メールマガジン

【No.759】「持ち上げて叩いて忘れる社会を超えるために」

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J.I.メールニュース No.759 2016.06.02 発行

「持ち上げて叩いて忘れる社会を超えるために」

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【1】<巻頭寄稿文>

「持ち上げて叩いて忘れる社会を超えるために」

近畿大学医学部講師 榎木 英介

【2】<お知らせ>

(1) 第225回J.I.フォーラム  6月27日 開催

若者の政治参加を考える ー 政治を「自分事」にするために必要なこと ー

(2) 今後の構想日本の活動

(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

【3】<ご紹介>

(1)「職人がいる町、塗り壁のある暮らし -その終焉がもたらすもの」

【4】構想日本 2016年5月の主な 政策実現活動

【5】構想日本 2016年5月の主な 新聞・テレビ等メディア掲載

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【1】「持ち上げて叩いて忘れる社会を超えるために」

近畿大学医学部講師 榎木 英介

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2016年1月28日、小保方晴子氏が手記「あの日」(講談社)を出版した。

1月28日…。そう、ちょうどその2年前、小保方氏がSTAP細胞の論文を、世界有数の科学論文誌「ネイチャー」に発表することを記者会見で高らかに報告した「あの日」だ。

小保方氏は時代の寵児になった。リケジョ(理系女子)の星ともてはやされ、着ているものから中学校のときの作文まで注目を浴び、ノーベル賞候補とさえ言われた。

ところが一転、様々な問題点が明らかにされ、論文は撤回された。小保方氏は稀代の悪人とされ、メディアや一般の人たちの侮蔑と嘲笑の対象となった。再現実験は失敗し、STAP細胞はES細胞という別の「万能細胞」由来であることが分かった。

小保方氏の博士号は取り消され、「事件」は終わったかにみえた…。

そこに突然の手記出版というニュースが舞い込んできた。講談社のなかでも極秘のプロジェクトだったという手記に、世間は騒然となった。小保方氏に対する世論は称賛と嘲笑に分裂した。

ウェブ社会が進展するにつれ、いったん持ち上げられ称賛された人が、問題が発覚したのちに、これでもかというくらい批判されるというケースはいくつも思いつく。佐村河内守氏や佐野健二郎氏しかり、芸能人や政治家しかり。小保方氏もその一人だ。

手記の出版でも、「事件」を、研究不正防止策を議論するために生かそうという機運はみられない。

私たちはいつまでこのような不毛なことを繰り返すのだろう。他人の尻馬に乗って、世間が叩きやすい人を叩き、ひと時の快楽を得て、次のターゲットを探る。関係者も「個人」をスケープゴートにして逃げ切る。問題点はそのまま残され、将来への教訓など何もない。

今私たちは、「持ち上げて叩いて忘れる社会」に断じてノーと言わなければならない。

どうすればよいか。
「勇気を持て」という精神論ではだめだ。

月並みではあるが、関心がある人たちがウェブを武器に情報を集め、記録し、監視し、分析し、提言し、行動していくしかない。

一人でもできるが、仲間がいたほうがなおよい。
ウェブ社会は世論を分裂させたが、一方で、こうした仲間作りを容易にした。現代版の「結社」だ。

科学研究の分野はある種「聖域」になっていて、「素人が手を出すな」という感が強い。しかし、いや、だからこそ、外からの監視がないと堕落するのだ。

職がないと言われる博士号取得者などは、こうした活動にうってつけの人材だ。
科学論文の読み方や、科学者の内在的な論理を知った上で社会の様々な現場に出た博士たちが、当事者として科学に関わる諸問題に取り組む人たちとコラボレーションすればどうだろうか。

それぞれの分野でこうした個人や「結社」がもっと増えれば、世の中はもうちょっとはましになるのではないだろうか。

小保方氏にとっても、私たちにとっても、「あの日」は過去ではなく、未来でなければならないのだ。

さあ、動き出そう。

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榎木 英介 (えのき えいすけ)

