【No.676】「行列ができる講座の作り方(前編)~企画者としての心構え~」|NPO法人男女共同参画おおた 理事長  坂田 静香氏|
2014.10.16

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J.I.メールニュース No.676 2014.10.16発行

「行列ができる講座の作り方(前編)~企画者としての心構え~」

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【1】<巻頭寄稿文>

「行列ができる講座の作り方(前編)~企画者としての心構え~」

NPO法人男女共同参画おおた 理事長  坂田 静香

【2】<お知らせ>

(1)第206回J.I.フォーラム  11月20日(木)開催

「2020年以降のオリンピック『妄想委員会』」

(2)自治体との共同プロジェクト今後の予定

(3)Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

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【1】 「行列ができる講座の作り方(前編)~企画者としての心構え~」

NPO法人男女共同参画おおた 理事長  坂田 静香
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NPO法人男女共同参画おおたの講座はほとんどが定員オーバーのため、抽選を余儀なくされます。しかし最初から企画した講座に行列を作れたわけではなく、失敗を繰り返しながら努力と工夫を重ねてきた結果です。私がこの10年間で経験した「人を集める講座を企画するための法則」について、まずは企画者の心構えをお伝えします。

1.言い訳探しをしない

人集めができていない組織はとにかく言い訳探しが上手です。特に行政職員に多いのは「人が集まる講座は民間企業が実施すればいいんだ、人が来ないからこそ行政でやる意義がある」という言い訳です。

私たちは男女共同参画社会を実現するため、各自治体に助成金や補助金を申請し、講座を企画・運営しています。そのため私たちの合言葉は「定員割れの講座は税金の無駄遣い」「手にとってもらえないチラシは資源の無駄遣い」です。

まずスタートラインは人集めからです。設定した定員が集まって、講座を実施して、初めて、その講座の目的が達成できたかどうかの総括ができます。「人が来ないからこそ行政でやる意義がある。だからこそ人集めをしなければならない」と常に考える必要があると思います。

また定員割れの原因を天気のせいだという人がいます。「雨だから人が来なかった」「天気が良過ぎて遊びにいったのだ」と。さらに市民の意識が低いせいだという人もいます。環境問題や人権問題、防災やまちづくり等の講座に人が集まらなかった時によく耳にする言い訳です。しかし講座に参加して欲しいのは、意識の高い人ではなく、『意識の低い人』です。意識の低い人に参加してもらうための工夫や努力をせずに、もっともらしい言い訳を並べるのはもうやめましょう。

定員割れの原因は、天気のせいでも市民の意識が低いせいでもありません。自分たちの企画力が不足していて、広報・PR戦略が間違っているだけのことです。自分たちにこそ、原因があるのだということを自覚しない限り、いつまでたっても同じことを繰り返し、そのたびにむなしい言い訳を続け、無駄に税金を使うことになります。

行政は広報手段には非常に恵まれています。広報紙に募集記事は掲載されるし、宣伝チラシは公共施設にまくことができます。講座はほとんどが無料です。広報手段に恵まれているにも関わらず、人が集まらない原因ははっきりしています。「企画力」が不足しているのです。言い訳探しをする暇があれば、一人でも多くの市民が行ってみたいと思うような、ニーズのある企画を考えることに時間を割いたほうが生産的です。どんなにすばらしい「言い訳」を考えたって、人が集まるわけではありませんから。

2.客観性をもつ

市民が行って見たいと思うような講座を企画するために、必要な視点が「客観性」です。客観性が足りないと、ひとりよがりで、誰からも興味を持たれない講座を企画してしまいます。市民が今、何に興味をもっているのか、抱えている課題は何なのかを常に考えることが必要です。人が集まる企画は、主催者目線ではなく、参加者目線で作ることが大切です。客観性を身につけるために、私は日頃から、職場以外の年齢・価値観の違う人と話す機会を積極的に持つようにしています。そうすることによって、自分が知らない世界や価値観、世間の流れなどを知ることができます。

