【No.907】『うちの子もいじめられました』を執筆して |在京テレビ局・記者  鈴木 真治氏|
2019.04.25

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構想日本メールマガジン【No.907】 2019.04.25 発行(平成最後)

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<目次>

【1】第251回J.I.フォーラム 5月24日(金)開催

「自分ごと化会議in松江 成功のカギ -シリーズ 民主主義の新しいカタチ(1)-」

【2】活動ニュース

(1) Yahoo!ニュースオーサー 記事

【3】スタッフ通信

(1) 自治体派遣スタッフ紹介(最終回)

【4】ご案内

(1)自治体職員のための講座「市民自治」第3回 in十勝

【5】巻末寄稿文

『うちの子もいじめられました』を執筆して

在京テレビ局・記者  鈴木 真治

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【1】第251回J.I.フォーラム  5月24日(金)

「自分ごと化会議in松江 成功のカギ -シリーズ 民主主義の新しいカタチ(1)-」

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「原発」という難しい課題を、正面から受け止め、生活に根ざした言葉で語り合った「自分ごと化会議in松江」。
市民が初めて行った、市民の手による、市民のための合意形成の場。日本全国で使えるモデルです。是非ご参加ください。

世界中で民主主義の危機と言われます。しかし、新しい方法がここにあります。
今年のフォーラムは今回を皮切りに、「民主主義の新しいカタチ」シリーズです。
今年は日本も政治イベントが続きます。様々な角度から民主主義を考えていきます。おたのしみに。

◯日 時: 2019年 5月24日(金) 19:00~20:50(開場18:30)

※開始時間にご注意ください。

◯会 場: アルカディア市ヶ谷 6F 伊吹 (千代田区九段北4-2-25、TEL:03-3261-9921)

◯登壇者:(敬称略・五十音順)

大谷 怜美(「自分ごと化会議in松江」実行委員会共同代表、セラピスト)

佐々木 俊尚(作家・ジャーナリスト)

福嶋 浩彦(中央学院大学教授、元我孫子市長、元消費者庁長官)

加藤 秀樹(構想日本 代表)

◯コーディネーター:伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円(構想日本会員は無料です)※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

事前にお申し込みください ☆懇親会はございません。

◯フォーラムの申し込み方法

⇒HPから申し込み:https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/regist.php
⇒メールをする:info@kosonippon.org
⇒Facebookイベントページの「参加」をクリック:https://www.facebook.com/events/1992989617497438/
⇒電話をする:03-5275-5607
⇒FAX.をする:03-5275-5617
いずれかの方法で、お申し込みください。既にお申込みの方は、申し訳ございません。

◯お問い合せは TEL 03-5275-5607

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※参考記事:会議の様子を総括ディレクター伊藤が、ヤフー記事にまとめています。

原発問題の解決の前提は原発を「自分ごと化」すること~「自分ごと化会議in松江」
https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20190312-00117881/

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【2】活動ニュース

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(1)Yahoo!ニュースオーサー 記事投稿

代表 加藤 秀樹

◇2019年4月11日 働き方改革と関係人口とふるさと住民票(R)
https://news.yahoo.co.jp/byline/katohideki/20190411-00121934/

ディレクター 伊藤 伸

◇2019年4月9日 多彩に進化し続ける「事業仕分け」
https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20190409-00119678/

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【3】スタッフ通信

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(1) 4月から仲間に加わった自治体からの派遣スタッフを、順次ご紹介してきましたが、今回が最後です。

千葉県鴨川市 秋元 真彦

千葉県鴨川市から参りました、秋元 真彦と申します。

平成元年生まれなので、これから初めて改元の瞬間に立ち会うことになります。
また、鴨川市からの研修派遣は自身が初めてということもあり、今まさに変化の流れの中に身を置いており、進む先は自分次第なのだとワクワクしつつも不安なような気持ちです。