1971年横浜生まれ。1995年東京大学理学部生物学科卒。同大学院中退後、神戸大学医学部に学士編入学。その後兵庫県内の病院勤務を経て、現在近畿大学医学部講師。病理診断医としての仕事の傍ら、若手研究者のキャリア問題を考える活動や、科学技術政策をウォッチする活動を行っている。著書「博士漂流時代(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」にて科学ジャーナリスト賞2011受賞。近著(単著)は「嘘と絶望の生命科学」(文春新書)。

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【2】(1)第225回J.I.フォーラム  6月27日 開催

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若者の政治参加を考える ー 政治を「自分事」にするために必要なこと ー

選挙権年齢が70年ぶりに18歳以上に引き下げられます(前回の引き下げは25歳以上から20歳以上に)。7月の参院選では18、19歳の有権者の投票行動はどうなるのでしょうか。

しかし、より本質的なことはこれら若者を含む全有権者が国や地域社会の抱える課題を「自分事」として考えられるかどうかです。

「若者の政治参加」のオピニオンリーダーと実際に活動している若者をゲストに迎え、これを機に若者だけでなく老・壮世代も含めて政治を「自分事」にするにはどうすべきか議論して頂きます。

◯日 時:平成28年6月27日(月)  18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111

※場所にご注意ください

◯ゲスト:杉浦 正和 (芝浦工大付属柏高校 教頭)

原田 謙介 (NPO法人YouthCreate 代表理事)

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主 催:構想日本

◯定 員:160名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)
※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

「頤和園(いわえん)溜池山王店」港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※フォーラムへのご参加は6月27日(月)12:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

お申し込みはこちらから http://www.kosonippon.org/forum/index.php

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(2)《今後の構想日本の活動》

《その他》

2016年4月~隔週月曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論1」 (代表 加藤秀樹)

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(3)Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇3月8日 防災を「自分事」に

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20160308-00055180/

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【3】<ご紹介>

構想日本が応援している活動に関するお知らせです。

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日本左官会議講演会・東京編

「職人がいる町、塗り壁のある暮らし -その終焉がもたらすもの」

日本の左官文化の魅力、「普通の壁」の優しさを見つめなおし、その豊かさを失いつつある現状と私たちの住まい、暮らしについて考えます。

ぜひ、この機会に左官の世界、土壁の魅力をご理解いただければと思います。奮ってお申込みください。

◇日時:2016年6月13日(月) 18:00-20:00 (開場 17:00)

◇登壇:挾土秀平(左官)/原田進(左官)/小林隆男(左官)/宇野勇治(建築家、愛知産業大学准教授)/西田司(建築家・オンデザインパートナーズ)/他

◇会場:東京大学弥生講堂一条ホール(東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内)

◇参加費:一般 1,500円 (前売り1,200円)/日本左官会議 会員 1,000円

◇定員:250名

◇主催:公益社団法人日本左官会議

◇お申込み:詳細はこちらから → http://www.sakanjapan.com/forum.html

挾土氏のメルマガ → http://www.kosonippon.org/mail/detail.php?id=710

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【4】構想日本 2016年5月の主な 政策実現活動

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<自治体改革活動>

5月10日 千葉県 白井市「第5回行政経営有識者会議」

5月23日 岐阜県 羽島市「職員研修」

5月30日 千葉県 市原市「職員研修」

※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 8件

<その他>

5月18日 第39回アバンフォーラム 講演 (代表 加藤秀樹)

5月31日 「防災4.0」未来構想プロジェクト(第6回会合)(代表 加藤秀樹)

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【5】構想日本 2016年5月の主な 新聞・テレビ等メディア掲載

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5月4日 【くらし】自助共助で地震・災害に備えて 東京で住民の防災考えるフォーラム 識者が提言  長野日報

5月15日 行政のムダ点検強化 「事業レビュー」有識者が対象選定  日本経済新聞

5月17日 県立大で事業レビュー 若者の県政参加促進 行革推進委  静岡新聞 NEWS

5月18日 にっぽん再構築(1) 第3部地方議会が危ない 地方議会の国際比較  産経新聞

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