【No.611】クールジャパンってなんだ? -売家と唐様で書く三代目は、日本を救うのか?- |株式会社ポケモン 執行役員 宇都宮 崇人氏|
2013.07.11

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J.I.メールニュース No.611 2013.07.11発行

「クールジャパンってなんだ? -売家と唐様
で書く三代目は、日本を救うのか?-」

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【1】 「クールジャパンってなんだ? -売家と唐様で書く三代
目は、日本を救うのか?-」
株式会社ポケモン 執行役員 宇都宮 崇人

【2】 今年度の事業仕分けスタート!(7月13日(土)阿見町にて)

【3】 第191回J.I.フォーラム 7月31日(水)開催

【4】 寄附のお願い

【5】 「加藤、伊藤が伺います!」好評実施中!

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【1】 「クールジャパンってなんだ? -売家と唐様で書く三代
目は、日本を救うのか?-」
株式会社ポケモン 執行役員 宇都宮 崇人
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「売家と唐様で書く三代目」という江戸川柳をご存じ
だろうか。

その解釈には諸説あるようだが、私が聞いた話はこうだ。
貧しい家に生まれた一代目は、一生懸命に働き、財を成
した。資産家の家に生まれた二代目は、お金には興味を
示さず、名誉を追い求めて政治家になった。富も名誉も
ある家に生まれた三代目は、それらに執着を持たず、芸
術に入れ込んで散財した。

資産を使い切った三代目は結果、自らの邸宅を売り渡す
事になり、その時に彼の書いた「売家」という文字が、
非常に洒落た文字だったというのがその内容である。

この江戸川柳は、三代目が放蕩して財産を食いつぶすと
いう例えとして一般的に用いられているが、私はこの話
を聞いた時、エンタテイメントがビジネスになる現代に
おいて、富にも名誉にも目をくれず芸術に没頭する三代
目が新たな産業の担い手となる可能性を感じた。

もう10年以上前にはなるが、社会人になりたての私に
この言葉を教えてくれたのが、前職の顧問であった元大
蔵省の西村吉正氏であり、私はその後エンタテイメント
業界に転身することとなった。

エンタテイメント産業は製造業等と比較すると、比較的
少数の人間が付加価値の源泉となるため、三代目のなで
肩に、日本の雇用の多くを担わせるのは難しい。

一方、戦後アメリカが「Trade follwos the Films」
をスローガンに映像作品を通じて自国の製品販売に結び
付けようとしたように、エンタテイメント産業は、周辺
産業に波及効果をもたらす潜在力を持っていると言って
良いかもしれない。最近の事例だと、歌とドラマとサム
ソンが三位一体となった韓流商法と言った方が分かりや
すいか。

日本の映画やアニメは残念ながら、海外で強い競争
力を持たず、一部のコアファンを熱狂させるにとどま
っているが、ゲーム分野は、継続的に日本の輸出産業
となってきた。旧いデータだが、2004年に経済産業省
が発表したデータでは、映画・アニメが-591.9億円
の輸入超過に対して、ゲームは、2297億円の輸出超過
であった。

ハリウッド映画と日本の映画を比較してみると、こ
こ5年で映画の世界で最大のヒット作がAvator(2009
年)であり、$2,782,275,172 (1ドル100円で2782億
円)を稼ぎだしているが、ゲームの世界も負けていな
い。マリオカートWii(2008年)は世界で3380万本販
売されており、日本での定価を世界販売数に掛け合わ
せると、1800億円を超える売上となる。そして、その
販売の90%は日本国外である。(数字はBOX Office
Mojo、VG Chartzより参照)

日本のアニメや映画で海外でヒットした例というの
は、ここ5年では聞いた事が無く、過去の事例を見て
も、その規模は上記の5%にも満たない数字である。

ゲームの世界が、アニメや映画の世界と違い、世界に
通用してきた理由の一つは「遊び」という各国の文化
的背景に左右されずに、直観的に面白さを体感しやす
いコンテンツであったことが挙げられると思う。

エンタテイメントというと、みなストーリーのことを
語りたがるが、世界的なメガヒット商品であるトラン
プにストーリーは存在しない。

もちろん「遊び」と言っても、各国の文化にあわせ
たローカライズは必須で、日本のように性や暴力、ギ
ャンブルに関する表現に寛容な国(特に子供に対して)
が、北米や欧州で商品を販売する上で変更すべき点は
多く存在しているが、直観的に触って面白さが分かる
ものの方が、ストーリーに依存したものよりも通用し
やすいというのが個人的見解である。

そして、そのゲーム業界もスマートフォンの登場によ
り、分岐点を迎えている。

私は子供の頃、母親からゲームは目が悪くなる、頭が
悪くなると言われ続けて、それに強い反発を覚えてい
たが、どうやら私の母親は祖父から、映画は不良が見
るものと言われて、それに反発を覚えていたそうだ。

新しいエンタテイメントの世界を切り開く人達は、常
に世間の冷たい視線に晒されながら、面白いものを、
第一線で、才能を振り絞って、粘り強く創る運命にあ
るのだと思う。そんな彼らには、今後もエスタブリッ
シュメントに媚びず、面白いかどうかだけを大事にし
て、日本から世界に勇気や希望、夢、冒険心を発信し、
三代目の誇り高さを見せつけて欲しいと思う。

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宇都宮 崇人 (うつのみや たかと)

2002年東京大学法学部卒業。
コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトンでの
経営コンサルタント業務を経て、2005年から現在に至る
まで株式会社ポケモンに勤務。