税金の無駄遣いなどと厳しいことを書きましたが、それより何より、自分が企画した講座に人が集まれば単純に嬉しいと思います。自分が選んだ講師の話をたくさんの人が聞いてくれる、アンケートに「ためになった」「今日は来てよかった」と書かれ、講座を実施した目的が達成できると、自分自身のモチベーションがあがりますし、次回はもっとよい企画をたてようと思います。だからこそ一度行列ができるような企画をしてみてください。

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坂田 静香 (さかた しずか)

福岡県出身。企画に携わった当初は定員割れの講座しかできなかったが、工夫と努力を重ねた結果、今では企画したほとんどが定員オーバーとなり、平均応募倍率は3.3倍に。現在、そのノウハウを教えて欲しいと、全国の自治体や市民団体から講演依頼が相次いでいる。近著に『実例でよくわかる!人が集まるチラシの作り方』(家の光協会)がある。現在「カリスマが教える!人が集まる講座・イベントづくり」というテーマで「月刊ガバナンス」(株式会社ぎょうせい発行)に連載中。

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【2】(1) 第206回J.I.フォーラム  11月20日(木)開催

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(1)第206回J.I.フォーラム  11月20日(木)開催

「2020年以降のオリンピック『妄想委員会』」

2020年のオリンピックへ向けていろんなことが走り始めました。大いに盛り上がるのはいい事ですが、オリンピック後、ハコモノではなく、将来に誇れるものを残せるのか、が大事です。未来のオリンピックの姿をそろそろ考えてもいい時だと思います。

乙武洋匡さんは、「オリンピックとパラリンピックを一つにしよう」と言っています。過度の商業主義とか、震災復興の妨げにならないのか、などの批判もあります。

猪子寿之さんは自由な発想で、文化やアートの軛を取り払う活動をしています。

近代オリンピックを始めたのはフランス人ですが、2020年から先のオリンピックについて、勝手に構想しませんか。暴論、妄論何でもありです。

◯日 時 : 平成26年11月20日(木)18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場 : TKPガーデンシティ永田町 (ホール3E)
千代田区平河町2-13-12 東京平河町ビル TEL 03-4577-9258

◯ゲスト : 猪子 寿之 (チームラボ株式会社 代表取締役社長)

乙武 洋匡 (作家、東京都教育委員会委員)   他

◯コーディネーター : 加藤 秀樹 (構想日本 代表)

◯主  催  : 構想日本

◯定  員  : 160名

◯参加費  : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費 : 4,000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「Restaurant KITANO」 北野アームス1階 東京都千代田区平河町2-16-15
TEL 03-3261-3726
(http://www.kitanoarms.com/cafe_restaurant/restaurant/)

※フォーラムへのご参加は、info@kosonippon.org  にお願いします。
なお、お申し込みの際の必要事項等詳細につきましては、下記を御覧ください。

(https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/regist.php?m_forum_cd=330)

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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。 TEL 03-5275-5607

*内容に関するお問い合せは、
伊藤/田中まで。TEL 03-5275-5607

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(2) 《自治体との共同プロジェクト今後の予定》

10月18日(土)、19日(日) 北杜市 事業仕分け
http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/komoku/shisei/gyoseikaikaku/1410494414-84.html

10月25日(土)、26日(日) 山県市 事業仕分け
http://www.city.yamagata.gifu.jp/shisei/zaisei/zigyoshiwake/p-5929.html

11月1日(土)、2日(日) 八千代市 事業仕分け
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/22500/page100021.html

<施設仕分け第2弾>

10月18日(土) 松阪市 松阪市市営住宅のあり方市民討議会
http://www.city.matsusaka.mie.jp/www/contents/1409906187486/index.html

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(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇10月3日 「国立競技場解体予算を徹底解体しよう。」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20141003-00039651/

ディレクター 伊藤伸

◇9月29日 「御嶽山の噴火と事業仕分けの関係 ~事実が事実として伝わることの難しさ~」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20140929-00039524/

◇9月17日 「自治体の現場 ~銚子市、V字回復への挑戦~」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20140917-00039181/

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