【No.583】フィンランドで見たプライマリ・ケア |構想日本 政策スタッフ 堤 久恵氏|
2012.12.13

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J.I.メールニュース No.583 2012.12.13発行

フィンランドで見たプライマリ・ケア

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【1】 フィンランドで見たプライマリ・ケア
構想日本 政策スタッフ 堤 久恵

【2】 第184回J.I.フォーラム 12月21日(金)開催

【3】 代表加藤によるYahooニュース記事を更新!

【4】「歌舞伎町集中セミナー ~今、子供達が危ない~」

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【1】 フィンランドで見たプライマリ・ケア
構想日本 政策スタッフ 堤 久恵
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フィンランドは、オーロラ等豊かな自然だけでなく、福祉国家
として名高い北欧の一国です。今回は私自身が一患者として、
フィンランドでプライマリ・ケアを受けたときの感想をお話し
しようと思います。

フィンランドでは、病気になると緊急の場合を除いて、まず居
住している地区にあるterveyskeskus(健康センター)に行く事に
なります。これがプライマリ・ケアの担当医療機関です。ここ
で看護師による問診や、医師の診療、必要に応じてX線検査など
の初歩的な検査、リハビリを受けます(入院もできるそうです)。
私の病気の場合は、血液検査、看護師による問診、医師による
診察が必要だったのですが、患者が治療費として支払うのは、
医師が診察した料金だけです。フィンランドの医療保険に入って
いなくても、1200-1500円程しかかかりませんでした。医療費が
安く済む理由としては、地方自治体が健康センターで働く医師
に給料を支払っているという事情があります。二次、三次医療
を担当する「総合病院(緊急時の医療含む)」の場合も、複数
の地方自治体、また国からの補助によって、医師の給与が支払
われます。(健康センターに対して、国からの補助が出る場合
もあります)。最近では「派遣医師」が増加しており、その場
合は派遣元が医師に給与を支払うことになります。いずれにし
ても、出来高払いにより病院経営が潤うわけではないので、医
師が過剰な治療をするインセンティブが働き難いと言えます。
患者から過剰な医療費を取るよりも、医療水準を保ち地方政府
に信頼を持たせることによって、住民が納得して高い税金を納
めることを選択しているのではと感じました。

診療では、きめ細かな問診が印象的でした。検査の結果の丁寧な
説明の後に、15分以上の時間をかけて、病状の変化や薬の副作用、
生活での変化も含めて長い時間をかけて問診をしてくれます。一
人にある程度の時間をかけることを前提とした予約制なので、次
の患者に遠慮して時間を気にする必要はありませんでした(私の
場合、20分以上は時間がありました)。

こういったフィンランドの医療システムは「primary careの中で
もfamily medicineに近い」と現地の医師がお話してくれました。
該当地域における医療全体のゲートキーパーとして、健康センター
の医療従事者は、全ての種類の病気と全年齢層の住民を包括的に
ケアします。病気を予防することも彼らの大事な仕事であり、そ
の家族やコミュニティにも寄り添って、継続的に住民の健康問題
に関わっていくことになります。

したがって、生活習慣病や原因が特定できない頭痛など、定期的
に通院する必要のある慢性疾患の患者は、費用を抑えて丁寧な問
診をしてもらえるこの制度により、金銭的にも精神的にも負担が
軽減されると思われます。病院が予め決まっていたため、どこの
病院に行くべきか悩む必要がないということは日本の「フリーア
クセス」のような選択肢がないものの、現実問題としては治療に
取り組み易かったと言えます。患者に共通する悩み―医療費、病
院の比較、今後の不安―が軽減されるこの制度のおかげで、私も
安心して治療できました。医療従事者の技術はもちろんのこと、
制度がもたらす効力も、患者にとっては多大な効果があると感じ
ました。

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【2】 第184回J.I.フォーラム 12月21日(金)開催
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政党熔解時代

