メールマガジン

【No.752】「国立景観訴訟で問われる、住民自治、地方自治」

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J.I.メールニュース No.752 2016.04.14  発行

「国立景観訴訟で問われる、住民自治、地方自治」

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【1】<巻頭寄稿文>

「国立景観訴訟で問われる、住民自治、地方自治」

国立発!景観市民運動全国ネット  末吉 正三

【2】<お知らせ>

(1) 第223回J.I.フォーラム  4月18日 開催

防災も「他人事」から「自分事」へ

「3.11を忘れ米(まい)」をフォーラム会場受付で差し上げます。(当日先着順)
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詳細は、フォーラムのお知らせをご覧ください。

(2) 今後の構想日本の活動

(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

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【1】「国立景観訴訟で問われる、住民自治、地方自治」

国立発!景観市民運動全国ネット  末吉 正三

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景観保護を公約に掲げて市長に選ばれ、
公約を実行したことで、4300万円もの損害賠償で訴えられている。
上原元国立市長の裁判で、何が裁かれようとしているのか。

1999年に始まった明和地所による東京都国立市の大学通りの、超大型マンション建設を巡る景観運動は17年経ったいま、当時の市長だった上原公子氏に、国立市が4300万円の損害賠償を求めるという異常ともいえる事態になっています。

この事態にいたった裁判の経過を簡単に整理します。

(1)明和地所vs.国立市:明和地所は住民の一連の景観運動を、上原市長と国立市が利用して、営業妨害したとして訴えた裁判(2008年)で、国立市は明和地所に3123万円を支払った(その後明和地所は、国立市が払った金額と同額を市に寄付し、市の実質損害はゼロ)。

(2)一住民vs.国立市:市が明和地所に支払った賠償金を上原元市長に請求するよう求めた住民訴訟(2010年)で、国立市は一審で敗訴したが、実質的に損害はないとして控訴した。しかし、その後当選した佐藤一夫現市長が控訴を取り下げ、一審判決を確定させた。

(3)国立市vs.上原元市長:国立市が上原元市長に対し、損害賠償を求める裁判(2011年)を起こし、現在に至る。

明和地所のマンション計画が持ち上がったのは、上原公子氏が景観保護を公約に立候補して市長に当選した直後でした。国立市は景観形成条例に基づき指導したものの、明和地所はまったく聞く耳をもたず、そこで住民が、市議会と市長に働きかけるために始めたのが「景観運動」でした。

そのひとつが、マンション建設計画地と周辺に建築物の高さ制限をかける所謂「地区計画条例」の制定です。明和地所はこの条例を「市と市長が住民を扇動して制定」したものだとして、裁判の最大の争点にしました。

事実は逆で、当初国立市は地区計画の条例を市だけで制定することは無理だと考えていましたが、住民が都庁へ出向き、前年の法例改正でそれが可能であることを確認。マンション計画地周辺住民はわずか2週間で、建物の高さを20mに制限する地区計画素案を作成して市に提出。更に住民は「地区計画の条例化」を求めて7万筆の署名を上原元市長に提出。それを受けて元市長は臨時議会を招集、議会はこれを議決。上原市長はその議決に従ったにすぎません。しかもこの「条例制定」は、裁判で適法とされています。

こうした経緯から考えると、もし国立市が損害賠償の請求をするならば、その相手はまずは条例制定を要求した国立市民であり、次は元市長のみならず条例を準備した国立市行政であり、更には議決した議会でなければ筋が通りません。

しかも驚くべきことに、国立市は景観保護の公約を実行した元市長が、住民運動を利用してマンション建設を阻止するために条例を制定し、明和地所の営業妨害をしたので賠償金が発生したとして(明和地所の主張をそのまま踏襲)その損害を元市長に支払えと裁判で訴えているのです。明和地所からの同額の寄付により、実質の損害がないにもかかわらず、です。

一審判決(2014年9月)は、元市長の行為には民意の裏付けがあるとして、市の請求を棄却しましたが、二審(2015年12月)では、逆に利子を含む4300万円損害賠償の請求を認める判決が下され、元市長は現在最高裁に上告中です。

万が一最高裁で上告が棄却されると、多くの住民の要望を受け、企業と対峙する全国の首長を萎縮させ、住民自治への深刻な影響が避けられません。

いま裁かれているのは、上原元市長のみならず、憲法で保障されている住民自治、むしろ私たち市民自身なのです。

裁判の経過に、多くの方が注視してくださることを願っています。

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末吉 正三 (すえよし しょうぞう)

昭和18年生まれ東京都出身、国立市在住。広告プランナーとして東京都のごみ減量キャンペーンをはじめ、企業や自治体の環境問題に関わる。平成17年、景観市民ネット設立に参加し、各地の景観紛争、道路問題など住民運動を支援。

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【2】(1)第223回J.I.フォーラム  4月18日 開催

災害は忘れた頃に起こります。考えてみれば防災の最大の主役は住民です。

自分を守るためにどうするか、ご一緒に考えたいと思います。(加藤 秀樹)

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防災も「他人事」から「自分事」へ

防災のために堤防などハードは不可欠です。

しかし、自然が相手、しかも温暖化の影響などで想定外の災害がふえると、ハードには限界があります。やはり人の備えがものを言います。

従来、国や自治体が避難場所などの防災計画を決め、住民は「受け身」でした。しかし、実は住民の方が地形や、過去の災害の記憶をよく知っているのです。

今、住民と行政が一緒に話しあい、防災力を高める動きが拡がっています。その知恵を出しあいたいと思います。

◯日 時:平成28年4月18日(月)  18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場:アルカディア市ヶ谷 4階 「鳳凰」 (千代田区九段北4丁目2番25号)TEL 03-3261-9921

※いつもと場所が違います

◯ゲスト:辻本 陽琢 (内閣府 政策統括官 [防災担当]付 参事官[防災計画担当]付 参事官補佐)

中川 和之 (時事通信 解説委員)

明城 徹也 (全国災害ボランティア支援団体ネットワーク 事務局長)

矢守 克也 (京都大学防災研究所 教授)

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主 催:構想日本

◯定 員:120名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)

※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

会場  「TO THE HERBS(トゥザハーブズ) 市ヶ谷店」

千代田区五番町2(JR市ヶ谷駅2F) TEL.050-5787-1164

〇日本再発見塾を通して構想日本とご縁ができた山形県最上町の農家奥山勝明さんや松林寺の三部和尚さんたちが、3.11を忘れないようにと行っている活動のお手伝いとして、奥山さんが作った新品種夢まどか311gが入った「3.11を忘れ米(まい)」をフォーラム会場受付で差し上げます。数量限定なので当日先着順とさせていただきます。

3.11を忘れ米(まい) のきっかけ 三部和尚のブログ http://blog.goo.ne.jp/shorin3be/m/201603

山形新聞の記事 http://yamagata-np.jp/news/201603/06/kj_2016030600147.php

※フォーラムへのご参加は4月18日(月)12:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

お申し込みはこちらから http://www.kosonippon.org/forum/index.php

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(2)《今後の構想日本の活動》

《行政関係》

2016年4月17日(日) 滋賀県 高島市「第4回市民ワークショップ」

5月15日(日) 滋賀県 高島市「第5回市民ワークショップ」

今年度の実施一覧はこちらからご覧いただけます→ http://kosonippon.org/blog/?page_id=145

《その他》

2016年4月~隔週月曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論1」 (代表 加藤秀樹)

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(3)Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇3月8日 防災を「自分事」に

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20160308-00055180/

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