メールマガジン

【No.673】「債権法改正は慎重に! -国民不在の法改正は止めよう!」

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J.I.メールニュース No.673 2014.09.25発行

「債権法改正は慎重に! -国民不在の法改正は止めよう!」

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【1】<巻頭寄稿文>

「債権法改正は慎重に! -国民不在の法改正は止めよう!」

構想日本 理事 丹治 幹雄

【2】<お知らせ>

(1)第204回J.I.フォーラム  9月30日(火)開催

「科学倫理そして科学技術を考える-「STAP事件」を契機に-」

(2)自治体との共同プロジェクト今後の予定

(3)Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

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【1】 「債権法改正は慎重に! -国民不在の法改正は止めよう!」

構想日本 理事 丹治 幹雄

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民法の大改正が行われる見込みだ。このことはこれまであまり報道されてきていないので、殆どの国民はこの改正のことを知らない。先日の新聞報道も、法務省の説明をそのまま掲載した結果、「消費者保護等が目的」と如何にも国民にとって意味ある改正だという内容になっていて、さほどの大改正というイメージではない。

これは、改正の対象が「債権」という一見難しい用語で示されているので、マスコミの人間を含めて国民には分かりにくくその関心を引かない、或いは関係ないと思われがちなことにもよるのかもしれない。

しかし「債権」とは、国民同士の様々な契約上の約束などに関わるもので、その期限とか、権利の譲渡とか、借入の保証だとか、約束を履行しない時の処理だとか、我々の全ての生活に深く関わるものであり、今回の改正は国民生活に大きな影響を及ぼすだろう。

これが、我々国民の知らないところで、きちんとした専門家の議論すら十分に行われないまま実行されることはとても危険なことだ。是非我々国民は自分事として考えるべきであり、また政府も国民の意見を反映できるようにするべきだと考える。

法制審議会は、債権に関係する民法の規定を全面的に見直すべく、平成25年2月、「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」を決定し、平成27年3月の通常国会への法案提出に向け審議を行っており、9月中には「要綱仮案」が提出される予定だ。

今回の改正は、民法典の90条から174条の2まで及び399条から696条までを対象とする極めて広範なものである。例えば、権利が消滅する期限を定める時効とか、自らが誰かに対して持っている権利を譲渡する場合の規定である債権譲渡とか、事業に関して資金を借りる時に第三者が保証する場合だとか、更には契約の条項を履行しない場合の処理だとかが、対象の一部である。

その内容に対しては、各界からの反対や批判が強く、審議においても多くの論点で議論が変遷している。「要綱仮案」においても従来議論の俎上に上ったことのない提案がされる見通しだが、上記のような短い日程が設定されていることから、結局議論が中途半端になり見切り発車という状況になりそうだ。このような事態に陥ったのは、「何のために、どのような方針で改正するか」ということについて、最低限のコンセンサスも得られていなかったことが主因だと考えられる。

民法は、六法の一つであり、国家の法体系の基盤とも言うべき基本的な法律で、国民生活の様々側面に深く関わっている。その上今回の改正は、上述のように極めて大がかりであるので、ある程度定期的に行われる判例・通説の明文化や個別の条項の改正というものとは質的に異なる。そのような性質上、改正がひとたび行われれば容易に再改正を行うことはできないのだから、拙速な大改正によるリスクは避けなければならない。

しかしながら、数か月前の議事録がまだアップされていない等、審議にかかる情報の開示は大幅に遅延しており、審議の内容が国民に知らされないまま審議が進行しているのが現実だ。しかも、審議の結果に対して国民が意見を述べるパブリック・コメントの手続は予定されておらず、他に国民が意見を反映させる機会もない。

このため、国民の実質的な検証を経ない民法(債権関係)改正法案が平成27年3月の通常国会に提出され、十分な議論を経ないまま一括審議に付される懸念がある。これでは、批判を浴びる集団的自衛権の政府解釈による認容と同じだ。こういう大事な法改正こそ、国民として自分事として考え、意見を表明する機会が求められるのであり、国民不在の改正は認められるべきではない。

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丹治 幹雄 (たんじ みきお)

