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【No.540】職人リレーエッセー(17)職人の能力を引き出す「目利き」が求められている

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J.I.メールニュースNo.540 2012.02.09発行

職人リレーエッセー(17)
職人の能力を引き出す「目利き」が求められている

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【1】 職人リレーエッセー(17)
職人の能力を引き出す「目利き」が求められている
左官 挾土 秀平

【2】 第174回J.I.フォーラム 2月28日(火)開催

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【1】 職人リレーエッセー(17)
職人の能力を引き出す「目利き」が求められている
左官 挾土 秀平

時折、気の利いた骨董屋をぶらっとのぞくことがある。数年前、8枚セ
ットの漆塗りの皿に出会い、とても手技とは思えないほど緻密な銀の象
眼と、クドすぎず程よいデザインに惚れ込んで買い入れてしまった。家
に持ち帰ってまじまじ眺めてみると、改めて、こんな粋な職人はもうい
ないだろうな、としみじみ思う。昨今の日本は、「早く安く」の経済優
先。職人技は、生きているというよりは、消えることがない程度に生か
されている状態で、この先も我々の感覚や生活からますます離れていっ
てしまうことが安易に想像できてしまう。

こう言うと、現場を知らない人に限って「いやいや、まだまだ日本の物
づくりの底力はこんなものではないから大丈夫です」、「日本の伝統は
世界に誇るべきもので、簡単には消えることはありません」などと返す
ので、話はいつも何となく途切れてしまう。しかし、そうして年月が過
ぎるうちに消え去ってしまった職人を、私はどれだけ見てきたかわから
ない。

こうした状況を何とかしようと、一流のデザイナーやプロデューサーの
中には、伝統的な技能者の技を取り入れた創作をしようとする動きもあ
る。確かに、世界情勢や生活スタイルがどんどん変わりゆく中で伝統を
残していくには、伝統の技と素材を用いながらも、常に現代的な表現を
提案していかなければならない。新しい表現が受け入れられていくこと
で、その奥にある本質に人々の目が向けられてゆくという期待もある。
しかし、企画自体は素晴らしくても、せっかくの機会をうまく活かせて
いないというもどかしさを感じることが多い。

例えば、ある仕事を要求されたときに、職人同士であれば、職種が違っ
たり、経験や技術の差があったりしても、「それは無理だ」、「それな
らできる可能性はある」という判断がつく。しかし、職人同士でない場
合には、要求している側にプロジェクトの実現可能性を説明しても、な
かなか理解されないことが多いのだ。デザイナーの場合、このデザイン、
この意匠をどうしても実現したいという気持ちに執着しすぎて、「その
ような材料、工法であれば、こういうリスクもあるだろうな」と想像す
る力が足りなかったりする。この不況のなか仕事を断ることもできず、
ついつい引き受けてしまう職人がいると、せっかくの挑戦が失敗に終わ
るだけでなく、クレームまでついてしまう。

そこで私は、職人の潜在能力を引き出せる人材、すなわち、作り手の技
能を理解し、ほんの少しだけ技量を上回る要求を出すことができる目利
き、いわば名伯楽とも言える存在こそが、日本の伝統を守っていくため
に今一番求められているものなのではないかと思うのである。こうした
視点は今まで見落とされがちだったのではないだろうか。

残念ながら、日本の美しさを担う技能者、腕のある職人ほど、ある日何
も言わずに身を引いていくのが現実だ。それが職人の最後の美学だなど
という悲しい国にしてはならない。

挾土 秀平(はさど・しゅうへい)
左官技能士。1962年、岐阜県高山市生まれ。1983年、技能五輪
全国大会左官部門で優勝。1984年、同世界大会出場。2001年、
14人を率いる「職人社 秀平組」を設立。近代的な建設物や個人住宅
から、日本伝統の土蔵や茶室まで、幅広く壁塗りを手がけている。天然
の土と素材から生み出される独自の世界観は、モダンかつ斬新で、日本
全国に活躍の場を広げている。

【2】 第174回J.I.フォーラム 2月28日(火)開催
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タネが危ない

-日本の食料、農業、そして私たちの生活は大丈夫か-

かつて農家は自分で花や実からタネを採り、植えていました。今は「一
代限りのタネ」を毎回タネ屋から買うのが普通です。これは何を意味す
るのでしょうか。野菜など農作物の画一化、世界的なタネビジネス資本
による農業支配、長期的には健康に対する影響など様々な問題が考えら
れます。タネという小さな、しかし、私たちの生存の基盤とも言えるも
のから私たちの生活、食の安全保障などについて考えます。

○日時: 平成24年2月28日(火)

○会場: 日本財団ビル2階・大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提出してください。

○開演: 午後6時30分(開場:午後6時00分)

○ゲスト: 野口 勲(野口のタネ/野口種苗研究所)
阮 蔚(ルアン・ウエイ)
(株式会社農林中金総合研究所 基礎研究部 主任研究員)

コーディネーター: 加藤 秀樹(構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 160名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費: 4000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡くださいますようお願いいたします。
懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
http://www.iwaen.co.jp/tameike

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参加ご希望の方は、【2月27日(月)まで】に出欠の是非を、下記の
メールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
※懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。

——————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後の開催予定日:
3/28(水)、 4/25(水)、 5/29(火)、 6/27(水)、 7/31(火)
8/29(水)、 9/25(火)、10/31(水)、11/27(火)、12/19(水)
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