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【 No.823】介護・障害者福祉サービスは本当に自立支援をしていますか? ~介護を受ける側の声、家族の声~

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J.I.メールニュース No.823 2017.08.31 発行

介護・障害者福祉サービスは本当に自立支援をしていますか?

~介護を受ける側の声、家族の声~

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【1】<巻頭寄稿文>

介護・障害者福祉サービスは本当に自立支援をしていますか?

~介護を受ける側の声、家族の声~

藍野大学医療保健学部看護学科 公衆衛生看護学領域 助手  石崎 美保

【2】<お知らせ>

(1) 第239回J.I.フォーラム  9月20日(水)

自治体発 「ふるさと住民票」というアイデア

「関係人口」を増やしゼロサムからプラスサムへ

(2) 第2回『自分ごと化会議』

群馬県 太田市で「第3回住民協議会」9月2日(土)開催

(3) Yahoo!ニュースオーサー 記事投稿

【3】<アーカイブ(過去の寄稿文)>

10年前のメルマガですが…。

JIメールニュースNo.288  2007.2.9発行

【基本に戻る必要があるのではないですか】

理工協産株式会社   代表取締役社長 杉浦 滋彦

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【1】介護・障害者福祉サービスは本当に自立支援をしていますか?

~介護を受ける側の声、家族の声~

藍野大学医療保健学部看護学科 公衆衛生看護学領域 助手  石崎 美保

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私は右半身麻痺の夫と二人暮らしです。夫は45歳の若さで脳出血を発症しました。出血量が多く、医師からは意識の回復は難しいと説明されました。

一時は絶望しました。しかし私は夫の回復を信じ、出来るだけのことをやってみようと思いました。そこからは闘いの日々でした。起きているのか寝ているのかわからないような夫を「社会復帰」させようとしている妻。傍から見たらさぞ無茶でかわいそうな人に見えたことだと思います。

それから約4年が過ぎ、夫は右半身麻痺と失語症はありますが、トイレや食事は自立しており、電動車いすを使って、外出することも買い物や旅行に行くこともできます。

●「自立」を目的としていない介護サービス

夫が倒れるまでの私は訪問看護師としてサービスを提供する側でした。しかし、サービスを受ける側になって初めて気づいたことがあります。

1年ほど前、身の回りのことが少しできるようになったので、次は“ドアの開閉”の練習をしたいと思いました。しかし、相談した理学療法士は、そのような練習は経験がないとのこと。様々な職種の方に聞いてみましたが、その方法も自助具(生活補助具)も知っている人はいませんでした。

「改修工事ならできる」

と即座に答えてくれた介護関係者もいますが、これは大変的外れな回答です。なぜなら、私たちが必要としているのは

「一人で外出できる方法」

だからです。世界中の全てのドアを改修することはできません。

また、車いす利用者への雨の対策もほとんど考えられていないことがわかりました。
雨天の場合、車いす利用者は誰かに付き添ってもらうか、外出を控えるしかありません。

今、日本で整備されている介護・福祉サービスは、一人で生活や仕事ができるような「自立」ではなく、「誰かに管理されて完結すること」が目的とされていると実感しました。

●障害者目線で作られていない福祉用具

ドアの開閉や雨天時の対策に関しては、登山用品等を利用することでなんとか対応しました。一般の方々を対象に販売されているこれらの商品のデザイン、使い勝手、質の良さに感動します。特に登山用パックカバーは薄くて軽くて、たたみやすく、乾きやすいので大変重宝します。

一方、福祉用具は、使い勝手、質、そして、デザインがあまり良くありません。特にカッパに関しては、全身を覆うもの、ズボンタイプのものなどがありますが、ズボンが簡単に履ける人は、車いすに乗っていないと思います。また、重くて分厚くて畳みにくい、乾きにくくデザインが悪いなど、実用性もなく高額です。

福祉用品も日々改善されているのだとは思いますが、どちらかというと「自分が使う」目線ではなく、介護側、または管理する側の目線で作られているように思います。多くの福祉用具は「使ってみたい!」という気持ちが起きません。

●自立へ向けての支援は町づくり、地域づくり

現在2025年問題※に向けて、各自治体は国の指導により地域包括ケアシステム作りを進めています。しかし実際に起こっていることは、担当者が置かれる一方で財政的な問題を解決するために介護や障害者福祉サービスの給付を制限することでした。

このような形式的、短絡的な対策では、閉じこもり、寝たきりが増加し、結局、医療費、介護量ともに増加する結果となりかねません。

夫が今まで回復し続けられているのは、障害が重くても毎日外出していたからです。

私たちは障害があっても、病気があっても、自立して社会で生産的に生きていきたいです。ずっと誰かにお世話されて管理されて、限られた環境で生きながらえたいわけではないのです。重い障害を抱えていますが、夫は本気で社会復帰を考えています。社会の役に立ちたいと思っています。