まもなく「而立」30歳。
私のワクワクが構想日本のワクワクに繋がり、自身の成長が構想日本の飛躍に繋がるよう奮励いたします。

皆さま、どうぞよろしくお願いいたします♪

写真はこちらから → https://www.facebook.com/kosonippon/posts/2075367602532376

***鴨川市のご紹介***

海も山も水族館も病院も!な鴨川市ですが、移住の取組みとして「帰農者セミナー」を開催しています。

野菜作りが学べて、田舎暮らしが体感できて、移住を考えている仲間ができて、既に移住をしている人にも、更には地域ともつながれる。そんなお得(?)な場になっています。

過去の様子はコチラ↓

ビニールハウスの作り方を学ぶ ≪ふるさと鴨川通信No.154≫

***余談ですが***

プライベートでバイクのレーサーをやっています!
筑波か袖ヶ浦で練習してますので、サーキットに遊びに来た際はお気軽にお声掛けください♪

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【4】ご案内 (1)自治体職員のための講座「市民自治」第3弾! in十勝

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自治体職員のための講座「市民自治」第3回in十勝を実施します

年に2回東日本と西日本で開催している自治体職員のための講座「市民自治」。昨年度は6月に東北仙台で、12月に九州福岡で開催しました。今年度は北海道十勝で開催します。

この講座は、民と官、双方の地域づくり実践者との対話を通して、自治の本質を学ぶためのプログラムです。

住民を主体とする地方自治の実現と地域の潜在力を活かした多様性あるまちづくりのため、自らの頭で考え、行動を起こすことができる自治体職員となることを目指します。また同じ志を持つ横のつながりをつくります。

日時:2019年6月29日(土)13:00-18:00、6月30日(日)10:00-16:00 ※終了後懇親会を予定しています

場所:6月29日(土)幕別町札内コミュニティプラザ、6月30日(日)芽室町めむろーど

プログラム(予定):

「住民協議会(無作為に選ばれた住民が地域の課題を「自分ごと」として考える会議)」の見学、ディスカッション
「人口減少社会と自治」福嶋 浩彦 氏(中央学院大学 教授・元消費者庁 長官・元我孫子市長)
「事業仕分けの本質と活用」伊藤 伸 (構想日本 総括ディレクター)、模擬事業仕分け

受講料:2,000円(50人参加想定)(懇親会別)

主宰:福嶋 浩彦
運営:「市民自治」世話人会
協力:構想日本

参加申し込み:こちらのフォームより申し込みください。

お問い合わせ:「市民自治」事務局 構想日本 伊藤/田中
TEL 03-5275-5607 FAX 03-5275-5617
Mail project001@kosonippon.org

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【5】『うちの子もいじめられました』を執筆して

在京テレビ局・記者  鈴木 真治

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昨年末、長男のいじめ被害と私たち家族の苦悩について書いた『うちの子もいじめられました』(WAVE出版)を出版しました。新聞や雑誌の書評やコラム、教育関係の記事としても取り上げられ、ネット記事も配信され、大きな反響を頂いています。

当時小学3年生の長男へのいじめは今から2年前のことでした。長男は3歳上の姉と同じ都内の公立小学校に通学していました。異変があったのは小学2年生の頃です。5月、運動会の練習後に誰かに押されて前歯の永久歯を折ったのです。当初不運な事故として処理されましたが、その後もノートが隠されたり、体育着や筆箱がなくなったりすることが頻発し、3年生で担任の先生が変わると、4月早々からいじめが激しくなりました。

「くさい、汚い、死ね、消えろ」などの言葉が日常的に浴びせられ、仲間はずれ行為もありました。ようやく長男は「もうダメだ」と母親に訴え、いじめが発覚しました。

学校の対応は後手後手でした。新任の担任教師は、いじめの激化を止められませんでした。学校側に被害を訴え、加害児童にも学校から個別に指導がありましたが、時すでに遅し。長男は「いじめ後遺症」で苦しみ、不登校になりました。不眠になり、街を歩くのも怖がるようになりました。「くさい」と言われたためか、お風呂ではゴシゴシと何度も何度も、痛くなるまで体をタオルで擦ってしまうほどでした。やがて、「ああ、これで終わりにしちゃおうかな」、「死んじゃう」とまで口にしたのです。

その後も私たちは学校側と話し合いを続け、謝罪も連絡も一切なかった「いじめ中心者」の家族には、サッカーの練習場まで直撃し真意を質すなど必死に対応しました。しかし最終的には、引っ越しと転校を決断しました。引っ越し先でも長男と私たちはもがき続けましたが、何とか夏休みに少しずつ回復し、2学期から別の公立小学校へ通えるようになりました。

