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【No.62】道路公団改革の議論はこれからが本番

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道路公団改革の議論はこれからが本番
JIニュースNo.62  2002.8.30
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■■ 目次 ■■
1.《政策ラウンジ》道路公団改革の議論はこれからが本番
2.《8月28日第62回「JIフォーラム」報告》

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1.《政策ラウンジ》道路公団改革の議論はこれからが本番
●道路関係四公団民営化推進委員会が中間整理を公表
道路公団民営化の方向性を決める政府の道路関係四公団民営化推進委員
会が中間整理をとりまとめました。ここでは、まず、
(1)国民負担の最小化を基本原則、50年以内の債務返済
(2)民間企業としての自主性の確保
などが民営化の基本的考え方として示されました。そして、これを実現す
る方策として、四公団の資産の保有・債務の返済のための「保有・債務返
済機構(仮称)」と道路事業を運営する新会社を創設することとされてい
ます。
「保有・債務返済機構(仮称)」は、資産の保有・債務の返済以外に、
条件付きで新しい道路建設の資金の一部を負担することもできます。一方、
運営会社は特殊会社とされ、「新規路線の建設に当たっては、国等と対等
の関係で結ばれた契約に基づく」「建設に際しての新会社の負担分は、経
営責任が持てる範囲に限定」とされています。
これは、「上」部分=運営会社と「下」部分=「保有・債務返済機構」
を組織的に分離する「上下分離方式」を意味するものであり、これで上記
の基本的考え方の中身が果たして実現できるのか、疑問が残ります。
中間整理の内容について、主な問題点を整理すると、以下のようになり
ます。
1.正確な財務状況の把握が不可欠
日本道路公団の財務状況については、「厳しい」「良好」という相対す
る評価が委員会内にあったにもかかわらず、「良好」との前提の下で、各
公団の債務を同一の公的法人へと移行させ、巨大なプール制の下で処理す
ることとなっている(「良好」という前提では、金融機関の不良債権問題
を繰り返すことになる)。
しかし、最も財務状態が良いと言われる日本道路公団でさえ、過大な負
債を抱えていることは明らかで、まずは、個別に財務状況の厳密な把握を
行なったうえで、債務処理方法を検討すべき。
2.「国民負担の最小化」について
(1)政府委員会の「国民負担なし」は、「現時点での税金投入がない」こと
にこだわっており、そのこだわりが結果として、国民負担の先送りとな
ってしまう懸念が大きい(これも不良債権問題と同じ)。国民負担は、
税金投入だけではない。「優遇税制」「政府保証」「補助金」は全て、
形を変えた国民負担である。
(2)「現時点での税金投入がない」とする以上、債務返済の原資は、将来の
料金収入や国からの優遇税制によるほかはない。それは結果的に、現在
と同じく、コストの過小見通しという“どんぶり勘定”になっている。
(3)特殊会社では、民間企業と違い、a.財務会計、b.金融市場、c.税負担
による規律づけが働かない。
このように、「保有・債務返済機構」による上下分離方式は、経営の自
主性や効率的経営に向けたインセンティブを失わせ、国の関与の余地を拡
大することになります。

政府委員会は、再度、小泉首相が度々、強調した「上場」を前提に、四
公団の財務状況の厳密な把握を行ったうえで、自立的経営、効率的な事業
運営に向けた具体的な改革手法についてオープンに議論し、将来を含めて
本物の「国民負担の最小化」を目指すべきではないでしょうか。

●「本物の民営化」の実現を目指して
なお、「日本再建のため行革を推進する七百人委員会」と構想日本の共
同事業として発足した(道路関係四公団民営化)シャドー・コミッティー
は、中間報告に先立ち、政府委員会の今井委員長宛てに緊急提言を提出し
ました。
その主な内容は、以下の通りです。
1.民営化及び債務処理
(1)新会社は、「償還主義」を廃止し、企業会計方式のもとで「普
通の会社」となって株式上場を行ない、市場で評価されるに足
る規律を確保すること。

(2)安全確保など利用者の利益、経営責任の明確化及び国との対等
な立場を確保するために「上下一体」の民営化とする。
【注】国と対等な立場になれば、新幹線整備方式による道路建設
が可能になる。

(3)四公団すべての民営化を目指すべきである。但し、公団別に債
務処理等を決めた昨年12月19日の閣議決定のとおり、各公団の
財務状況に応じた債務処理及び民営化の形態を柔軟に検討する
ことが国民の利益に適うものと考える。
【注】債務処理のための特定財源の活用は、検討の余地があると
考えられる。

(4)完全な民営化ができる前提において、競争促進上、適切な地域
分割を行なうことは有効と考える。
(5)以上の議論の大前提である財務状況の厳密な把握を直ちに行な
う。

政府委員会が今回、とりまとめた中間整理の中身では、こうした提言
内容は、実現できません。
構想日本は、今後も引き続き、シャドー・コミッティーの活動を通じ
て、上記の提言が実現するよう、政府委員会の議論を盛り上げ、また、
国民ひとりひとりがこの問題に関心をもち、声をあげるよう、訴えかけ
ていきます。

(文責:「特殊法人改革」プロジェクト担当 志田 玲子)
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2.《8月28日第62回「JIフォーラム」報告》
狂言という伝統芸能を単に引き継ぐのではなく、現代における文化の
再編集という視点で「長野パラリンピック冬季競技大会閉会式」「真伎
楽」など様々なジャンルの総合プロデュースを手がけ、その成果を世の
中に発信しつづけている野村氏。政治は「アクセル」、宗教は「ブレー
キ」、文化は「クラッチ」、そして、「ハンドル」が環境性、「オイル」
が情報性、「ガソリン」が経済性をあらわすと、人間生活に必要なこれ
ら6つの要素を“未来型の車”にたとえられました。
新しいテクノロジーを企業化、産業化するベンチャーキャピタリスト
として、資本主義経済の真っただ中で活躍しているが故に、「経済的な
繁栄」「数字で示せるもの」の限界を強く感じ、経済指標を越えた価値
の重要性を説く原氏。インドネシアの影絵「ワヤン・ゴレ」を紹介しな
がら、文化というものがどういう背景で発展するのかについて、熱く語
られました。
<討論者>
野村万之丞(TMDネットワーク代表・総合芸術家・狂言師)
原 丈人 (デフタパートナーズ・マネジングパートナー)
※当日の議事録は、後日ホームページにて公開致します。当日の模様
を収録したビデオは1本3000円にて販売いたしております(お問い合
わせは info@kosonippon.org までお願いします)。
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