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【No.587】山谷に住まう人々とともに生きる

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J.I.メールニュース No.587 2013.01.24発行

山谷に住まう人々とともに生きる

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【1】 山谷に住まう人々とともに生きる
特定非営利活動法人 きぼうのいえ 施設長 山本 雅基

【2】 第186回J.I.フォーラム 2月27日(水)開催予定

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【1】山谷に住まう人々とともに生きる

特定非営利活動法人 きぼうのいえ 施設長 山本 雅基
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きぼうのいえは東京の日雇い労働者の街、通称山谷地区にある、
身寄りがなく、行き場をなくし、なおかつ余命に限りがついた
人のための民間の在宅ホスピスケア施設です。

山谷地区は最盛期には3万人もの人が戦後の復興のために必要
な肉体労働の供給源として住み、戦後の六十数年の日本の経済、
社会を下支えしてきた街です。

しかし現在は、その人たちの数も3千5百人にまで減少し、労
働稼働年齢を超えた人は生活保護、ないしはホームレスとして
その余命を送っています。

きぼうのいえの原型はマザーテレサがインドのコルカタ(カル
カッタ)に立てた「死を待つ人の家」にあり、その日本版であ
るということができます。しかし、ここの特徴は「死を待つ」
というより、「与えられたいのちを生き抜く人の家」と呼んだ
ほうが相応しいということができます。

私たちは病院に付属したものではない独立型の在宅ホスピスを、
「ホスピス長屋」であるとか、「ホスピス旅館」、「路地裏ホス
ピス」などと呼んで、より日常性に近い感覚で生活できるイメ
ージにするべく努力しています。

きぼうのいえは、生きとしいける人々の生々しい日常生活の匂
いに満たされています。入居者の体の痛みに対するケアととも
に、人が死に面した時に感じる、あらゆる痛みに対して、精神
的・霊的(スピリチュアル)ケアをどのように行い、入居者の
人々にどこまで肉迫し、寄り添っていくことができるかという
ことを最重点課題として取り組んでいます。

また、山谷地区に住まう人々が多く入るホスピスであることは、
特に厳しい生活歴を持つ人のターミナルケアに立ち向かうこと
でもあり、そのシビアな生活は、入居者が虚無的、自暴自棄の
心情で入ってくることが多いことが特徴です。

私たちは思案の末、入居者が過去のあり方や冒してきた事柄と
の「和解」をいかにすすめるかということをケアの最重要課題
として設定し、「和解」を推し進めていくことにしています。
別な言葉でいうならば、「神も仏もあるものか、俺は他人など
一切信じない」と言っていた人を「私をこの世に送り出してく
れた神様、仏様、ありがとうございます」と言えるまでの境地
になってもらえるかどうかを、無謀にも試みている極めて特異
なホスピスということができるでしょう。

なぜならば凄惨な人生を生きてきた入居者が、自分の人生に折
り合いをつけ納得した上で、スタッフや他の入居者から愛され
ていると感じて安らかに死を迎えるとき、はじめてその人は自
分らしく今生を生き切ったといえると思うからです。そのため
に、わたしたちスタッフは、どのように寄り添っていくかがき
ぼうのいえのケアでもっとも着眼するべき点だと思います。具
体的には、入居者の故郷まで旅行を決行したり、入居者の部屋
に泊まりこむスタッフもいます。

「ここにいる人たちはあなたのもうひとつの姿だと思って接して
ください」という私の言葉を、彼らは自分なりの「寄り添う」
方法を通して、それを実践しています。生涯を通じてかかえて
きた問題を振り返り、周囲との和解、自分の過去との和解、人生
に対する肯定や疑念、肉体の衣を脱ぎ捨てて旅立つことへの畏れ
・・・。一言では言い尽くせないようなさまざまな課題が、きぼ
うのいえでの限られた時空のなかで織り成されていきます。

「誰でもどこからでもやりなおせる」

この言葉をスローガンとして掲げながら、人間の「絆」、「関係
性」そして「無条件の愛」、これが人生の中心的な重要点である
ことを、このホスピスのありかたを通して、入居者、きぼうのい
えについて興味をもってくださった方々、ホスピスケアの専門家
に訴えていきたいと思っています。

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特定非営利法人 きぼうのいえ施設長 山本雅基(やまもと まさき)

上智大学神学部を卒業後、NPO法人「ファミリーハウス」の
事務局長を務める。2002年にホームレスのためのホスピス
「NPO法人 きぼうのいえ]を開設。現在「きぼうのいえ」 施設長。
きぼうのいえホームページ:http://www.kibounoie.info

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【2】 第186回J.I.フォーラム 2月27日(水)開催予定

仮題「新人議員に聞く」

※ 前回フォーラム時に、次回は就職、雇用をテーマにすると
ご案内しましたが、上記のように変更しました。
ご了承下さい。

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○ 日時    :平成25年2月27日(水)

○ 会場: 日本財団ビル2F 大会議室
港区赤坂1丁目2番2号 TEL : 03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/about/access/)

※ 詳細は決まり次第お知らせします。
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