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【No.569】先進国における事業仕分けの意義-情報公開進むオーストラリア自治体における、さらなるコミュニケーション・ツールとして-

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J.I.メールニュース No.569 2012.09.06発行

先進国における事業仕分けの意義
-情報公開進むオーストラリア自治体における、
さらなるコミュニケーション・ツールとして-

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【1】 先進国における事業仕分けの意義
-情報公開進むオーストラリア自治体における、
さらなるコミュニケーション・ツールとして-

大阪大学国際公共政策研究科・教授 赤井伸郎

【2】 第181回J.I.フォーラム 9月25日(火)開催予定

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【1】 先進国における事業仕分けの意義
-情報公開進むオーストラリア自治体における、
さらなるコミュニケーション・ツールとして-

大阪大学国際公共政策研究科・教授 赤井伸郎
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2012年8月半ば、オーストラリア・シドニーにおいて、「Improving
local government efficiency and performance: recent experiences
in Australia and Japan (地方自治体の効率性とパフォーマンス改善
に向けて:日本とオーストラリアの経験から」というテーマでセミナー
を開催(*注)しました。

セミナーは、午前に行政研究者を対象とした研究発表が行われ、午後は
行政実務者を対象に、オーストラリアの自治体および日本の自治体での
経営効率化に向けた施策が紹介され、その意義についての議論が行われ
ました。午後のセッションには、自治体のGM(ジェネラルマネイジャー)
(行政システムが日本とは異なり、GMが、施策の全権を握り、GMは、任
期内でのパフォーマンスが評価される。)、自治体の市長などが多数参
加しました。

私は、その午後のセッション(個別の発表とパネル討論会)で、数年来、
日本の自治体で行われてきた事業仕分けの経緯や仕組み、効果などにつ
いて紹介しました。発表では、まず、事業仕分けの言葉の意味を英語で
説明しましたが、参加者は、この試みを、新しい試みとしてとらえよう
という意識が強く、「事業仕分け<JIGYO SHIWAKE>」というネイミング
を好んで覚えようとしていました。その後、この試みが始まった理由と
して、日本の厳しい財政事情がこの画期的な仕組みを実現させたこと、
これまでの経緯の中で、この試みが一時的なものではなく、じわじわと
全国に浸透していることを紹介しました。また、この仕組みの特徴とし
て、透明性(情報の完全公開)、責任の明確化、住民参画などを紹介しま
した。さらに成果としては、住民ニーズと合致しない公共サービスの廃
止など行政の効率化はもちろんのこと、この事業仕分けが、住民の意識
・行政スタッフの意識を改革することを通じて、この効果は、事業仕分
けの時のみならず、その後も、永続的に継続することを強調しました。

発表に対しては、仕分け人をどのようにして選ぶのかといった実務的な
質問もありましたが、多くの質問は、オーストラリアでの試みとの比較
となりました。参加者の多くが、自治体経営の責任を全面的に任されて
いるGMであったことから、そのGMの自治体でなされている試みを紹介し
ながら、新しい手法である事業仕分けが、その試みをいかに補完するの
かという点の議論となりました。オーストラリアでは、住民のニーズを
とらえる試みはかなり進んでおり、住民からの意見も含めて、インター
ネットを通じて、様々な情報が公開されています。情報公開や住民参画
が担保されるという意味での効果は大きいものの、情報を得られる対象
がインターネットを使いこなせる住民に限られるうえ、実際に個々の予
算編成や事業評価に参画してもらうのは難しい面も残されており、一般
の住民の方々の関心を高めパフォーマンス評価に参画してもらう仕組み
づくりがこちらでも大きな課題となっているようでした。私からは、
「この取り組みは、実際の政策担当者と、住民がフェイストウーフェイ
スで顔を合わせ、政策に参画することに意義がある。年齢層やネット環
境にかかわらず意見交換が可能となる。」と返答し、納得されていまし
た。議論全体を通じては、この事業仕分けは、現在行われているツール
を補完する、新たなコミュニケーション・ツールであるという共通認識
が生まれたと思います。日本とオーストラリアの自治体での経験を共有
するというセミナーの目的も確実に達成されたと思います。

今後も、この新しいツールの意義をいろいろな場面で伝え、効率的な自
治体運営に向けた多面的なツールの整備に向け、少しでもお手伝いがで
きるとうれしく思います。

*注 自治体間の交流促進をサポートする国際自治体化協会[通称クレア]
シドニーオフィス、私が中心となって行っている「自治体の経営効率化
に向けた研究」プロジェクトグループおよびシドニー工科大学(UTS)
の地方自治体研究センター(Centre for Local Government)の共催

赤井伸郎(あかい・のぶお)
専門は、公共経済学・地方財政・公共経営 構想日本主催の事業仕
分け、行政刷新会議主催の事業仕分けに参画

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【2】 第181回J.I.フォーラム 9月25日(火)開催予定
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合意形成できない政治からの脱却を
~ 正しい「仕分け」の使い方 ~

ウォールストリートの「Occupy Wall Street」(格差是正のデモ)、ロ
ンドンの暴動、そして日本の首相官邸周辺の反原発デモ。民主主義の先
進国とされている多くの国で、政治が民意を反映できていない、合意形
成ができていないなど議会制民主主義の機能不全が指摘されています。

一方、事業仕分けは、地方自治体での実施が150回を越えました。「全面
公開」の場で「外部の目」を入れて具体的な議論をする仕分けの手法は
民主主義の原点です。最近は、議論を聞いた住民自身が今後の方向性を
判定する「市民判定人方式」が主流になるなど、民意の反映や合意形成
のための手法として広く浸透しています。

こうした手法はOECDやインドネシア上院、オーストラリアでの学会など、
海外でも民主主義の新しい手法として熱い視線が注がれています。

日本発の新しい政治の仕組みである仕分けの意義と活用方法について、
あらためて解説し、また大いに議論します。

○日時: 平成24年9月25日(火)

○会場: 日本財団ビル2階・大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※セキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提出して下さい。

○開演: 午後6時45分(開場:午後6時15分)

○ゲスト: 福嶋 浩彦(中央学院大学教授/前消費者庁長官)、ほか

コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 160名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費: 4000円
ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
http://www.iwaen.co.jp/tameike

※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡下さい。
直前のキャンセルの場合、キャンセル料を申し受けます。

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参加ご希望の方は、【9月24日(月)まで】に出欠の是非を、下記の
メールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
※懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。

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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後のスケジュール等、詳細はHPをご覧下さい。
http://www.kosonippon.org/forum/index.php
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