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【No.798】「避難先での放射能いじめ 地道に、十分な教育が必要」

◆ 埼玉大学名誉教授 小野 五郎氏(2017/03/10)

最大の問題は科学に対する不信感の蔓延

澤野先生のおっしゃられることはよく分かるし、先生の行動は実際に何一つ出来ぬ身が物言うのは憚られることだとは承知しています。

その上であえて言わせて戴くと、当時の政府・東電さらにはメディアによる「科学的」説明ないし解説がことごとく自己正当化のための嘘だったことが、今の庶民レベルでの対科学不信感を招いたという事実を放置したままでは、幾ら理屈で説得しても、心から受け入れてはもらえないと思います。

実際、それが福島産食品の忌避として現われてもいます。

そうした不信感を払拭するためには、そもそもの元凶たる当時の通産・東電幹部およびメディアの科学解説記者たちに、自分たちの発言はすべて「科学的事実から離れた嘘だった」と白状させた上で、応分の責任を取らせることが不可欠です。

しかるに、いまだに彼らをして、膨大な廃炉費用を含めることなく「原発は他のエネルギーより安い」などと言わせているようでは、庶民の理解が得られる訳もありません。

もちろん、教育は必要ですし、それが長い間には人々の目を開かせることになると思います。ですから、当然、先生の言われるとおり「地道に十分な教育」は為すべきです。

ただ、現に起こっているイジメその他は、それを待っている訳にはいきませんから、ここは上に挙げた責任ある人たちの中から、子どもたちのために真の勇気を示す者が出ることを期待する次第です。