本気で障害者の自立支援に取り組むのでしたら、管理する側の目線ではなく、当事者の目線で考えてもらえないでしょうか。障害や病気があっても生きやすい社会は、みんなにとって生きやすい社会につながるのではないかと思います。

みんなが共生できる地域社会づくりに向けて、行政側は障害や病気を抱えた方々の生活やニーズに寄り添いながら当事者の意見を取り入れた効果的な自立支援を、障害者や家族側は、積極的な社会参加に常に挑戦する、これらの対策を同時に進めていく必要があると考えます。

※2025年頃に直面する超高齢化社会の問題。医療費・社会保障その他の課題にどう取り組んでいくかが大きな問題となることが指摘されている。

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石崎 美保 (いしざき みほ)

1972年、岡山県生まれ。看護系大学卒業後、国内では病院や訪問看護ステーション、海外では青年海外協力隊(チリ)、NGO(東ティモール)で途上国の国際保健活動に従事していた。夫を看護しながらMPH (Master of Public Health、公衆衛生学修士)を取得し現在は看護系大学の教員として働いている。

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【2】(1) 第239回J.I.フォーラム  9月20日(水)

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自治体発 「ふるさと住民票」というアイデア

「関係人口」を増やしゼロサムからプラスサムへ

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構想日本と12の自治体で、2015年から「ふるさと住民票」の活動を進めています。

住民票はないけれど故郷に愛着がある。仕事や介護で複数の地域に住んでいる。など、現代人は自治体に対してより柔軟な関係を求めています。これに対して「ふるさと住民票」は、人々と自治体の「複線的な関係」を提供しようというものです。

今、各地で人口増の取り組みが行われていますが、日本全体の人口が減る時代には、所詮「とりあい」に終わります。

しかし「関係人口」すなわち地域に関わる人を増やせば、ゼロサムがプラスサムになるのです。現に、「ふるさと住民票」実施5市町村は「ふるさと住民」=「関係人口」が400名余増えたのです。国の制度の枠にとどまらず、独自の知恵で関係人口を増やす。これが人口減少時代の自治体の姿ではないでしょうか。

◯日 時: 2017年 9月20日(水) 18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場: 日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111

※場所にご注意下さい

◯ゲスト: 菅野 典雄 (福島県飯舘村長)

福嶋 浩彦 (中央学院大学 教授・元消費者庁 長官・元我孫子市長)

安冨 圭司 (佐那河内村 総務企画課)

山下 祐介 (首都大学東京 准教授)

◯コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主  催 : 構想日本

◯定  員 : 160名

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
◯懇親会参加費 : 4,000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○をつけてください)
※ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※フォーラムへのご参加は9月20日(水)12:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

HPからのお申し込みはこちら http://www.kosonippon.org/forum/index.php

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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 堺/稲垣まで。 TEL 03-5275-5607

*内容に関するお問い合せは、
伊藤/田中まで。    TEL 03-5275-5607

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(2) 第2回『自分ごと化会議』

群馬県 太田市で「第3回住民協議会」9月2日(土)開催

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「健康づくり」をテーマに、群馬県太田市で第3回「住民協議会」が開かれます。

構想日本はこれを、第2回『自分ごと化会議』と位置づけています。

【自分ごと化会議】とは、

社会がある程度うまく回っていると、住民にとって政治・行政は「他人事」になる。

そうすると、無駄な行政や財政赤字が拡大したり、政治が社会の変化に遅れるなど、最終的にそのツケは私たちに返ってくる。

だから自分たちの周りのことから考え、話し合い、政治・行政を「自分事」にしていこう。

そのための具体的な方法が、住民協議会や事業仕分けで、それらをひっくるめた呼び名です。

太田市の「住民協議会」は医療、食、人づきあい…など「健康づくり」を市民が自分事として考えようというものです。

ぜひ傍聴にお越しください。

【開催日時】 9月 2日(土)15:00~18:00

(全体会でナビゲーターによる論点提示、分科会ではこれまでの議論を参考にして地域の強みや課題について意見交換)

※全体会には、清水市長及び代表の加藤も参加予定。

【参加者】 太田市住民協議会委員(太田市民50名)★
コーディネーター(論点整理役、構想日本より派遣)
太田市職員
ナビゲーター (論点提示役)

色平 哲郎 (佐久総合病院 地域医療部 医師)

岸 紅子 (NPO法人日本ホリスティックビューティ協会 代表理事)

中田 華寿子(元ライフネット生命 常務取締役)

★無作為に選んだ市民1,500名に案内を送付し、応募のあった50名。

【テーマ】 健康づくり

・医療、食、人づきあい、高齢者や現役世代の健康対策、心の健康など

【会 場】 太田市民会館  (太田市飯塚町200番地1)TEL.0276-57-8577

※会場についてのお問い合わせは、太田市企画政策課企画政策係まで(0276-47-1892)