― 国民が政治の主役になれる絶好のチャンス ―

「14党党首討論会」少し前までいくつかの主要政党以外は「諸派」
と呼ばれていましたが、今や全部諸派という感じになっています。
数だけでなく、内容においても政党熔解中です。この状況は総選
挙後も当分続くでしょう。だからこそ、今は日本の政治を再建する
うえで大変重要な時期なのです。前回のフォーラムで議論された
ように、この時期に、国民の眼を政治家、候補者の上にふりそそぎ、
数年後に向けて政党、政治システムの新しい型を作っていかなけ
ればなりません。その「鋳型」の形、作り方について津田さん、
湯浅さんと議論します。

○日時: 平成24年12月21日(金)
午後6時30分~午後8時30分(開場:午後6時00分)
※以前お伝えしていた日程から変更になりましたのでご注意下さい。
【変更前】12月19日(水) → 【変更後】12月21日(金)

○会場: 都市センターホテル 601号室
(※場所が変更していますので、ご注意下さい)
千代田区平河町2-4-1 TEL 03-3265-8211
(http://www.toshicenter.co.jp/access/index.html)

○ゲスト: 津田 大介(ジャーナリスト)
湯浅 誠(NPO法人 自立生活サポートセンター
もやい事務局長)

コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 130名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は
無料です)

○懇親会参加費: 4000円
ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。

「レストラン ピアッツァ」 ホテルルポール 麹町
(初めてのお店です。お間違えのないように)
千代田区平河町2-4-3 TEL 03-3265-6435
(http://www.leport.jp/restaurant/piazza/index.html)

交通のご案内(ホテルルポール 麹町)
http://www.leport.jp/map/access.html

※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡下さい。
直前のキャンセルの場合、キャンセル料を申し受けます。

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参加ご希望の方は、【12月20日(木)まで】に出欠の是非を、
下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
※懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。

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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後のスケジュール等、詳細はHPをご覧下さい。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php
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【3】 代表加藤によるYahooニュース記事を更新!
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代表加藤秀樹が、Yahooニュースにオーサーとして投稿している
記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

◇12月3日

「企業経営にはルールがある。なぜ政党にはない?」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20121203-00022617/

【4】「歌舞伎町集中セミナー ~今、子供達が危ない~」
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公益社団法人になり、ますます活動の幅を広げている
日本駆け込み寺が以下のようなセミナーを開きます。
少年少女の非行や自分の子供たちが被害にあうことを
防ごうと思ったら、まず「現実」を知らないと何もで
きません。歌舞伎町の現状を体験できるなどまたと
ない機会です。是非ご参加を。

「歌舞伎町集中セミナー ~今、子供達が危ない~」

◇対象者
・少年少女の非行、犯罪そして犯罪被害に問題意識をお持ちの方
・玄秀盛の理念を通じ、生き方を見直したい方
・少年少女の教育や子育ての職業に係っている方

◇講座内容:
【1日目】
§玄秀盛あいさつ
§講話<歌舞伎町の現状>
・日本駆け込み寺:玄秀盛 中島一茂
・警視庁新宿警察署少年一係長:中島由記夫
・歌舞伎町商店街振興組合事務局長:城克
・新宿スポーツジム代表:RIKIYA
§相談事例研究 等

【2日目】
§座学(講師:石切山浩一)
・第1部 <知情意>
・第2部 <子どもたちの心身を蝕む社会環境>
・第3部 <徳は孤ならず必ず隣あり>
§歌舞伎町視察/歓楽街見学 等

※ インターネットカフェやゲームセンター等
少年少女の集まる場所を視察します。
歌舞伎町からは少し離れますが、二丁目の
ゲイバー等の視察も考えております。

【3日目】
§ディスカッション
§レポート作成・発表 等

◇宿泊先
東横イン新宿歌舞伎町(二泊とも)

◇受講料:
12万円(宿泊費・消費税込み)
※ 分割希望にも対応いたします
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◇お申込み・問い合わせ
TEL:03-5291-5720
e-mail:info@nippon-kakekomidera.jp

◇公益社団法人 日本駆け込み寺ホームページ
http://nippon-kakekomidera.jp/gakkou/

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