メールマガジン

【No.532】政策仕分けの課題とは何か

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J.I.メールニュースNo.532 2011.12.08発行

政策仕分けの課題とは何か

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【1】 政策仕分けの課題とは何か ~国家戦略との文脈をつくること~
政策シンクタンクPHP総研 研究主幹 永久 寿夫

【2】 第172回J.I.フォーラム 12月21日(水)開催

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【1】 政策仕分けの課題とは何か ~国家戦略との文脈をつくること~
政策シンクタンクPHP総研 研究主幹 永久 寿夫

PHP総研とUSTREAMのコラボで「提言型政策仕分け」の実況解
説を行なった。仕分けの議論の最中に言葉を重ねざるをえないという技
術的な難しさはあったものの、仕分けの内容がわかりにくいという視聴
者からの批判に応える一つの試みであり、大きな意義があったと考える。
解説者には、構想日本のベテラン仕分け人たち、各分野の専門家、そし
て浜松の現職市長・鈴木康友さんをお迎えした。急な要請だったのでス
ケジュール調整が大変だったはずなのだが、みなさん快くお引き受けい
ただいた。これも仕分けの重要性を深く理解している方々だからであろ
う。この場で、あらためてお礼を申し上げたい。
(解説のアーカイブはこちら、http://www.ustream.tv/channel/phpinstitute-tv )

さて、実況解説も初めてであったが、「提言型政策仕分け」も初めての
試みであった。その目指すところは、「事業」ではなく、その上位概念
である「政策」を仕分け、さらにその政策に対して「提言」をするとい
うものである。個別の事業を仕分けした結果として、その根拠や前提と
なっている政策に問題ありと考えられる場合がある。そうなると、事業
そのものではなく政策を根底から仕分けなければならない。つまり、事
業仕分けでは解決できない課題を解決するというのが、この「提言型政
策仕分け」である。

もっとも、今回は事業仕分けの手法に依存しすぎた面もあり、なかなか
政策論に発展しなかった場面が多々あった。例えば、「もんじゅ」を維
持するだけでも年間200億円以上かかるため、これを廃止すべきとい
う議論や、省エネや新エネルギーに対する補助金をどうするかといった
議論はあったが、「もんじゅ」にかかる費用を新エネルギーへの投資に
回して雇用の拡大をはかるといった政策論には展開しなかった。もちろ
ん、事業仕分けを超える成果もあった。デフレ下でも年金支給額が減額
されないという現行政策の不合理を明らかにし、その適正化を求めた点
などは、その一例であろう。今回の仕分けについては賛否様々だが、そ
の方法についての課題が分かったこと自体も成果と捉えるべきである。

政策仕分けを改善するためにもっとも重要なことは、「事業仕分け」、
「政策仕分け」という帰納的な課題解決プロセスとビジョンや国家戦略
からの演繹的政策決定を結びつけることである。事業仕分けは、その前
提となっている政策を「是」とし、その政策の効果や効率を高めること
を追求する、いわばQC活動である。政策仕分けは、その政策そのもの
の是非を問うものであり、事業仕分けでは解けない課題を解決する一つ
の方法といえる。しかしながら、政策仕分けもさらにその上の概念であ
る国家戦略や日本のビジョンとの整合性がなければ、その意義が薄れた
り、逆効果になってしまう恐れがある。

ビジョンの実現の方法として国家戦略があり、国家戦略の分野別資源配
分が政策となる。そしてその政策を具体的に実現するのが事業である。
したがって、この流れには一貫性が求められる。企業で例えれば、事業
戦略と文脈がないQC活動を行なっても、効率も効果もそれほど高まら
ないのと同じである。国レベルでこの課題を解決するには、行政刷新会
議と国家戦略会議・室の連携強化が必要となろう。今後の野田政権の動
きに期待したい。

永久 寿夫 (ながひさ・としお)
1982年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同年PHP総合研究所入社。
88年、スタンフォード大学にてロシア・東欧学修士号取得。94年、カリ
フォルニア大学にて政治学博士号取得。国家経営研究部長などを経て、
現在に至る。日本の政治行政制度、政治プロセス、公共政策、国政・地
方選挙などの分析・研究を通じ、問題提起や政策提言を行なっている。

【2】 第172回J.I.フォーラム 12月21日(水)開催
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「日本が変わりはじめた」

~社会起業家、NPO、公益法人、新しい公共・・・~

「社会起業家を目指したい」、「NPOの活動に参加している」。最近
若者からよく聞く言葉です。公益法人制度は新制度へ移行中。民主党政
権は「新しい公共」を掲げ、寄付税制も大きく進みました。阪神大震災
のときにNPOが注目され、東日本大震災の支援でも公益法人、NPO
の活動が目立っています。これらが意味することは、従来は行政が担っ
てきた公的なこと、社会的なことを、様々な民間団体が担うようになっ
てきたということです。日本が「民主導」の国に変わりはじめたことの
表れではないでしょうか。それぞれ異なる立場でこの分野をリードして
いる5人の方に、いま起こっている動きやお考えを話して頂きます。

○日時: 平成23年12月21日(水)

○会場: 日本財団ビル2階・大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提出してください。

○開演: 午後6時30分(開場:午後6時00分)

○ゲスト: 池田 守男(株式会社資生堂 相談役/内閣府公益認定等委員会 委員長)
長谷川 政宣(福島県いわき市 保健福祉部 長寿介護課 課長補佐)
前田 綾子(北海道滝川市 総務部企画課広報広聴室 主任主事)
森本 健次(京都府南山城村 総務課 魅力ある村づくり推進室長)
湯浅 誠(NPO法人自立生活サポートセンターもやい 事務局長)

コーディネーター: 加藤 秀樹 (構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 160名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費: 4000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡くださいますようお願いいたします。
懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。
「パスタフローラ」 港区虎ノ門2-2-1JTビル1F TEL 03-6277-6568
(http://www.heart-link-c.co.jp/pastafrolla/)

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参加ご希望の方は、【12月20日まで】に出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
※懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。

——————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後の開催予定日: 【2012年】1/31(火)、2/28(火)、3/27(火)、
4/25(水)、 5/29(火)、 6/27(水)、 7/31(火)、8/29(水)、
9/25(火)、10/31(水)、11/27(火)、12/19(水)
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