【入 場】 無料(どなたでも傍聴できます) ※途中の入退室可、事前申し込み不要

【主 催】 太田市

【協 力】 構想日本

※詳細は、太田市ホームページでもご覧いただけます。
http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0020-001kikaku-kikaku/2017-0710-jk.html

お問い合せ:構想日本 伊藤/町田
TEL:03-5275-5607、email:shiwake@kosonippon.org

第1回の『自分ごと化会議』は、「地方議会」をテーマに東京で開催しました。

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(3) Yahoo!ニュースオーサー 記事投稿

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Yahooニュースにオーサーとして新しい記事を投稿しました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤 秀樹

◇2017年8月4日 ヤフーニュース 「自分ごと化会議」のすゝめ

https://news.yahoo.co.jp/byline/katohideki/20170804-00074148/

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【3】<アーカイブ(過去の寄稿文)>

JIメールニュースNo.288  2007.2.9発行

【基本に戻る必要があるのではないですか】

理工協産株式会社   代表取締役社長 杉浦 滋彦

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私は独立国の基本は三つあると思っております。

(1)自分の国を自分で守れること。
(2)自分の国で食べるものは自分で作ること。
(3)自分の国が使うエネルギーは自分で開発すること。

その一つでも満たしていなければ独立国ではない、故に日本は本当の意味で独立国ではありません。

「西郷南洲遺訓」その三に次のように書いてあります。

「政の大體は、文を興し、武を振ひ、農を勵ますの三つに在り。其他百般の事務は皆此の三つの物を助くるの具也。此の三つの物の中に於て、時に從ひ勢に因り、施行先後の順序は有れど、此の三つの物を後にして他を先にするは更に無し。」

北朝鮮が核実験をして「武を振ひ」の論議をする大チャンスに政治家は、その論議をすることさえ米国を刺激するので良くないと言う、萎縮した国に成り下がっております。米国大統領が約束した核の傘は、次の大統領の下でも維持されるとは限りません。同盟国の好意をあてにするのではなく、自分で自分の身を守るのが基本に立った正しい考えです。

日本の食糧自給率(供給熱量自給率)は40% 穀物自給率は28% 食料自給率は豪州が230% 仏130% 米国119% 独90% 伊79% 英国77% で、日本も昭和40年には73%あったのです。世界の主要国は大部分を自国でまかなえるようにやっていますし、それが常識だと思います。戦時中は名門霞ヶ関カンツリー倶楽部も芋畑になったのです。そして、今や農業では石油がないとトラクターが動きません。

エネルギー開発を実現するのに石油公団は必須の機関でありました。日本の近海に眠っているメタンハイドレート(シャーベット状になったメタン)を開発するにも、油田を自主開発するにも石油公団のような機関が絶対不可欠です。メタンハイドレートは世界中に分布しており、米国は開発に30年かかると言っていますが、エネルギー資源を持っていない日本は、10年ぐらいで開発をしなければいけません。

利益は勿論、売り上げもゼロで10年間開発費だけが出て行くことに耐えられる組織は民間では無理です。それに対する金融も政府系でなければ出来ないでしょう。石油公団解散と政府系金融機関の民営化は愚かなことです。民で出来ることは民では一部は正しい。しかしその裏に国がやらなければならないことは国がやる、ということが隠れているのです。

自給率から日本をみると、石炭は2.1% 石油は0.3% 天然ガスは3.1%しかありません。日本は04年にイラン・アザデガン油田の75%の権益を獲得していましたが、06年には10%に減少することになりました。日本の自主開発原油は、国内消費の15%しかないのです。

政府は06年に新国家エネルギー戦略をまとめ、自主開発原油の比率を40%に引き上げる目標を掲げました。 これは政府、国策エネルギー会社、民間が三位一体にならないと実現できません。エネルギーは国の生命線であり、第二次世界大戦に突入するきっかけもエネルギーでした。

日本は悠長に構えている暇はもうないと思います。私の言う独立国の三原則、西郷南洲の言う、国の三原則を正面きって論議を巻き起こすように活動出来ないものかと考えております。

昨年を初年度として、わが国は構造的に人口が減り始めるサイクルに入りました。今年からは、団塊の世代の大量定年が始まります。こういう時期に西郷南洲の言う、「文を興し」の論議だけでは足りないのではありませんか? 「此の三つの物を後にして他を先にするは更に無し」なのです。

*杉浦滋彦(すぎうら しげひこ)氏のプロフィール

1947年東京生まれ、理工協産株式会社代表取締役社長。元商工中金全国ユース会会長。現在、東京ポリマー協同組合理事長、社団法人日本商工倶楽部理事、財団法人国策研究会評議員、独立行政法人評価委員会臨時委員(経済産業省)。

理工協産株式会社のホームページ:http://www.ricohkyosan.co.jp

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