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【No.77】「リアリティ欠如症候群」

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「リアリティ欠如症候群」
JIメールニュースNo.77  2002.12.13
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■■ 目次 ■■
1.《物事の本質》  「リアリティ欠如症候群」
構想日本政策スタッフ 大内隆美
2.《11月27日第65回「JIフォーラム」の報告》
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1.《物事の本質》  「リアリティ欠如症候群」
構想日本政策スタッフ 大内隆美
本音と建前を駆使して本質に迫るのが大人の分別というものだとすれば
近頃の日本はいつの間にかすっかりその分別を失って、表面の事象に一喜
一憂する子供になっているような不安を感じます。一庶民の感覚として、
身近なことで気づいた例をいくつかあげます。
●「オープン価格」
定価と売価の乖離が著しいので価格表記をやめましょう!という建前は
カタログには「オープン価格」と記すのみで、買物の資金計画の目安すら
立てられないという不便な本音を生み出しています。まさかこれが消費停
滞の一因となっているわけではないでしょうが・・。
●「日本ハム」
経営の姿勢はともかく、品質自体に問題があるわけでもないのに全ての
商品が店から消えて、日本ハムの製品を買いたい人が買えなくなるという
皮肉な事実もありました。個人的にボイコットするならともかく、見せし
めとして反省させる目的だとしたら別の手段も考えられそうなのに、世間
が景気対策に必死になる中で、消費者の利益より社会正義の建前を重視し
た行動は、不景気に一層拍車を掛けたかもしれません。
●「談合」
様々な問題はひとまず置いて、“予定調和で皆が共に栄えよう!”とい
う本音は、外国から“市場開放せよ!”と叱られた途端に吹っ飛んで、今
や極悪非道な犯罪者扱いの建前一色となりました。高額落札が不都合なら
もともと設計価格を下げればどうか・・・自由競争を謳うのなら、そもそも
指名競争とは何ぞや・・・といった地道な検討はあまり聞こえず、祭りの掛け
声のような「ケシカラン」コールが耳につくばかりです。談合情報が寄せ
られると、工期の遅れも構わず即入札延期になる辺りは、総合的な経済効
率より、建前論が優先する、旧共産圏なみの不気味さすら感じます。
●「不良債権」
とにかく銀行が悪い、不良債権さえ片付けば景気が良くなるとの信仰に
も似た感情が、マスメディア情報から醸し出されている観があります。
「ソーキショリ」という建前を念仏のように繰り返すばかりで、その必要
性がどこにあるか・・・それによって正負どういう影響が出るか・・・そういう
本音の部分を冷静に理解させよう・理解しようという空気はあまり感じら
れません。シンプルで分かりやすい人気時代劇の勧善懲悪の図式のように
不良債権が一手に悪役を引き受けているので、他の役者はかすんでしまい
ます。
一時が万事この調子で、いわば誰もが正しいことをしているのに、結果
はかえって悪くなるという状況に陥っているのは、建前に終始する挙句が
足の引っ張り合いになっているようなものです。根本はリアリティの欠如
本当の問題の所在が見えていないのではないでしょうか?。まず社会全体
が、物事の本質を見極める大人の分別を取り戻すことが急務ではないかと
感じるところです。
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2.《11月27日第65回「JIフォーラム」の報告》
「街」を議論する際には、”カネ”をどのようなインフラに投資するか、
“インターネット”をどう活用するかという視点になりがちですが、「もっ
と、人間の本性に立ちもどって考えるべきではないか。」。熱心な討論は、
コーディネーターの意義深い問題提起から始まり、街を面白くするにはど
うしたらいいのか、ユニークな意見が交わされました。
「街は元々、コミュニケーション空間だったのではないか。もう一度、そ
の本来の意味での空間を取り戻すにはどうしたらいいのか」。原島氏の研
究室では、壁にかかれた落書きを電子技術を使って保存、復元するかなど、
ITを駆使した斬新な実験が展開されています。
佐倉氏は「人間も基本的には生き物なので、生き物としての人間の特徴
をつかむところから、もう一度、街を見直すべきではないか。」と、チン
パンジーと人間を対比させながら語りました。
長野県小布施町では、江戸時代から続く集落の構造を大切にするまちづく
りが行われて来ました。地元で酒造場の社長を務める市村氏は、ただ、昔の
建物を復活させるのではなく、保存すべきものは保存し、新しく建設する
ものは古い建物と調和させ、質の高い空間をつくっていく小布施流の街並
み「修景」事業を紹介、原宿の”ホコ天”で“一世風靡”した大戸氏は、た
けのこ族のような流行・風俗が、「何が街を輝かすのか?」というテーマ
において、重要なポイントだと指摘します。
討論の中で、当日の会場であるソニービルの壁は、原島氏が指導する学
生がデザインをてがけたという意外な事実も披露されました。

<討論者>
大戸 天童(アニメ・プロデユーサー、元・一世風靡、 (株)ヴィーム取
締役)
市村 次夫(枡一市村酒造場代表取締役)
<コーディネーター>
原島 博(東京大学大学院情報学環教授、情報コミュニケーション論)
佐倉 統(東京大学大学院情報学環助教授、進化生物学・科学技術論)

※当日の議事録は、後日ホームページにて公開致します。当日の模様
を収録したビデオは1本3000円にて販売いたしております(お問い合
わせは info@kosonippon.org までお願いします)。

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