォーラム 11月28日(月)開催 ※日付変更※

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【1】 東北の復興に必要な「顔の見える金融」
地域共創ネットワーク 代表取締役 坂本 忠弘

「緊急支援は援助だが、復興局面では地場産業への投資が必要となる。」
今年初め、国内災害緊急支援を行うNPO、シビックフォースのメンバ
ーとそのような話をした。援助は貴重なものであるが、その永続性には
疑問が残る。誰かに依存しすぎると、誰かがそのツケを負わなければな
らなくなるものだ。国に依存しすぎ、巨大な債務が積み上がり、そのツ
ケをどう支払っていくのか。いま起きている国債危機は、そういうこと
ではないか。

グローバル化の中で、金融の動きはおかしくなった面がある。地域のお
金(預金)が地域の事業に循環(融資)する「金融の地産地消」では、
顔の見える長い関わりが強みであったが、それが失われてきた。顔の見
えない相手先への投融資は、リスクを分散するという題目のもとで行わ
れてきたが、近年は、お金の行き先との関わりが希薄になったことで、
かえって大きなリスクを生み出すケースもしばしば起きている。

東北の地場産業の復興への動きに目を向けてみると、まず再起への資金
の手当てをどうするかが、最初のハードルとなっている。小さな事業者
は基盤となる資本も小さい。そのため、被災の打撃で設備等の物的資産
が失われた上に、借入となる融資を受けることも難しい場合が多いのだ。
政府は二重ローン問題等に対する施策を打ち出しているが、復旧見込み
が立ちやすい大きな企業から手を付けていき、地域に根ざしている小さ
な事業者への対応は後回しになりがちだ。金融機関も自らの体力の温存
を意識してなかなかリスクはとれないという。

しかし、そのような中でも立ち上がろうという動きはある。「元に戻る
だけではだめだ。色々な人が関わってくれるこの機会に、新たな展開を
切り拓いていかなければ」という声が、一つ一つは小さくとも、確かに
ある。事業者にとって、できるだけ早く、できるところから事業活動を
再開することが、生産連携先や取引先顧客との縁をつなげて、生命力を
復元し、高めていく源となるのだ。

先述のシビックフォースによる災害支援活動には10億円を超える寄付
がよせられた。この一部を原資に東北の地場産業の復興を支援する新し
いタイプの基金を創ろうと、復興段階に進む中で具体的な構想づくりを
始めた。キーワードは、「共益投資」。単一企業の復旧にとどまること
なく、関係する取引先・従業者・地域社会に復興の動きが波及していく
ような「共益事業」に目を向け、資本としての資金を提供していく。

寄付を原資に、事業投資を行い、再起の実現とともに償還された資金は、
震災支援を続ける東北地域のNPO等に助成のかたちで再投資する。事
業性と社会性を組み合わせた、二度の資金循環を実現していく。皆で知
恵を出し合い、このような新しいつながりの環をつくる基金、「東北共
益投資基金」が、近く正式に活動を始めることとなった。

既に、石巻の雄勝で600年の歴史を持つ硯の生産販売協同組合とは、
硯(すずり)や石瓦の再起だけではなく、文房四宝(硯、墨、筆、和紙)
での連携、また、漆黒の皿として食器事業の新たな展開を通じて雇用を
拡大し後継者を確保する動きを進めている。また、東北各地の伝統工芸
の支援事業者とは、その技の承継と産業としての新たな展開を図ってい
く話を始めている。さらに、沿岸部の水産業地域では、地場の生産販売
生態系といえるものの中で、鍵となる位置づけや役割をもつ事業者の存
在に目を向けているところだ。

この新たなコミュニティ金融のアプローチが、各方面の動きの触媒とな
ればと思っている。伝統産業を守るために被災の現場から立ち上がって
いる生の声を聴いていただきたい。

坂本 忠弘(さかもと・ただひろ)
1966年、奈良県生まれ。1990年、東京大学法学部卒、大蔵省入省。霞が
関在職時より、金融分野を中心にCSRを推進する動きや地域金融・中
小企業金融の新たな動きに関わり、また、自治体の予算改善・地域活性
化の支援や社会起業家との協働を行う。退官後、2007年、地域共創ネッ
トワークを設立。地域金融機関の新たな融資・投資のソリューションの
提供、地域資源を活かした事業活動の支援などに取り組む。一般財団法
人として設立手続中の東北共益投資基金の立ち上げコアメンバー。

※東北の伝統産業は今回の震災による被害でまさに「とどめ」を刺されよ
うとしています。人間の筋肉は、運動したあとの筋肉痛を経て、前より
もたくましくなります。同じように、東北の伝統産業が今回の被害を乗
り越えて「超回復」するためには、私たちはどのように関わっていくべ
きでしょうか。11月28日のJIフォーラムで、ぜひ一緒に考えて頂きたい
と思います。

【2】 第171回J.I.フォーラム 11月28日(月)開催 ※日程変更※
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東北の伝統産業を生きかえらせよう

東北の伝統産業の多くは震災で瀕死の状態です。主要産業と違い、行政
や大企業の救いの手も届きません。「衰退産業だから」仕方ないのでし
ょうか。伝統産業が含み持っている技術、素材、人のつながりの中には、
現代の生活や産業のバックボーンをなす知恵が限りなくあります。だか
らこそ、どこの国でも大事にしているのです。行政や学者の復興プラン
は現実には使えないものが多いのです。そこで、職人や経験者ととこと
ん話し合い、人や金をつないで復活、再生に奔走している3人の方に熱
のこもった話をして頂きます。

○日時: 平成23年11月28日(月) ※以前のご案内から変わりました。

○会場: 日本財団ビル2階・大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提出してください。

○開演: 午後6時30分(開場:午後6時00分)

○ゲスト:坂本 忠弘 (地域共創ネットワーク株式会社 代表取締役)
田中 陽子 (暮らしのクラフトゆずりは 店主)
畠山 重篤 (牡蠣の森を慕う会 代表)
若林 洋一 (仙北信用組合前理事長)

コーディネーター:加藤 秀樹 (構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 160名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費: 4000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡くださいますようお願いいたします。
懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
(http://www.iwaen.co.jp/tameike)

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参加ご希望の方は、【11月27日まで】に出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
※懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。

——————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後の開催予定日: 12/21(水)、【2012年】1/31(火)、2/29(水)
3/27(火)、4/25(水)、 5/29(火)、 6/27(水)、 7/31(火)
8/29(水)、9/25(火)、10/31(水)、11/27(火)、12/19(水)
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