1954年生まれ。1977年東大法学部卒業、同4月日本長期信用銀行入行。1980年5月通産省産業政策局企業行動課出向(エネルギー対策促進税制創設に参画)。1984年12月米国に駐在、航空機ファイナンス、米国タックスリースの舞台で活躍。1990年4月、日本長期信用銀行関連会社としてCapstar Partnersを設立。1991年8月帰国、営業企画部副参事役、非常勤で郵政省の外郭団体・オフトーク本部本部長。1994年 7月、アジア部副参事役として、日系企業のアジア進出サポート。1995年11月同行を退社し、インターネット・CSの分野で事業経営、コンサルに従事。1997年4月、非常勤で構想日本に参加、以降政策委員として各種政策立案に関与。1998年2月、ヘッドハンティング会社縄文アソシエイツに参加、主力メンバーとして活躍。2002年8月、MIJD代表取締役社長に就任。2009年セールスジャパン(中小企業向け営業代行、財務・経営戦略・MAアドバイス)顧問。2010年同取締役会長(非常勤)。2010年ゲーミング・キャピタル・マネジメント(投資コンサル) 最高顧問。2011年アライアンスフォーラム財団(国際協力NPO)エグゼクティブディレクター・非常勤、2014年、同業務執行役。

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【2】(1) 第204回J.I.フォーラム  9月30日(火)開催

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『 第204回J.I.フォーラム 』

「科学倫理そして科学技術を考える-「STAP事件」を契機に-」

STAP細胞問題は、科学や科学技術に関する本質的な問題を含んでいるにもかかわらず、マスメディアはごく表面的なことをあげつらうだけです。

国は、「科学技術立国」を標榜し、博士号取得者も急増しています。そして理研などの大規模研究プロジェクトには多額の予算がつけられる一方で、その中身はほとんどの国民にはブラックボックスのようなものです。また、地味な基礎研究への予算は削られています。

日本の科学技術政策の問題点、科学技術において考えないといけないこと、より本質的な科学とは何か、などについて気鋭の研究者に議論して頂きます。

◯日 時 : 9月30日(火)18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場 : TKPガーデンシティ永田町 3階(ホール3E) ※いつもと場所が違います

千代田区平河町2-13-12 東京平河町ビル TEL 03-4577-9258
(http://www.kashikaigishitsu.net/search-rooms/access?id=217)

◯ゲスト : 駒井 章治(奈良先端科学技術大学院大学 准教授)

中尾 央(総合研究大学院大学 助教)

八代 嘉美(京都大学iPS細胞研究所 特定准教授)

◯コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本 代表)

◯主 催 : 構想日本

◯定 員 : 160名

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費 : 4,000円(ご希望の方は懇親会参加と明記してください)

※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。

TKPガーデンシティ永田町 3階(カンファレンスルーム)

※フォーラムへのご参加は、 info@kosonippon.org  にお願いします。
なお、お申し込みの際の必要事項等詳細につきましては、下記を御覧ください。

(http://www.kosonippon.org/forum/regist.php?m_forum_cd=328)

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なお、10月以降のJ.I.フォーラムは以下の通りです。

第205回 10/14(火) 「本当の第三の矢はこれだ -地域と金融を自分事として考えよう-」 ゲスト池田 晃治(広島銀行 頭取)、神津 多可思(リコー経済社会研究所 主席研究員)、髙橋 一朗(西武信用金庫 常勤理事)、湯﨑 英彦(広島県知事)、コーディネーター 坂本 忠弘(地域共創ネットワーク 代表取締役)

第206回 11/20(木) 「2020年~オリンピック妄想委員会」 ゲスト 猪子 寿之、乙武 洋匡 他

*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。 TEL 03-5275-5607

*内容に関するお問い合せは、
伊藤/田中まで。TEL 03-5275-5607

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(2) 《自治体との共同プロジェクト今後の予定》

9月27日(土)、28日(日) 銚子市 事業仕分け
http://www.city.choshi.chiba.jp/sisei/kaikaku/jigyoushiwake_2014.html

10月6日(月)、7日(火) 屋久島町 事業ヒアリング(「事業仕分け」の手法を活用した外部評価)
http://www.yakushima-town.jp/index.php?key=bbsdnja4o-323#_323

10月18日(土)、19日(日) 北杜市 事業仕分け
http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/komoku/shisei/gyoseikaikaku/1410494414-84.html

<施設仕分け第2弾>

10月18日(土) 松阪市 松阪市市営住宅のあり方市民討議会
http://www.city.matsusaka.mie.jp/www/contents/1409906187486/index.html

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(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

代表加藤秀樹、ディレクターの伊藤が、Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇8月27日 「持続可能な医療のための10年プラン(2)」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20140827-00038627/

◇8月14日 「持続可能な医療のための10年プラン(1)」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20140814-00038244/

ディレクター 伊藤伸

◇9月17日 「自治体の現場 ~銚子市、V字回復への挑戦~」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20140917-00039181/

◇8月20日 「山本美香さんの死から2年。風化させてはいけない。」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20140820-00038404/

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