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【No.69】国際協力部隊の編成を

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国際協力部隊の編成を
JIニュースNo.69  2002.10.18
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■■ 目次 ■■
1.《コラム》国際協力部隊の編成を
― 自衛隊から分離して、人材を量産 ―
山田厚史(構想日本運営委員)
2.《お知らせ》岐阜県発、自治体間政策競争の火ぶた切られる!
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1.《コラム》国際協力部隊の編成を
― 自衛隊から分離して、人材を量産 ―
山田厚史(構想日本運営委員)
●国際協力部隊の編成を
アフガニスタンで「なにが一番ほしい?」聞くと、ほとんどの人は「平
穏な暮らし」と答えた。家族といっしょ暮らし、安心して食事をとり、爆
弾や地雷を心配せず外で働く。我々が当たり前とする日常を、彼らは渇望
していた。
「日本人は平和ボケ」など自嘲する声もあるが、警戒心を解き無事であ
ることは、「究極の日常」のような気さえした。
その「平和ボケ」を後ろめたく思い、国際貢献で血を流す覚悟を説く人
がいる。「停戦後の秩序維持」くらいには部隊を送るべきだ、という声も
少なくない。その一 方、「平和憲法は海外派兵は認めていない」という
議論があり、アジア諸国には、日本軍への嫌悪感がまだ残っている。シン
ガポールのリー・クアン・ユー前首相などは、「自伝」で日本軍の残虐性
と不十分な戦後処理を批判している。
日本が、世界で名誉ある地位を望むなら、紛争で荒廃した地域の秩序回
復に参加することは、必要なことに思える。危険は伴う。リスクを敢えて
取ることは避けられない。この役割は、「自衛隊の派遣」とワンセットで
考えられがちだ。その途端、「憲法論議」や「自衛隊への賛否」に、論議
がすり替わってしまう。
自衛隊は日本で唯一の軍隊だが、海外での秩序維持まで彼らの任務では
ない。さりとて、自衛隊に代わる組織がない、というのが実情だろう。だ
が、軍隊は戦闘のために編成されている組織だ。PKOは援助の一環とし
て考えて方が分かりやすい。その観点から、自衛隊派遣に代わる「国際協
力隊」を提案する。
「国際協力隊」の概要は、次のようなものだ。
(1)紛争地域の秩序維持・回復に必要な警備や復興事業を担当する
(2)他国の部隊とは連携・協力するが軍事行動には参加しない
(3)必要最小限の武器・装備を持つ
(4)当面は自衛隊の一部を分離・独立させて編成する
(5) NGOや海外協力隊などの援助組織と人事交流を行う。
隊員は、担当地域の言語・文化・社会習慣など、地域に溶け込むための
学習を日常的に行う。必要に応じて、NGOなどに「留学」して土地勘を
養う。地雷撤去、不発弾処理を含む武器の取り扱いや通信・運転技術など、
実技の収得に励む。2-5年を一単位として、国際舞台で通用する人材を
育てる。

●地域住民とのコミュニケーションを大切に
「国際協力隊」と自衛隊との根本的な違いは、戦闘能力より住民との協
力・意志疎通に重点を置くことである。PKOでは武器より、コミュニケ
ーション能力がはるかに必要だ。だれが敵か味方か分からない不安定な状
況で培われた戦争心理は、簡単には氷解しない。人種・言語・習慣の違い
からとんでもない誤解が起こることがある。
この点が戦争と復興の違いだ。戦争には、部隊以外のコミュニケーショ
ンは要らない。敵か味方かの世界だ。だから誤爆も起きるし、それはやむ
を得ないもの、とされる。
軍隊は、組織内の命令系統がすべてで、部隊の外との交流は自由ではな
い。軍人はそう躾られるから、外との交流は苦手である。インドネシアで
聞いた話だが、東チモールに派遣されている自衛隊は、自分たちだけで黙
々と道路工事など行っているが、地域の人との交流はほとんどなく、工事
自体が地域の実情を反映したものであるか疑問が出ている、という。
アフガニスタンでは、JICA(日本国際協力事業団)がカブールで中
学校を建てた時、地域から苦情が出た。「近隣住居の女性部屋が学校から
見える」というのだ。JICAは、せっかく建てるのだから立派なものに、
と思ったが、宗教上の配慮から「高い建物は困る」というのだ。
地域と密接な交流があれば、こんなことは起こらないが、援助の現場で
はしばしば起きている。言葉や社会習慣に通じた人材が、日本には少ない
からだ。
国際協力を成功させるには、地域研究とコミュニケーション能力が不可
欠である。資金だけ肥大化し、人材が追いつかないため空回りする援助は
多い。同じことがPKOにも当てはまるはずだ。
「国際協力隊」のもう一つの使命は、国際的に草の根で通用する人材を
量産することである。これは、日本に一番足らない能力である。
自衛隊は「陸軍」だけで18万人いる。これを10万人ぐらいに減らし
て、若くやる気のある人で「国際協力隊」を編成する。自衛隊もお役所だ
から、「人員減」には抵抗するだろう。軍事バランスなど数字を挙げて反
論するかもしれない。
だが、ソ連の脅威がなくなった今、北海道・東北を主軸に18万の兵力
を維持する前提は崩れたはずだ。出番のない軍隊は士気を維持するのが難
しい。気の遠くなるような「有事」に備える退屈な日常より、世界が求め
ている「地域協力」の方がはるかに魅力的だろう。それなら参加してみた
いという若者は少なくないはずだ。
地域や言語ごとに部隊を編成し、除隊の時には海外で通用する知力・体
力を身につける。PKOの需要はこれから多くなるだろう。憲法論議を引
きずった自衛隊に任せておくのは理屈が立たない。時代の新たな要請には、
新しい仕組みで対応すべきだ。
今、大胆な発想の転換が求められている。
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2.《お知らせ》岐阜県発、自治体間政策競争の火ぶた切られる!
9月15日に、岐阜県が事務局となり、全国の自治体がインターネット
上で各々の施策を紹介、学び合うとともに競い合い、そして新たな善い施
策を生み出すサイトがスタートしました。
その名も、「全国自治体 善政競争・平成の関ヶ原合戦」!
http://www.zensei.jp
名称も合戦風にアレンジしてあり、「お知らせ」→「戦況告知版」、
「施策登録」→「出陣」、「施策状況」→「布陣状況」などなど。もちろ
ん、役回りも、岐阜県の梶原知事が「設営奉行」、堺屋太一氏が「軍師」、
そして、構想日本代表の加藤秀樹も「参謀」として参加しています。
みなさん、自治体(藩?)の戦いぶりを是非「観戦」してみてください。
(文責:「地方財政・税制」プロジェクト担当 冨永 朋義)

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