今回こちらで書く機会に改めて、なぜこの本を書いたのか、お伝えしたいと思います。

一つは、「いじめの“今の実態”を書ける」と思ったからです。

私は記者という職業柄、普段から記録をつける習慣がありました。

いじめの発生からそれほど年月が経過していない中で、そうした記録を書くことは、いじめを研究する材料になるとも考えました。これまでいじめ問題を含めて、教育に関する報道もしてきたこともあります。最近は、特に「低学年でのいじめ」の急増が注目されていますが、その実態のありのままを知って欲しいと思いました。

二つ目は、「いじめ後遺症」についてです。昨今、虐待の深刻さについては世の中でも徐々に知られるようになってきましたが、実は、いじめも同じ位の負のインパクトをもたらすのです。

イギリスでは、子どものときに同級生から受けたいじめは「大人から受けた虐待よりも深刻な精神的影響を与える」との研究(*注)が発表されています。しかも後遺症は、人生の中年期まで影響が長引くことも明らかになってきています。

*https://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/PIIS2215-0366(15)00165-0/fulltext

三つ目は「いじめ二次被害」についてです。いじめ被害を受けて苦しむのは、被害児童だけではありません。その兄妹、そして私たち両親も苦しみました。私は耳鳴りを発症、妻は原因不明の腹痛になりました。また「育て方に問題がある」など高齢の母から色々と強く言われたのがきっかけで、親子関係が崩壊しました。いじめには周囲の人々にも悪影響を及ぼすインパクトがあるのです。

四つ目は、「いじめ後遺症の最小化」への模索です。複数のいじめ対応を経験しているベテランカウンセラーによると、長男は「異例のスピードで回復した」といいます。もちろん失敗もありましたが、結果的には何が良かったのか、少しでも参考になればと思いました。

いくつか良かった点を整理すると、まずは「訴えを聞ける親子関係」です。低学年だったということもありますが、長男は被害を言葉にして訴えてくれました。何よりそれが彼を救う第一歩になりました。

次に「被害を言葉で吐き出せた」ことです。様々な表現で、長男はいじめの状況やその時の気持ちを話してくれました。もちろん、対応の大前提として“とにかく絶対に守るよ”という「安心・安全な場所の提供」もあります。そして「気分転換」をさせる機会もできるだけ設けました。

そして特に重要だったのは、私たちを支えてくれた「カウンセラー」の存在です。「いじめカウンセリング」というと、一般的には被害児童に対するものを想像しますが、私たちの場合「両親へのカウンセリング」が軸でした。苦しむ長男にどう接したらいいのか、どのタイミングでどう励ませばいいのか等、アドバイスを何度も受けました。

そうした中で、長男は「自己肯定感を回復するストーリー」を見つけられたのだと思います。いじめといった「体験の意味づけ」を変化させ、トラウマの記憶や感情を整理し、前向きな形でとらえ直すように促す。その療法を実践するよう、私たちはカウンセラーに導かれていたのかもしれません。

いじめ対策はまだまだ足りません。数十年たっても抜本的ないじめ対策を打てない日本の教育界に、私も一石を投じる報道をしていきたいと思います。教育現場は、いまだに「学力ファースト」です。それを「いじめ対応・最優先」にすること、安全・安心で楽しい学校こそが学力の根底にあるはずです。教職員たちによる、そうした認識の転換だけでも大きな違いを生み出すと思います。

「構想日本メルマガ」をお読みの社会的・政治的な影響力の強い方たちにも、本書も参考に、一緒に考えていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

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鈴木 真治(すずき まさはる)


在京のテレビ局に20年以上にわたり記者として勤務。これまで、いじめをはじめとした教育関係の問題についても取材を重ねてきた経験を持つ。実体験を綴った『うちの子もいじめられました』(WAVE出版)では、家族、職場、舞台となった学校など、周囲に与える影響を考慮し、仮名で執筆。

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【書籍のご案内】

★「うちの子もいじめられました「いじめ不登校」から「脱出」まで 150日間の記録」WAVE出版 鈴木 真治著
http://www.wave-publishers.co.jp/np/isbn/9784866211800/

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(編集後記)

いじめは、子どもの世界だけの問題ではなく、日本社会に蔓延していると思います。
叩きやすいところは徹底的に叩き、威圧してくる対象には遠慮する。配慮する?忖…。
負の側面から目を背けず、相手の気持ちに寄り添って、今出来ることを考えたいですね。

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