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【2】 今年度の事業仕分けスタート!(7月13日(土)阿見町にて)
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○阿見町 事業仕分け

【日程】 平成25年7月13日(土)9時00分から17時00分(予定)
※入退室自由。

【会場】 総合保健福祉会館『さわやかセンター』
http://www.goo.gl/rpHY3(少し拡大してご覧下さい)

【対象事業】16事業

【参加者】 2班体制
各班コーディネーター+仕分け人5名

※ 仕分けにあたっては,「構想日本」による仕分け人の
ほか、町民の立場から事業の判定を行う「町民判定員」
を配置します。この「町民判定員」は,無作為に抽出
した20歳以上の町民1,000人に参加を依頼し、25名から
応募がありました。

【構想日本選定参加者】

コーディネーター:(上が1班、下が2班担当)
伊藤 伸(構想日本 ディレクター)
石井 聡(逗子市 秘書広報課 広報係長)

仕分け人:(1班)
石田 晴美(文教大学情報学部准教授・公認会計士)
江藤 雅一(横浜市 経済局 ものづくり支援課 課長補佐)
片桐 幸雄(元日本道路公団職員)
上久保 明治(浜松医療センタ- 事務部長)
定野 司(足立区総務部長)

(2班)
川嶋 幸夫(構想日本 政策アナリスト)
北村 卓也(川崎市財政局財政部財政課 担当係長)
小瀬村 寿美子(厚木市こども未来部 こども育成課長)
山内 敬(長浜まちづくり㈱ タウンマネージャー)
渡辺 文和(伊豆市 財務課長)

【連絡先】 阿見町企画財政課行政改革推進係
電話:029-888-1111(内線221)
E-mail:kikakuzaiseika-ofc@town.ami.lg.jp

*対象事業や当日スケジュールなどのご説明は阿見町ホームページ
よりご確認下さい

http://www.goo.gl/dYv97

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【3】 第191回J.I.フォーラム 7月31日(水)開催
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「ワカモノ・イニシアティブ」
~若者よ、ここから政治に入ってみよう~

みなさん「行政事業レビューシート」を知っていますか?
政府の全事業を定型化して説明したものです。これを見れば
国のお金の使い方、流れ方がわかります。誰もが「仕分け人」
になれる材料なのです。しかし、まだまだ宝の持ち腐れにな
っています。
そこで構想日本は、国民、特に若者が「レビューシート」
について、「あれはいいね」とか「ここヘンだよね」と言え
るようなウェブサービスを開発しました。開発の責任者も現
役高校生。いわば、「若者による若者のための政治参加サー
ビス」です。その名も「JUDGIT」。
このサービスの実演、お披露目をします。
これをきっかけに、若者が大いに政治に参加、そして老・
壮・青がこぞって政治を「自分事」にする国にしたい。そん
な期待をこめています。「JUDGIT」はそれだけの可能性を秘
めています。

○日時:7月31日(水)18時30分~20時30分(開場18時00分)

○会場:日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/about/access/)

○ゲスト:鈴木 邦和(24歳、日本政治報道株式会社 代表取締役)
原田 謙介(27歳、NPO法人 YouthCreate代表)
山田 進太郎(35歳、株式会社コウゾウ 代表取締役社長)
吉田 拓巳(18歳、株式会社セブンセンス 代表取締役)他

コーディネーター:伊藤 伸(35歳、構想日本 総括ディレクター)

○フォーラム参加費 :2,000円(学生 500円)
(シンクネット・構想日本会員は無料です)
※ 学生の方は、受付にて学生証をご提示下さい。

○懇親会参加費   :4,000円

○懇親会: 「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
(http://www.iwaen.co.jp/)

※ フォーラムへの参加はHPのフォームから、もしくはこのメールに
ご返信をお願いします。
(J.I.フォーラムへのお申込み:
https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/regist.php?m_forum_cd=288)
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。    TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
伊藤/田中まで。TEL 03-5275-5607
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【4】 寄附のお願い
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構想日本は非営利のシンクタンクですが、経済基盤は
会員からの会費収入です。収入が少いから、スタッフも
少く、その結果常にフットワーク軽く活動ができる反面、
運営基盤は常に脆弱です。今後さらに、政策提言・実現
力を高めるため、構想日本は寄附のお願いをすることに
しました。

そこで、信頼資本財団の「共感助成」というプログラ
ムに参加しました。この財団を経由して構想日本に寄附
をして頂くと、所得控除もしくは税額控除を受けること
ができます。例えば、所得税20%の方が10万円寄附する
と、確定申告時に39200円の税額控除が受けられます
(詳細はhttp://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1266.htm。
頂いた寄附はもちろん全額構想日本に入ります)。

一人では世の中を動かすことができなくても一人ひとり
の行動がつながっていけば大きい力になります。
是非とも、皆さんのお力をお貸しください。

※ 詳細は信頼資本財団ホームページ
http://www.shinrai.or.jp/furtherance/

構想日本代表 加藤秀樹

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【5】 「加藤、伊藤が伺います!」好評実施中!
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仕分けやその手法の活用について詳しく相談したい…、
霞ヶ関、永田町の動きやこれからの日本について話を
聞きたい…、若い世代で熱く語り合いたい…、などなど
話を聞きたい、議論したいという方には加藤、伊藤が
手弁当で出張講演いたします。
10人程度集まれば、どこでも、加藤か伊藤が伺います。

お問い合わせは、
TEL 03-5275-5607(田中)まで。
E-mail:tanaka@kosonippon.org

※ 現在、6件が確定。引き続き募集中です!

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